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瑠璃の輝き。  作者: イヌ汰郎
第一章:今のための過去のお話
22/44

【浮沈漢】

ネイキッド・キング(裸の王様)!」


 ――――――――――


 夏将軍を知るものは彼を「巻き込まれ体質」だという。

 実際、知られているだけでも「【要塞亀】上陸阻止」「NR汽車ハイジャック事件」etc...二年半の「GRANT WORLD」での有名な出来事のいくつかに関わっている。

 自分から首を突っ込んでいく人間だというのもあるだろうが、ゆく先々で何かと不幸に見舞われる。

 人を見捨てられない性格と闘うことが好きなのも相まって、彼はそれを楽しんでいるようだが。

 そして夏将軍の特殊スキル『裸の王様』。

 未装備箇所の数に応じて自身のステータス3つを一定値上げるパッシブスキル。スキル宣誓時上昇ステータスを変更可能な誰がどう聞いても変態のスキル。

 主職業のスキルの一切を発動できなくなるというデメリットを持つが身体強化系としては破格の性能を持ち、幾度となく激戦に身を投じてきた彼を生存させ続けてきたスキル。

 今回彼が行ったのは効果適用ステータスをHP、VIT、MNDからHP、STR、DEXへの切り替え、「防御特化」から「戦闘特化」への変更だ。

 半年ほど前に彼がこのゲームで初めて敗北するまで「防御特化もできる戦士」というだけで守りより自分から戦っていくことのほうが好みだった。

 彼は正直このゲームを舐めていた、メインシナリオとはいえまぁ勝てるだろうとここ半年同様、防御形態というある種の縛りで「死んだらそこまでだろう」という気持ちで望んでいたが...このままでは数で押される(......)という勘に。そして二人の少女の思いに動かされ。その制限を取っ払った。

 数多の事件、事故に巻き込まれながら二年半で死亡数1回という異常な生存力、戦闘力を誇りそのしぶとさと風貌から【浮沈漢】と言われた男が今日、半年ぶりに復活した。


 ――――――――――


【浮沈漢】夏将軍

 合計Lv:1287

 主職業:上級前衛戦士

 副職業:?????

 HP:15000+(5000×3)

 MP:100

 STR:4580+(3000×3)

 VIT:3500+(3000×3)

 DEX:500

 AGI:300

 LUK:10

 MND:100


 サーフボード型の盾を仕舞い取り出した武器はモーニングスター系統に属する先端部が碇形になった『伸・碇』。

 幽霊船のようなネームドのドロップで約1000m~1mまで任意で鎖部分の長さを調節可能というその特性がゆえに高いVIT(器用度)を必要で、さらに特殊効果として「ステータスを一定値上げるパッシブスキル」の上昇値を三倍にするという一般人にこそ微妙であるが夏将軍にはこれ以上ない最適な武器。


「久しぶりに持ったな」

「ずいぶん様が変わったね...それが有名な浮沈漢の由縁かな?」

「まぁそうだな、なまらないようたまにぶん回してたけど...実践は久々だからな。あ、防御はほとんどできないと思えよ?」

「了解。まぁ死なない程度にぶん殴るさ」


 ――――――――――


 戦時中なら心躍り嬉々として戦いに望んだだろう。だが今は違う、ここで勝つことが目的ではないのだ。目的は要塞都市。それを忘れてはならない。

 目の前の男、大して警戒していなかったが守りの姿勢だった先ほどとは打って変わり猛攻を繰り出してくる。この動きは知っている、【浮沈漢】だ。鎖が伸び縮みして不規則な動きで防御の隙間を掻い潜ってくる。先端部はかなりの速度でをまともに食らえないほどの威力を持っている。

 そして後衛の【平原最強】、こちらの動きを制限してくるような速さで、しかし無視できないほどの威力で的確な攻撃、そして足場を動かし体制を崩すような戦い方だ。

 ああ、任務がなければ楽しんだものを。


 ――――――――――


 ...正直舐めていた、【ライフセーバー】などというふざけた呼び名で呼ばれているようだし、さっきから防御ばかりで攻撃ができるとは思えなかった。

 だが今はどうだ、何の武器か知らないが長い鎖の付いた碇のようなものを振り回している。振るうたびに空気を切り裂き、地を穿っている。すさまじい威力だ。


「強くねー?ってか」

「強いですね...でも」

「ここまでやれる人間でしたか...しかし」

「なんで服着ないんだろう」「ですかね」「でしょうか」


 はい、満場一致(女子三人)で変態認定です。中身よくてもまずは見た目からでしょ。


「このままだと私達何もしてなくない?」

「...その心配は不要なようです」

「?なーに言ってぇ...」


 振り返った視線の先、森の方向の上空には無数の球体が見えた。


 ――――――――――


 要塞都市:城壁上


「よいしょ...っと」

「もうすこし西のほうに...?おい!何をしてるんだ?」

「なにって...狙撃の準備?」

「狙撃...この距離をか?」

「当たるかはわかんないけど届くわよ」

「届くのか...つくづく貴様ら(異邦人)には驚かされるな」

「私ごときに驚いてるんじゃないわよ。それに強い人はこの国(NPC)にもいるでしょうに」

「それはそうだが...当たらないのに撃って味方に当たらんのか?」

「夏将軍なら気づくわ、それに【氷神】が間に合うかもわからないからやれることはやっとかないと...よしできた」

「ずいぶんとデカい...バリスタ?か」

「確かに大きいけど一応弓扱いよ、動かせないけど」

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