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瑠璃の輝き。  作者: イヌ汰郎
第一章:今のための過去のお話
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二千年

帝国・西方沖合


研究所から脱出した一行の飛空艇は道中二度の襲撃を受け海上に着水していた。


「逃げ切ったか...被害は!?」

「出力低下…通常航行は可能です」

「護衛の任を受けていながら何もできす...不甲斐ない」

「君は機械苦手だからしょうがないよ...まだ動くだけマシか、それじゃあこのまま王国の第四共同研究所まで行く」

「了解」

「王国内で飛空艇は飛ばせないから…1番近い港までどれくらい?」

「最短地点は...セブンポート、三日ほどです」

「わかった...帝国から連絡は?」

「...アンテナ損傷、近距離通信しかできません」

「...ありがとう」

「王国への説明はどうしますか、属国とはいえ皇族が事前連絡もなしに他国へ現れては...」

「...帝都の状況が分からない以上うかつなことは言えない、遭難ということにする」

「所長!娘さんの容態が!」


三日後王国へたどり着いた我々は生存者として保護された。


――――――――――


帝都陥落。

世界を統べていた国の中枢が魔物によって崩壊、その後三日と経たず本土の大半を占領されたという情報は世界中に広まっていた。

本土南部の島へと避難したという皇帝と連絡を取ることができたが、シセラは消息不明、骸蟲は侵攻を停止し本土からあまり出てこない状況らしい。


――――――――――

二か月後・第四共同研究所


保護という名目で研究所に軟禁状態の所長のもとへ向かう。

所長室から直通の仮眠室、寝床と机があるだけのその部屋は家主のように荒れ切っていた。


「失礼します」

「.........マルトか、何の用」

「...なにを、してるんですか」

「見て分からないのか、現実逃避だよ」

「それでいいのですか」

「何がだ、娘の症状は悪化!研究資料は破損!本データがある帝都や帝国研究所の奪還はく可能!おまけにシセラは行方不明!何をどうしろってんだ!」


パァン!と軽快な音を立てて頬へと平手打ちが飛んだ。

臣下()から君主()へと。


「貴方はそんな簡単にあきらめる人ではないはずだ!あの時医者に無理だと言われた私を...ただの友は諦めずに生かした!一年の時間をかけて!なのに貴方の娘は簡単に諦めるのか!」

「マルト...」

「ここで諦めたらシセラの思いはどうなる!彼女が命を賭けて何を護りたいと言ったのか貴方もわかっているはずだ!」

「そうだな、すまない...けど、もう何も残ってないんだ......」

「...方法はあります。必ず。それを考えるのが貴方のやるべきこと、そしてそれを手助けするのが私のやるべきことです」

「...」

「?テセル所長?」

「魔力過剰...人工臓器...そうか、足りないなら増やせばいいんだ。吸収を抑えようとしなくていい...いやそれだと身体が耐えられない...義体化...いけるか?この年齢での機械化は事例がないが...これしか手はない…応用でシセラも...試験運用で脳波のコピーがあったはず…いや今はリースが先だ」


友の声でやるべきことを思い出した科学者は何かを思いつき一心不乱に端末を弄り始めた。

彼はその後、不治の病を克服する方法を見つけ、疑似的な死者の蘇生までをも可能にしてみせた。

しかしその功績はすべての記録から抹消されている。


――――――――――


「...ト...マルト?」

「…お嬢様...失礼しました。少々過去のことを思い出して」

「構いません。それよりも...」


少し離れたところで仲間内で会話をしていた夏将軍が二人のほうを見る。情報に整理がついたようだ。


「さて、えーマルトだったか。」

「ああ」

「お前の話を簡単に纏めると...

・二人は大昔の帝国の人間で義体化によって生き延びている。

・帝国を衰退させた元凶が復活しそうだから、倒すために莫大なエネルギーが必要。

・今回の襲撃の目的は人間を経験値としてエネルギーにすること。

・機械兵たちの親玉は帝国軍最強だった軍人と研究所のお偉いさん、この二人も義体化で生き延びている。

...こんな所か?」

「おおむね間違いないが...シセラ様は義体化ではない、過去に研究の一環でスキャンした脳データを基にした疑似人格...人工知能だ。故に人間らしい感覚が欠如し慈悲もない、彼女が生きていたらこんな手段は取らない…はずだ」

「なるほど。で、エリス嬢…リース嬢のほうがいいのか?彼女はそのお偉いさん方の娘と」

「ワタシはRIES‐E(エリス)です。決してリースではない」

「…?わかったエリス嬢。で、だマルト。お前たちはこれからどう動く?二度目の襲撃はあるのか?」

「…ある、確実に。【氷神】は予想外だったが今現在確認できる戦力で本隊を止めることは出来ない」

「本隊の敵数は」

ーーーー(制限)

「?すまないなんと言った?」

「…制限がかけられた、今現在この機体を通して視らrーーー」


音声にノイズが走り、白だったライトが緑に変わり、

そして圧を感じさせる声で喋りだした。


「…マルト、少々喋りすぎですよ」

骸蟲・世界を統べていた帝国を三年で滅亡寸前まで衰退させた。帝都の崩壊と同時に侵攻の勢いは収縮。


魔力過剰吸収症・原因不明の奇病、空間中の魔力を過剰に吸収し臓器が耐えられなくなり死に至る。ここ数百年確認されていない。治療法も五年以上生きたという記録もない。

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