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なんで  若者編

作者: らっこにんじん

別れについて少し考えたくなったので考えてみました。どうか温かい目でよろしくお願いします。

ある朝携帯がなった。それは仲がいい友達の訃報を伝えるものだった

『え?』

あまりのことに固まってしまった。それから何秒、何分が過ぎたのだろうか、電話は終わっていた。

少し落ち着きを取り戻したのか何とか状況を整理することができた。

それと同時に悲しみと涙があふれてきた。

訃報から1日目

お通夜にいった

『まだ20代なのに』

『かわいそうね』

そんな周りの反応にもかかわらず僕はただただぼーっとしていた。

ショックすぎて、感情すらなくなっていた。そして椅子に座った。

どこか遠くからお経だけが聞こえていたような感じがした。

訃報から2日目

葬儀、告別式が終わって家に帰った。自分の部屋のベットに大の字になって寝ころんだ。

ものすごい喪失感に襲われた。週に何回も一緒に出かけていて僕には必要不可欠な存在となっていた。

自分のことを理解して、仲良くしてくれるそんな友達だった。でもその人が亡くなってしまった事実はかわらない。何もできないくやしさとやるせなさでいっぱいだ。

『そうだ、なんで湊は、死んだんだ』心の中で言った。あ、そうだ友達の名前は湊っていうんだった。

体のパーツが一つなくなったみたいな感じだったんだ、友達の名前すら忘れてしまっていた。

一昨日の電話で聞いたことを曖昧であったが思い出そうと思った。

『あー、そうか交通事故か、』全身の力が抜けていくのを感じた。その瞬間寝てしまった。

訃報から3日目

『湊!あ、夢か、』あまり目覚めがよくない、何か楽しいことでもしよう。

『ゲーセンか、言うて先月来たばっかか、誰かさんと』どうしても湊のことがきになってしまう。

もうこの世にいないのに。

『今日は帰るか、ほかのことしよ』と言って結局動画を一日中みて過ごし、今日が終わった

訃報から4日目

『わ!また夢か、もう勘弁してくれよ』もう湊が死んでから、4日目。そろそろ嫌気がさしてきた。

隣に霊となっているのかと思った。でもそれでもいいかな。それでも居てくれるなら。

今日が始まった、何気ない、ときめきのない。これがあと何日、何か月、何年続くのだろう。

そう思うと改めて湊の存在が自分にとってどれほど大きいものなのかが分かった。

また、自分と気が合う人に会うことができるのだろうか。今日は湊がどんな友達だったのか改めて考える一日にしようと思った。それで思い残すことはない、これでけじめをつけようと思った。

出会ったのは高校かな、とても明るくて社交的ですごい人だと思った。高校に入って一番最初に話しかけてくれたのも湊だった。そんな湊は特に僕によく話しかけてくれていた。湊はとても優しいので、僕のことをただ気にかけてくれているだけだと思っていた。でも違った。最低でも毎週1回は遊びに誘ってくれた。でも僕は最初は、いじめられるだけだと思って湊を信用しなかった。なぜ僕がいじめられると思ったか。そう、僕はクラスではほぼしゃべらない、友達もいないと思っていた。まあ陰キャだな

でもある日湊からメールが送られてきた。

『なぁ、なんで一緒に遊んでくれないんだ?』僕は正直に言った

『行ったところでいじめるんだろ?』今思えば僕はなんて最低なんだと思った。

それでも湊は明るく接してくれた。

『そんなこと思ってたの?w』僕はそのメールにこう返した

『お前みたいなクラスの人気者に俺みたいな陰キャが誘われてるんだ、それ以外考えられない』

『そんなことないぜ、だって誘ってる時はいつもお前しか誘ってないから』予想しない答えだった。

『なんで俺みたいな?もっと他にいいやつたくさんいるだろ?』

『真人、俺を信じてくれないか?』なんと湊は僕の名前を呼んでくれた。

僕は驚いた。クラスでそんなやつ居たっけと思われるやつの名前を呼んだのだ。僕は思わず。

『今名前呼んだ?』

『ああ、呼んだけど?』

『そっか、ありがとう。じゃあ信じるよ湊』

『どういうことだよwじゃあ来週の月曜な』

『OK。で何する?』

『急に乗り気だなw』

『なんか悪いかよ』

その日は盛り上がった。とてもうれしかった。これが湊との出会いだ。

それからの日々は毎日楽しくてしょうがなかった。映画に行ったり、ゲーセン行ったり、本当にいろいろなところに行った、そして湊との思いでは昨日のことのように鮮明に覚えている。

それから、写真をみたり、スマホの中の動画を見たり、気づけば1時間たっていた。

『よし、これで湊とはちゃんとお別れできたな。ありがとう湊。』そう独り言を言った。

訃報から5日目

『うわ、また夢だ。』なぜ、夢にまだ出てくる、なんで。まだ湊は僕に伝えていことがあるんじゃないかなって、思った。なんでもいいからとりあえず考えてみた。

じゃあ『人はなんで完璧じゃないか』考えてみよう。

人としてじゃなくて体のことだ、人間みんな最強だったら世の中悲しむ人なんていないと思った。

例えばどんなに銃で撃たれても倒れないし死なない、そんな人間だったら。世の中の人間みんな病気にかからない、かかったとしても絶対に死なない、そんな人間だったら、よかったんじゃないかって。

人と出会えば別れもある、たとえ家族だとしても、いつかはみんな死んでいく。

ものと出会えば別れもある、壊れて捨てれば、別れ、たとえボロボロになって捨てなくても、自分が死ねば別れだ。出会いと別れは切っても切れない関係だ。だから僕は世の中の人全員が最強だったらいんじゃないかって。でも別れがなければ出会いもない。例えば卒業式、中学の卒業式なんかは小学校からの友達と別れ新しい友達と出会う機会。別れは尊く、美しいものだと考えた。 

人間には死というものがある、つまり別れ。人間も尊く、美しいそう考えた。

そう考えたときに湊の姿が目の前に見えた気がした。湊は

『ありがとう』それだけ言って消えて行ってしまった。多分考え過ぎで、幻覚が見えてしまったのだろう。でも、『ありがとう』それにきづいてくれてありがとうと言ったのか、それはともかく湊は僕に大切なことを教えてくれた気がした。別れというものは確かに悲しい、でも何かに気付けるチャンスだと分かった。この世に意味のない出来事はないと思った。

訃報から6日目

『おはよう』僕はいまだ実家暮らしなので母親にそういった。

朝はすっきり起きれた。昨日までが嘘のようだ。

数年後

あの出来事は忘れてないし湊が気づかせてくれてたことも忘れてない。前より前向きに生きれてるきがする。湊ありがとう。    続く                                                    



自分も人と別れることになった時にどう向き合うのか、そもそもその事実に向き合えるのかいろいろ考えてしまいました。なんとも切なく、少し寂しい気分になりました。皆さんは人との別れの時に何を思いますか。


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