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瑠璃の輝き。~VRMMO攻略記~  作者: イヌ汰郎
序章:はじまりのはじまりの話
3/44

変な女との出会い

 彼女の麻痺が解けるまでにゴブリンが三匹、ブルーバスが二匹の襲来があったが難なく退けることができた。

 最初は放っておこうかとも思ったがさすがに放置すると目覚めが悪い。それに彼女は麻痺の恐怖を共有した者同士だ。

 軽く自己紹介をする、名前はユカリで職業は魔法使いらしい。


「ありがとうございます。助かりました」

「…」

「見たものは忘れていただけると嬉しいです」

「…パンツじゃないのに?」

「そこが問題じゃないです!」


「ともかくありがとうございました。何かお礼を…まあお肉くらいしか持ってませんけど」

「あー火、出せる?」

「?はい初期の火魔法なら覚えていますよ」


 実は先ほどから空腹感がある。直接的な影響があるわけではないが気になるのでここで腹を満たしておいたほうがいいだろう。

 ここは一つナンパでもしてみようか。


「へい彼女。ちょっと食事でもどうだい?」

「は?」


 真顔で返された。


 ――――――――――


 手持ちにある中で食べれそうなものはブルーバス、ビックラットの肉くらいだろうか。彼女の所持品も似たり寄ったりだった。とりあえず二つとも焼いてみる。

 ブルーバスは脂が溶け出して旨味が出てくる、生でも刺身のように食べれるだろう。ビックラットの肉は歯応えがあって鶏肉の食感に似ている、これを食べるくらいなら鶏を食べたいが。

 まぁ所詮データ上の肉だ味を気にしたところでしょうがないだろう、ちゃんとした料理ならバフなどがかかるらしいがただ焼いただけの肉ではそうはいかないらしい。


「ふーむ」

「?どうかしましたか?」

「いやこの肉たちも食べれるよなーって」


 そう言いながらゴブ肉、コボ肉、アリ肉のゲテモノ三点セットを取り出す。同じ肉なのだ、食べれないことはないだろう。それに味の違いも気になる。


「…私は遠慮しときますよ」

「強制はしないよ」


 結論から言うとまずかった。亜人と虫の肉なのだおいしいわけがない。


『称号「未知なる喰事」を入手しました』


「は?」

「何か言いました?」

「…いや何も」


 大変不本意な称号を手に入れた気がするのでこっそり確認



 称号

 未知なる喰事 食材を直接摂取可能になる。食材を摂取時種類に応じてステータス上昇

 取得条件:非食用を含む魔物の肉5種以上を短期間に摂取する



 食材そのまま食べれるってことでいいんだろうか?とりあえずブルーバスの肉を食べてみたがまんま刺身だった。

 他の肉も食べてみたがどれも食べれなくはないが食べたくない、といったレベルだ。ポイズンアントの肉なんて毒耐性が発動した。罠だろこれ。

 なんてことを考えながら生肉をかじったりしていたが、ふと隣を見ると信じられないものを見るような目で見つめられていた。


「…」

「…」

「…食べる?」


 差し出される生肉。叩き落とす手。地面で跳ねる肉。


「…」

「あっごめんなさい!咄嗟に手が…」


 そりゃそうだ。普通好き好んで生のゴブリン肉なんか食べたくないだろう

 なんにせよ思わぬ収穫…喜んでいいのか?デメリットはなさそうだけど。

 少し悩んだが称号のことは黙っておくことにした、条件もアレで本人も知りたくないだろうし。

 ...二人で空腹を満たしているのだが、まだチラチラと見られている。口元というより顔全体を見定めるようにといった感じだ。


「...」

「...なんか顔についてる?」

「あっいえ、その...ずいぶん整った顔だなって...」


 少し赤面しているようだ。MOTHERに無難な顔と頼んだはずだが。

 少し失礼して川をのぞき込み顔を確認する。そこに映っていたのは赤く綺麗な色の瞳、モデルように整った顔立ち、銀色のさらさらしてそうなショートの顔。

 どこをどう見ても無難な顔というより気合入れて造った顔といった感じだった。

 忘れていたMOTHERは人間じゃないんだ感覚が違うんだ。

 あんまり目立ちたくないなぁ、鎧外せないなぁとか考えながら戻ると。

 誰もいなかった。


「…?どこいった?」


 見渡すと草むらほうでしゃがんでいる。何してるんだろうか?

 こちらに背を向けている彼女に近づいて話しかける。


「何してんの?」

「あっ見てくださいこの子!可愛いですよ!」

「なんだこの生き物…カワウソ?」

「かなり大きいですけど似てますよね」


 そこにいたのは大型犬くらいのサイズのカワウソだった。

 ゆかりの持っている肉が欲しいのだろうか、ねだるような目でこちらを見ている。モンスターにしては人懐っこそうだ。

 周囲にも何匹かいるようだがこの子のように出てくることはなくこちらをうかがっているようだ。


「ほーら、おいで。カワウソちゃーん」

「キュー?」

「かわいい~」


 モンスターがこんなにも人懐っこくなるものだろうか?普段から人に餌をもらっているのかな?

 カワウソの食事って確か...そういうことか。


「ああああああ!何してんのぉぉぉぉぉ!」


 私はとりあえずカワウソの首を刎ねた。

この称号持ってる人は結構います、条件がアレなので言いふらすようなもんでもないのであまり知られてないだけです。

食材は称号なくても食べれますが空腹の回復量は微々たるものになります。 


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