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剣と体術で蹂躙する

「どうぞ、こちらがご所望とされていた剣です。」


男は未来に跪き両手で剣を差し出した。


「よくやった、お前は今すぐに軍の持ち場に戻れ。」


「はっ!」


男はササッと村の入り口に戻って行った。


未来はどうやって攻め込む気だ?と笑いながら聞いてきた。


「やっぱり正面からいきなり攻撃するのが良いんじゃない?」


私は細かい戦術等は不要だと認識している。


細かく作戦を練ったとしても成功する可能性も低いし、正直面倒くさい。


私は戦いは好きだが長引くのは疲れるから嫌いだ。


「わかったそうしよう、戦いにおいてはシラリアの方が的確だからな。」


私に期待を込めるように両目でしっかりと見てくる。


「任せなさい。」


未来の肩を軽く叩いて鼓舞してあげた。


「フレンはここで隠れててね、敵に捕まったら面倒だからね。」


「せいぜい迷惑はかけないようにする。」


そう言いながら床の板を持ち上げる。


「ここの村は殆どの家が地下室を持ってるからね、ここに隠れてるわ。」


そのまま地下室に降りていった


しばらくすると、下の方から「入口を閉めて」と聞こえてきたので木の板をピッタリとはめ込んであげた。


「準備は整ったか?」


未来が髪を耳に掛けながら聞いてくる。


私は自信満々な顔で答えてあげる。


「勿論よ。」


私は未来の了承を聞かずに走り出した。


後ろから慌てて未来が追って来るのが分かる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


二分ほどで村の入り口まで戻ってきた。


未来は私よりも足が速いようで、途中から並走していた。


「案外足早いのね。」


「シラリアよりは足が長いからな。」


私はちょっとイラっとした。


「それって早くなるのと関係があるのかしら?」


「分からない、足が長ければ長いほど速く走れるというデータがないからな。」


未来は悪戯っ子のような顔で答える。


新たな研究テーマが見つかって嬉しいんだろう。


「おい!何をしてる!」


門の前に立っていた鎧を脱いで身軽になっている兵二人に呼び止められた。


私は一人を黙って剣で眉間を貫いた。


隣を見ると倒れこんでいる兵の頭に踵落としを食らわせていた。


「やっぱり最短で黙らせるには脳死が一番ね。」


「最後に聞いておくが……殺すつもりでいいのか?」


「情けは無用よ?好きにやりなさい。」


叫ばれる前にやれたのはよかった。


「音も出さずに殺すのはマストかもね。」


そんな独り言を言いながら大量の兵達のいるところに入っていく。


中は薄暗く、ランタンの火で明るくなっていた。


窓もなくここから外の様子は一切見えない。


「あれ?どうしました?」


誰かと思えば、さっき紙を渡した衛兵だった。


「ああさっきの。」


素っ気ない返事をした。


その隙に未来が回り込んで肘で後頭部を殴った。


「痛ってぇ!何するんだ!」


「ちゃんと一発で仕留めてくれないと困るのよ。」


「悪い、ちょっとずれてしまった。」


周りの兵もなんだなんだ?とぞくぞく集まってきた。


相手は先ほどはしまった剣をとっくに抜いていた。


「まぁ仕方ないか」と自分を納得させる。


思いっきり剣を振りかざしてきたが、私は素早く剣を抜いて押し返すとそのまま喉元を貫いた。


喉を刺したせいでシャワーを浴びたように血が私にかかる。


「何だ⁈何が起こったんだ⁈」


周りも急な出来事にパニック状態を引き起こしている。


直ぐに背を向けて逃げ出そうとしているのもいれば、勇敢にも武器を持って戦おうとしている者もいる。


「未来、この数だけど手助けは要る?」


「この程度で私が殺されるとでも?笑止千万だ。」


「大層な余裕ね、まぁ死にそうになってたら助けるわ。」


私は話してる間も口角が上がりっぱなしだった。


初めて遠慮なく暴れることができると思ったからだろうか。


今はそうしておこうかな。


敵は一人が前に出たのを見て全員がうぉぉぉ!と叫びながら向かってくる。


私はその集団をまとめて切り裂いた。


一瞬で十人は倒せたと思う。


私の足元には息も絶え絶えに転がっている兵たちがいる。


「こんなのじゃ満足できないわ。」


切り足りなくなった私は自ら敵陣に突っ込む。


走ると服についた血がぽたぽたと落ちて、奇妙な模様を描き出す。


先ほどの一連の流れを見ていた後続隊は恐怖に慄いて近づいてこない。


戦意が著しく低下しているので簡単に血飛沫を噴き出した。


何人かは即死しただろうが、醜く蠢いてるのもいる。


完全に戦意は消えただろうから放っておいた。


暇になったので未来の方を見ると大体片付け終わったみたいだ。


「こっちはもう終わったわ。」


未来は頸椎を砕きながらこっちに顔を向ける。


「こっちももう少しで終わる、少し待っててくれ。」


こっちは暇すぎて欠伸をする暇さえある。


「もっと手ごたえのあるのはいないのかしら。」


そんなことをぼそっと言うと「ギイィ」と誰かが扉を開ける音がした


「強い奴を望んでるのか?」


あ、と思った。


「あんたのことなんかすっかり忘れてたわ。」


そこにいたのはここに来るまで帯同していた青年だった。










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