援軍到着
会話が長い
要塞都市:防壁上
「で、ここから当てられるのか?」
「さっきも言ったでしょ、届くだけだって。当たるかは分かんないわよ」
「自分の味方に当たるかもしれんのに大した奴だな」
「...うちのリーダーは直撃しても大丈夫よ、今でっかい奴は見える?」
「(こいつはバカなのか凄いのかよくわからんな)ああ見えるぞ、かなり激しく動いているが...」
「報告!敵増援上空より飛来!数十以上!」
「数百...この街を狙っていると考えて間違いなさそうだな、しかしいったい誰が...」
「うっそー増えるのー...まぁリーダーが何とかするでしょ」
「...信頼しているのか」
「リーダーに心配とかするだけ無駄なのよ、頭使うのは苦手だけどね」
「名高い【浮沈漢】でもあの数相手にできるのか?」
「【氷神】が向かってるのよ?【平原最強】もいて無理なら今この街に対抗策はないわ。強いて言えばもう少し異邦人を向かわせてあげたいけど...門は開けられないんでしょ?」
門の前に集まった大勢のプレイヤー。飛来物を直接見ていなくても先ほど街に入った者たちに話を聞いたのだろう、かなりの人数が集まっている。今、この街に人が少なくて助かった。
「無理だな【氷神】含め三名を街から出しただけでもほぼ違反行為だ。街が防衛態勢に入った以上門はしばらく開かない。もし破壊などしても厳罰だ」
「そうよねぇ…開門の許可は下りないの?なんか特例とかで」
「そもそも防衛態勢に入ること自体が稀だ。特に今の王になってからは初めてだからな。聡明だと聞いてはいるが…」
「王城より入電!現時刻より正門の開閉権限を団長へ一時譲渡!」
「…」
「…聡明?でいいのかしら?決断するのが速いわね。ありがたいけども。で、団長サマは開けてくれるのかしら?」
「仕方あるまい...門の前に集まっている者たちに説明を頼めるか?」
「いいわよ!」
「礼を言う。よし、開門の準備を…」
「んっんん、すぅぅーー」
「みんなぁぁ!盛り上がってるぅーーー?!」
「誰?」「あれ?彩多鹿ちゃんじゃないか?」「マジ?!」
「シナリオ進行だよぉー!!!」
「うおぉぉ!」「彩多鹿ちゃんだー!」「こっち向いてー!」
「うっすら知ってると思うけど簡単に言えば防衛イベントね!!門を出たらまっすぐ進んで!わかったぁ!?」
「りょうかーい!」「こっちみてェェェェ!!」
「...よし!OK!」
「これで士気は上がったんじゃない?」
「...人気者だな」
「まぁ色々やったからね?正直うざったくはあるけど嫌いじゃないわよ」
「…まあいい、開門!」
何度か話したことはあったが、この女結構バカかもしれない。人気があるのは本当のようだが。
――――――――――
城塞都市防衛線:対マルタ戦
上空で突風が吹いた。森の奥から城塞都市の方向へと。
一時的だったが突風が吹けば飛来物の飛距離も当然伸びる。そして数十ほどだったが球体が直接戦場に降り注いだ。
「よいしょっと...これで最後ですかね」
「そちらも終わりましたか?」
「ああ片付いた」
「じゃああとはあの黒いのですが...メルエスさんがやられているようです」
「あのデカブツにか...とりあえず合流するか......?なんの音だ?」
風を切る音、音の出どころを探ろうとしたその時、
ズガン!!
岩壁に球体が命中、着弾地点から上の壁が崩壊する。
「?!」
「いったい何が...ぐぁ!」
着弾点に向かおうと走り出した「KNHT」のメンバー二人がさらに飛んできた球体に押しつぶされキルされる。
「こいつは...!『破砕断鎧』!」
シヴァ犬が目測2mはある薙刀を一閃し、球体をを叩き切る。
起動し展開しかけたマルタに大きく切り込みが入り軋みながら停止する。
「これは...先ほどまでと同じ敵ですか?」
「まだ残ってたのか?しかしいったいどこから飛んできて...」
(((hyuuuuuuuuuu)))
各々の思考を遮るように聞こえてくるのは今聞いたばかりの飛来音。
それも一つや二つではない、それ以上の数だ。
「...空に敵増援!見えるだけでも数十!」
「これは想定外ですね...」
「下がるぞ!合流する!」
――――――――――
城塞都市防衛線:対マルト戦
機人と対する二人の視界には降り注ぐ球体が映っていた。
「増援か…めんどくせぇな」
「ですね...コイツの目の前で壁を張りなおす隙もありませんし...それにまだ五分はコイツから離れられません」
「さっき言ってたデバフの条件か、厳しいな...フンッ!」
思案しながらも攻撃の手は緩めない、倒すならばデバフがかかっている今しかない。
マルトもそれが分かっているのか防御ばかりで攻撃は薄めだ。
マルタ達が次々と飛来してきており右側はルリ嬢達が抑えてくれているが突破されるのは時間の問題だろうし、左側は誰もいない。
「マズイな抜かれるぞ!」
「...10秒つくってくれ夏将軍」
「何する気だ?勝算はあるのか?」
「正直五分五分だ。まぁコイツ以外は全部倒して見せるさ。死にはしないけど使い物にならなくなるからあとは頼んだよ」
「了解、任せろ」
「待ちな」
自滅覚悟の技を放つ準備をする2人の間に降り立つ二人と抱えられた一人の影。直後、瞬く間に見える限りの景色が変わる。
機人も球体も人以外のすべてが凍り付いた白く輝く氷の大地。
氷結魔術『白坤氷河』。特殊魔術系統職【氷神】独自の魔術。
「お前は...【氷神】か!」
「だんちょ~氷神さん連れてきました~うぶ」
「...お疲れ様、助かったよ。吐くなら向こう行ってね」
「さて、あたしは間に合ったかね?上から異常な練り方をした魔力を感じたんだがね?」
「助かりました、ありがとうございます」
降り立ったのは【王立図書館館長】一二三。
彼女は魔術師最強の一角【氷神】。
彩多鹿は頭よさそうに見えるバカです。が色々やってきているので一部プレイヤー達に大人気です。




