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「成長。」




あれから更に3ヶ月が経った。

外は春から夏へと移り変わり始めており、町の木々は青々とその葉を繁らせていた。


日本ならこの時期、梅雨に入っている筈だが、

雨も長く続かず比較的過ごしやすい陽気が続いている。



ーー恐らく、生後9ヶ月前後だと思われる僕は怪我や病気もなく、成長していた。

この間ズリバイから卒業、ハイハイが出来るようになったし、座っていられるようにもなった。

そして何より嬉しいのが、少し前から離乳食も食べられるようになった事!

歯がまだ全然ないので舌で潰せる柔らかなパン粥等だけれど、それでもお乳以外のご飯は嬉しい…!


早い子は少し粒の大きな物を食べさせても良い頃の筈なので今度、スーザンさんが離乳食を作っている時に少し大きなパンを指差してみようと思う。


赤ちゃんなりにジェスチャーや表情でバンバン家族に感情を伝えているので、僕の伝えたい事は大体伝わっていると思う。


……スーザンさんがシンプルながらフリフリのベビードレスを持って来た時は、申し訳ないけれど、自然と嫌な顔をしてしまった。


まだ赤ちゃんなので性差は殆ど見られないし、男女どちらでも着られるようなデザインだったけれど、フリフリは嫌です………

精神年齢27歳(と9ヶ月)には厳しかった……


カットソーとかに付いてるレース位なら好んで着てたんだけどなぁ〜…所謂、ロリータファッションは見る専でしたね。

あぁでも、友人との遊びに行った日に双子ファッションで着たクラロリ、あれは良かったな。

落ち着いた色味だったし、装飾も少なめの物だったから普段見る専な僕でも楽しく着られたよ。


何より、友人の嬉しそうな顔プライスレス……


………元気にしてるかな。ちゃんと先輩と夢叶えられたかな。


ーー感傷に浸っていると、離乳食を作り終えたスーザンさんがこちらへやって来た。


やったー、ご飯の時間だ!!

思考を切り替え、今目の前にある物に意識を向ける。

今はご飯だ!お乳以外の味最高〜!!


「ノアちゃんは本当によく食べるわね。作りがいがあるわ」


スプーンで少しずつ食べさせて貰っているとスーザンさんはそう言ってカラッと笑う。

ふくよかなこの人は性格も大らかで、そして懐の深い人だ。

旦那さんとお子さん二人の四人家族みたいで、よくお子さん達の着なくなった古着を僕にくれる。


あのフリフリベビードレスも元は娘さんの物だったらしい……

僕よりも可愛い子の方が似合うと思います。はい。




◇◇◇◇◇




さて、今は深夜。恒例の真夜中の勉強会です。

最近は、歴史の授業と魔法の実技の他、加護の掛け方も学んでいます。


この加護というもの神様からの贈り物と呼ばれているらしく、種類も様々なものが存在している。

一般に治癒術、浄化、守護、身体強化等があり、更に珍しいものだと鑑定や予見の加護等もあるらしい。


全ての人に加護が与えられる訳ではない為、自然とその絶対数は限られて来る。

更に加護の複数持ちは滅多に居ない……との事なのだけれど。


えぇ〜、僕に与えられた加護なのですが……なんとその数、八つでございます。


いや、多すぎだろ?!!

誰がこんなに扱えるの?!

僕か!僕に習得して欲しいのかこの3匹達は!!


因みに加護の内容は、

治癒、浄化、守護、身体強化、幸運に加え、鑑定、空間転移、天候操作………


いや、空間転移って何……

ファストトラベルしちゃうの、僕。


加護の内の一つである鑑定、これを使って僕の事を調べてみたのだけれど、まぁ出るわ出るわ僕の持つ能力……


鑑定を使うとゲームのプロフィール画面のように目の前に文字の羅列が出て来るのだけれど……

まず、魔力について。

これは前に試した通り六属性持ち。

そこまではまぁ良いだろう。転生チートだと思えば、驚く事じゃない。

だが、本題はその魔力量だ。


この鑑定、魔力量を数字で表示はされないのだけど、各属性の色を宿した光のオーブが表示されていた。それが途轍もない、強い光だったのだ。

目の前だったから直視してしまったよ。目が潰れるかと思ったわ……


これに先程の加護が八つと、耐性なるものも表示されていた。


毒耐性。細菌耐性。混乱耐性。幻覚耐性。魅了耐性………


いや、耐性も多いな!いつの間に僕には毒やら細菌やらの抗体が出来ていたんだ。

通りで風邪ひとつ引かない訳だよ!



それと気になる項目が一つ。

種族欄?みたいな項目があり、例えばパスポートなど身分証明書に於ける国籍が書かれているだろう箇所には"ケルヴィナ人"と書かれておらず、こう書いてあった。



ーーートゥイ・トゥール・マ(星母神の愛し子)



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