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ペラの部屋模様

「ペラ、フレンは何処にいるか分かる?」


ペラはえ?といった感じで首を30度程傾けている、隣にいるティーナもよくわかって無いようで私の言ったことを復唱して理解をしようとしている。


「なんでそんなことを聞くの?さっさと捕まえればいいじゃないの。」


「その肝心のフレンがどこにいるかわからないと捕まえられないでしょう。」


私はペラの馬鹿さ加減にクラクラするが、それがペラらしいところでもある。


「それもそっか!シラリアは頭いいね!」


二人もそろって成程といった顔でこっちを見ている、しかし館の中をただ走り回るのも疲れるし何より面倒くさい、ここで待っていればきっといつかペラに会いに来るでしょ。


さっきまで極限状態レベルにいたからか何にも感じないのは喜ばしいことなの?


ふと部屋を見渡してみる、ペラとティアラは暢気に話をし始めていて、私は窓際に咲いていたゼラニウムをなでながら外を見ると、広葉樹が窓のそばに林立して太陽は見えないがしっかり計算されたように陽が差しこんでいることで部屋に暗い影が入り込むこともなく懸念点を払しょくされていて巧いつくりとなっている。


広さは人一人の部屋にしては広いと思うほどで、例えるなら村にある小さな教会の礼拝堂のイメージが浮かぶほど広く、壁は赤を基調とした中に金の刺繍が散りばめられていて、部屋の中にある木でできた素朴なテーブルや金で縁取られた椅子のミスマッチ具合が丁度色合いがいい意味で面白いんだけど…その割には床に土や草、梟のぬいぐるみ、何に使ったかわからない紙、おまけに割れたカップまで落ちてるし…だらしないというよりもまるで片付けのできない子供の部屋といった感じ、なんとなく…ほんとになんとなくでシンデレラとか明らかにお姫様の使うようなベッドの下をチラッとのぞき込んでみると、暗くてよく見えないが恐らくゴミであろう物体が奥に押し込められている形跡が発見できた、おかしいと思ってはいた、こんなに散らかっているのに目立つ埃やゴミが見当たらないのは不自然すぎると。


はぁ


思わずため息が出てしまう、それも仕方ないでしょこんなずさんなペラを確認できなかった私にも非はあるけどさすがにここまではこうやってじっくり見る機会がなかったら一生気付かなかったかもね。


「ペラ、ちょっといいかしら。」


その一言だけでペラはおびえた目をこちらに向ける、さっき私がベッドの下を見た後から明らかに顔色が悪くなったしこっちをチラチラ見ている。


「ど、ど、ど、ど、ど、どうしたの!」


喋り方も調律の取れてないピアノのように不安定だった。


ばれてないことを願っているようだが隠しきることなんてできるわけないし…大体私が何にも気づかなかったとしてもその動作はあまりにも怪しすぎる。


今思い返して考えるとさっきの「さっさと捕まえればいいじゃない」って言ったのも馬鹿なんじゃなくてこのことに気付かれるのが怖かったから私を部屋から追い出したかったのね。


「いや別に何でもない、ただ落ちてるものをそのままにしておくのはどうなの?って思っただけ。」


あえて重要な部分の指摘はやめておいた、理由はただペラがあたふたしてるのを見たい私のエゴよ。


指摘されたペラは急いで落ちていた紙やら、コップの破片を片付け始める、たまにちらちらとベッドの下を見ているがさすがに今掃除するのはあきらめたようで、私が気付いているとは思っていないようで、これでどう?と言わんばかりにすっきりした顔でこちらを見ている。


「ええ、それでいいわ、今度からゴミはその辺にほっぽり出さないでさっさと片付けてよ。」


こう念を押しとけばさすがに部屋全体きれいにするよね?


ここまで言ってまた片付けてなかったら牢屋にぶち込んで反省させるわ。


そんなこんなでのびのびと休んでいた。



















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