鼓舞だったり龍種だったり
『ワールドクエスト進行エリア出現中、一定エリア内での通常リスポーンに制限がかかります』
「はえぇよ」
誰が翌朝に来ると思うんだ。
…とりあえず待ち合わせ場所に行くか。
――――――――――
集合場所は昨日の門あたり、早朝ということもあってあまり人は集まっていない。
既にほかの者は集まっているようだ。昨日決めたメンバーに加え、『KNHT』の面々もいる。
「おう、来たか」
「これどうなってんの?」
「まぁ夜中の内に接近されてた…だな。上がってみてみろ」
言われるがまま塀の上に上がる。
そこに広がっていたのはだだっ広い平原ではなく、大量の機械兵だった。
それも昨日の数倍の規模だ。
「多いね」
「まあざっとみて5倍くらいはいるな」
「5倍か…」
どう考えても多い。
「勝てんの?」
「キツイな、一三子さん連れてきてギリギリのラインだろう。まぁ今日はいないが」
「…無理じゃん」
無理じゃん。居たらギリギリの人いないなら無理じゃん。
しかし気になるところが一つ
「で、これどういう状況?」
「わからん、門兵曰く日の出の時点で既にあの状態で、そこから…二時間程か。一切の動きがない」
「動きがない…まだ揃ってないのかな」
「アイツの…シセラの昨日のいいようだと準備が出来てるみたいな言い方だったがな、早まってとりあえず送り込んだか…」
「何かトラブルか」
「まぁそうだろうな、エリス嬢が何かしていると考えるのが妥当だろう」
「んん~…ダメだ呼び出せないね」
「おい」
あーだこーだ話しているとふと声が掛かる。
声のしたほうに視線を向けるとそこには幼女がいた。
「ようj…ヴォルクスじゃん」
「…まあいい、手短に話すぞ。状況が変わった、最速で行くなら二人までしか連れて行けない。今すぐ決めろ」
「二人?」
私たちは顔を見合わせる。
「想定よりもここに戦力を向けてきたようじゃ、人数を絞っても問題ないじゃろう」
「なるほ」
つまりは時間かけてらんないから六人でちんたら行くよりも二人で最速で行こうってことか。
で、メンバーどうしようか…
「ルリ嬢と俺が行く」
あら即決。
「別にリーダーが決めたなら異論はないわよ」
「ですね、僕たちは防衛に入るとしましょうか」
こっちも即決。
――――――――――
「ルリさん!」
先ほどから黙っていたユカリが声をかけてきた。
「私は力になれないですけど、えっと。エリスさんとは少しお話しただけですけど、その。ルリさんの事恩人だと言っていました」
「恩人?」
「はい、森の中で黒鬼?に追われていた時に現れて、最終的には命を救ってくれたと」
「…」
「それにあの人、街の中で楽しそうにしてたじゃないですか。多分初めてなんですよ、街に出るのも、人と歩くのも、友達になれると思うんです。だから」
楽しそうにしてた…かなぁ
「頑張ってきてください」
「…うん、頑張ってくるよ」
拳を差し出してきたので、ぶつけ合わせる。
懐かしい、昔は別ゲーでよくこうやって鼓舞しあったものだ。
「準備はいいかの?」
「おっけー!…てかどうやって行くつもりなの?!」
「乗せていくつもりじゃったが…多少揺れるが掴んでいくことにする」
「はぁ?掴むってなn…ちょ!」
「『人化』解除」
言うが否やヴォルクスは塀から飛び降りた。高さは十数メートルはあるだろう。
私達は慌てて駆け寄り身を乗り出そうとした。
乗り出す前に現れた巨大な影によって阻まれたが。
「マジ?」
「こいつは竜…いやさらに上位種…」
この世界にはNBMとは別枠だが同じくらい強大な魔物がいる。
四足歩行に巨大な翼、伝承や創作でもよく聞くその姿は__
「龍種…!」
『改めて自己紹介といこうかの。【迅雷龍・ヴォルクス】、此度も人類側として協力させてもらう』
「此度も…?」
『掴むぞ』
「えっああうん、グェェ」
名乗った龍は手か前足か知らないが夏将軍と私を鷲掴みにし、そのままかなりの速度で飛び立った。
――――――――――
「…」
「…これはいつまで待てばいいのだ?」
「命令があるまでだ」
「そんなことは分かっている。しかし、砦攻めの用意も整い既に三時間。シセラ様は何を考えている」
「…大方、エリス様と何かあったのだろう」
「むぅ……む?」
「…出たな」
「あれはヴォルクス様ではないか?」
「そうだな」
「あんなところで何をしておるのかな」
「お前、何も聞いてないんだな…」
なんか先の話じゃなくて過去の話とか書きたい話ばかり出てきてしまうのう




