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瑠璃の輝き。~VRMMO攻略記~  作者: イヌ汰郎
第一章:今のための過去のお話
16/44

そして話は動き出す

――――――――――


起動準備完了

射角調整開始...完了

マルト及びマルタ発射

到着まで86秒...進行開始


――――――――――


 物語というものは突然に動き出すものである。

 今この瞬間この世界に異邦人(プレイヤー)にしか聞こえないチャイムの音が鳴り響いた。


『プレイヤーの皆様にお知らせいたします。』


「ん?なんだ?」

「公式のお知らせかな?でも今までこんな事あったっけ」

「なかったと思うが...」


 ここは王都内、新旧問わずプレイヤーの面々が立ち止まり中アナウンスは淡々と語る。


『特定NPCの一定量の活動を確認しました。現時刻よりワールドクエストが発生します。

【大厄災】が解放されました。プレイヤーの皆様は【大厄災】の制圧を目指してください。

【大罪者】が解放されました。プレイヤーの皆様は【大罪者】の討伐が可能になりました。

詳しくは後日改めてお送りするゲーム内通知をご覧ください。

プレイヤーの皆様の検討を祈ります。』


「おい今なんて言った?」

「ワールドクエストが発生するって...え?そんなんあったの?!」

「てか大厄災?とか大罪者?ってなによ」

「ボス的なものか?複数いるっぽい?」


 突然のクエスト発生、解放要素にプレイヤー達は困惑していた。

 無理もない。発売から今までワールドクエストなんてものは影も形もなかったのだ。そんなものが実装される予定があるということを知っている人のほうが珍しいだろう。

 その時。


ズズン!!


 と、プレイヤー達が会話する中突如大地が揺れた。


「うわっ!なんだ?」

「揺れたぞ!」

「地震...にしては短いな」


 クエスト発生の影響がすぐそこまで来ている事を彼らは知らない。


――――――――――


 怒涛のアナウンスによる情報の波状攻撃に私たちは困惑していた。


「情報が多い...!」

「ちょっとわかんないことばっかりですねー」

「...気にするのやめよ」

「そうですね、今は考えてもよくわかんないですし」


 私たちが考えることを放棄した時地面が揺れた。


「...なんか飛んできたね」

「...なんか飛んできましたね」


 王都の外に出たばかりだったので遠くに何かが飛んできたのが見えた。

 あれが揺れた原因だろう。何が飛んできたのか気になるが遠くて見えないな、数キロはあるだろう。

 周りの兵士らしき人やプレイヤー達も何かが飛んできた森の方を望遠鏡らしきものを取り出したりして見ているようだ。

 私たちは誰もそんなもの持っていないのでどうしようかと考えていると、門の上のほう見張り台にいるプレイヤーらしき人物と兵士のお偉いさんっぽい人物が騒ぎ出す。


「...なんか近づいてきてるわ!」

「なんかとはなんだ!というか降りろ!」

「そんなのわかんないわよ!ちゃんと見えないんだし、でもまっすぐこっちに来てる感じね」

「...防衛体制を整える!1分で門を閉める!死にたくなければとっとと入れ!」

 お偉いさん賢明な判断だ。

 さてここで街の中に入ってNPCに全てお任せするようなプレイヤー達ではないだろう。突然のシナリオ進行と同時に王都に攻めてくるなにか(...)、繋がりがあると考えるのが普通だ。

 実際すぐに街に入ろうとするのはNPCや極一部のプレイヤーだけで門周辺にいたプレイヤーの多くがこちらに近づいてくるものに向かっていった。


「私は行くけどどうする?」

「私もいきます」

「...行きます」


 なんかエリスは考え事してる感じだ、ユカリは即答だしこの二人大丈夫かな。


「じゃあ行こうか」


――――――――――


 しばらく走り前を行くプレイヤー達に追いついた。森の手前で広がり陣形を組んでいる。どうやらここで迎え撃つようだ。

 上位層らしきプレイヤーが仕切っている。軽く自己紹介を交わしたのち適当な場所にいるよう言われた。

 周りの人とも自己紹介を済ませておく。と言っても4人しかいないけど。


「その装備...新規プレイヤーか?夏将軍だ」

「昨日始めたばかりだよ。名前はルリ」

「ルリ...せっかくのシナリオだ、死なないようにな...ああこいつらは右からPAPY、シヴァ犬、沙羅身だ」

「ご丁寧にどうも、この子がユカリで向かうがエリスね」


 軽く情報交換、どうやら門のところで見張り台にいた女性の仲間のようだ。彼女はメイン武器が使えない状態らしく門に残ったしい。


「結構皆指示に従うもんだね」

「ほとんどがあるクランのメンバーだな、実績があるから従わない奴はそういないだろう。クランメンバー以外はここに集められてるが」

「ところで何が来るんでしょうか?」

「わからんが、敵なのは確定だな」


 思い出すのは玄鬼だ、あいつは最初空から落ちてきた。どこから来たかは知らないが空中の移動手段があるということだ。

 似たような敵の可能性もあるだろう。


「来たぞ!戦闘準備だ!」


 私の予想とは運良く違ったがゆっくりと森から現れたのは丸く金属的なボールだった。

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