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瑠璃の輝き。  作者: イヌ汰郎
第一章:今のための過去のお話
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未来を護る過去のお話


「…ル…い...テセル!起きなさい!」


とある研究所、女と呼びかけにも反応せず椅子に座って爆睡している男のみぞおちに痺れを切らした拳が叩き込まれる。


「ウグゥ!...痛いよ」

「何回呼んだと思っているのですか、テセル。また夜中まで実験していたのでしょう?夜間の実験はほどほどにしてくださいと何度も言っているじゃないですか?」

「仕方ないじゃないか!新しい兵器の思いついたら止まらなくなっちゃったんだから!今度のは凄いぞ!人工的に電磁場を生み出して―――」

「五月蠅い、早く寝なさい」

「はいすいません、シセラさん!」


彼――テセルが何かやらかし、彼女――シセラが怒る。見慣れた光景だ。

周りの研究員たちも「またやってる」という生暖かい眼で見守っている。


「…はぁ、まあいいです。それよりあの子の調子はどうですか?」

「二時間前に眠ったとこだね...まぁ悪化もしてないけど回復もしてないって感じかな」

「そうですか…」

「心配しなくてもこのままいけば一年以内には特効薬が作れる。そうすればこの子だけじゃなくて多くの人を救うことができる」

「順調ですか...頑張ってください」

「言われなくとも!...で、新兵器の開発案なんだけど...」

「はぁ…マルトからも彼に何か言ってあげてください」


二人から少し離れた壁際に立っており、突然話しかけられた男――マルトが答える。


「そういわれましても...新兵器は事実我々にとっても助かるものでは?」

「それはその通りですが、実際彼の功績は計り知れないものです。私が言っているのは彼が寝ずに開発し続け身体に不調をきたすことであってですね...」

「しかし...私も研究成果があってこそこうして身体を機械化して生きていられるわけですし...」


その時、突如部屋のドアが開き息を切らせながら兵士の一人が入ってきた。


「総帥!帝都へ敵軍奇襲との通信アリ!その後、総司令部との連絡不可!」

「な...敵はどこから来たんだ!急に帝都が襲われるなんて...」

「確かな情報ではありませんが地中より突如現れたと...」

「...分かりました、すぐに向かいます。私達が出て行ったら研究所は防護壁、対骸兵器をフル稼働させてください。マルトとあなたは―――...その首はどうしました?」

「え?…うわぁぁ!なんdak――!」


たった今入ってきたばかりの兵士から一瞬目を離し振り返った瞬間、その兵士の首にこぶし大の腫れが出来ていた。

穂先をわずかに向けられながら指摘された兵士が慌てて確認しようとするも触れる前にみるみる膨れ上がっていき兵士は声も出せなくなる。


「マルト、防御!」

「了解!」


研究者と部屋の入口の中間に移動し盾を構えていたマルトが前進し両拳を地面に叩きつける、腕に仕込まれた機構が作動し瞬く間に壁のように巨大な盾が形成された。

直後、轟音を立てながら兵士が爆ぜた。


「うわぁぁ!いったい何!」

「自爆蟲ですね、寄生することもあると聞いていましたが実物を見たのは初めてです...みなさん気を緩めずに、が来ます」

「え?次って...!」


爆発で吹き飛んだ部屋の入り口の先、通路の奥の方から我先にと駆けてくる数匹の巨大な蟲が見えていた。


「この部屋の防護壁と対骸兵器は?」

「...ダメだ!さっきの爆発でイカれた!」

「...この研究所は放棄します!飛空艇に乗船してください!」

「分かった!」


ーーーーーーーーーー


「さて...マルト、ついていきなさい。私はここを殲滅したら帝都に向かいます」

「な...私もお供します!」

「飛空艇だけで逃げてもどうにもなりません。戦える人間がいないと。それに、帝都の状況も不明です。最悪放棄することも想定に入れなくてはならない。行くとしたら王国ですか…」

「しかし!」

「マルト・ヴィルヘルム」


有無を言わせぬ強い口調で告げる。


「帝国軍総司令官として命令します。黒盾騎士団の団長を現時刻を持って解任、テセル・マスエル第四皇太子と及びリース・マスエルの護衛任務を命じます」

「団長...!」

「そしてこれは友としてのただのお願いです、私の家族を...未来を守ってください」

「~~ッ!了解!護衛任務、謹んで拝命いたします!」

「...すまないな」


屋上へと続く階段を登る皆を眺めながら呟いた。

帝都への奇襲、通信途絶、研究所の位置が知られている、ここまで攻められては今回は負けだ。

元々圧倒的な数の前に防戦一方だった、時間を稼いで敵の親玉を叩く方針だったがこの研究所がやられてしまっては直ぐには難しいだろう。

研究所は世界各地にある。帝都も取り返せばいい。ならば今やるべきことは1つ、皇帝一家を護ること。皇帝の血さえ途絶えなければ負けでは無い。

そんなことを考えながら自分目掛けてくる蟲達を槍の一振りで薙ぎ払いながら叫ぶ。


「来なさい、蟲。私が相手です」


その後ここにいた者たちと彼女が再び会うことはなかった。


――――――――――


数分後、襲い掛かってきた全ての蟲を死骸へと変えたシセラの場所へと影が降り立った。


「飛空艇に何匹かまとわりついていたから落としておいたぞ」

「...来たのですか、貴方まで付き合う必要は無いのですが…」

「何を言っておる。最後まで付き合ってやる」

「そうですか、ありがとうございます。万が一の時は皇帝一家を貴方に乗せて逃がすとしましょうか。おそらく女王(・・)がいるでしょう」

「…」

「もし、私が死んだら貴方もあの子を護ってあげてください」

「...お主は我儘じゃな」

「フフ、貴方とは長い付き合いだと思っていましたが知らなかったのですか?。私は我儘なんです。我儘を貫き通して生きてきたんです、だから護りたいものは全て護ります。国も、家族も」

ちょっと色々忙しいので描くペースヤバイ、アイデアばっか溜まっていく

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