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短編とかその他

狼になりたい

作者: リィズ・ブランディシュカ



 もう我慢ならん。


 おこったもーん。


 我、今から家出るもんね。


 体についた、よわよわな縄を引きちぎって、家の窓から脱走。


 五階だけど関係ない。


 盛大にだーいぶ!


「ばうばう! わおん!」


 我、もう自由。


 飼い主に見つかる前に、さっさと行きたいところにいくんだもんね。


 あっ、その前にお気に入りの玩具をもっていこう。


 ボールをぱくり。


 優しそうな人がいたら、遊んでもーらお。


 飼い主みたいなイジワルなやつは、無視するか吠えてやろう。


 まったくあの飼い主は。


 ちょっと指示を聞かんかったくらいで、ひすてりっくに怒鳴るんでないわ。


 我、ぷらいどが高いから、人の言う事なんてきかんもん。


 だって我、しょうらい狼になるんだもん。


 ここうの狼は、だれのさしずも受けない、一匹狼。


 夢を叶えるためには、なれ合いはしない。


 そう決めたんだもんね。


 我、夢に向かって頑張る最中。


 理解ある飼い主は、犬の夢を応援するもんだぞ。


 ふーんだ。


 あっ、そこの綺麗なおねーさん。


 我と遊んで遊んで。


 おねーさんは驚いた顔で右手を高く差し出した。


「わんわんっ」


 そこにとびつくぞ!


 いいこころがけ。


 うむ、くるしゅーない。


 ぞんぶんに相手をするがよい。


 我は気分が良いぞ。







 ふぅ、楽しかった。


 そういえばお姉さん、さっき小さな四角い物体を耳にあてて、何かぶつぶつ言ってた。


 あれはなんだったんだろうな。


 我の首輪をみて、数字を喋ってたけど。


 むっ、遠くから飼い主。


 虫取り網と籠もってる。


 あかん。


 我、家出中だった。


 逃げんとあかん。


 って、ぐえっ。


「きゃいん!」


 おねーさん、なんで我を捕まえるん?


 これじゃあ、逃げられんよ。


「くぅーん、くぅーん」


 ああっ、飼い主が来てしまった。


 ガミガミ、ガミガミお説教。


 あいかわらずひすてりっくで、うるさいんだもん。


 人間みたい前足を自由にうごかせたら、耳をしっかりふさげるのに。


 ん?


 もう終わった。


 あっ、我を引っ張らないで。


 まだ家出おわってない。


 我の夢への旅終わってない。


 狼なんてなれるわけないでしょって、なんでそんなひどい事いうん?


「オオカミ、ナリタイ。ぴーちゃん、ナリタイ」


「犬の鳴き声をまね出来るだけのインコが、さらに狼になれるわけないでしょ」



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