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大好きな家族とほのぼの生きています  作者: 青磁
【広がる世界編】
71/108

「同期の少年達と。」


皆様、明けましておめでとうございます!

拙作ではありますが今年もどうぞ宜しくお願いします。



新年初投稿はあの子達が登場します!




今日は週に2日の冒険者見習いの日。

大体週に5日仕事を入れている義兄と同じ日に行かれるように日数は調整している。元々見習いの日は義兄と一緒に居るのが仕事を始めた時の家族との約束だしね。


そんな訳で義兄と二人身支度をする。装備を整え認識阻害の魔法が問題なく掛かっているのを確認した後、念の為ペンダントも着ける。

昨日ニールさんに僕の鑑定画面に偽情報が載っているのを見て貰っているから魔法は切れていない。

義父さんとフィリに行って来ますと言い二人で家を出た。


ーーー辻馬車に揺られチェロの街にある冒険者ギルドへ赴く。

本格的な忙しさのまだ見られないギルド内は職員の人達が掲示板に依頼を貼り出していたり、カウンターで書類を渡しながら談笑したりと少しのんびりとした空気が流れていた。

僕達は手を繋いで依頼受注用のカウンターへ歩いて行く。


「おはようございます。」


「おはようございますミラさん。見習いのお仕事、今日は何がありますか?」


僕達の挨拶にカウンターに座る女性が顔を上げる。目元の黒子が印象的なその女性は僕達の姿を認めるとニコリと微笑んだ。


「あらリコ君。ディラン君もおはよう。ふふ、二人共今日も仲が良いのね。」


「ははは…僕ももう10歳ですし手を繋がなくても良いって言ってるんですけど……」


そう言うと無言のまま繋いだ手をぎゅうと握られる。

外で手を繋ぐのは恥ずかしいのだけれど……義兄は僕が迷子になると思っているのか外では極力手を繋いでいようとする。


一応偽名を使っているから義父さんの子だとバレないよう、近所の幼馴染だとギルドでは話している。子供とは言え男の子同士で手を繋いでいると思われているのも居た堪れないし義兄が体格がある分、子守のように見られていないかも気になる……


というか、絶対子守に見られてる。職員さん達の見守る目が温かくて毎回僕は何とも言えない気持ちにさせられる。

何より同年代の子に見られるのが恥ずかしい。

この間エミに揶揄われたのだけれど……


見習いの仕事を案内して貰っている間そんな事を考えていると不意に後ろから声を掛けられた。


「お〜リコとディランじゃん。二人共早いな〜」


もう聞き慣れた声に振り返るとそこには案の定エミとジャックの姿が。


「おはようエミ、ジャック。二人も今日は見習いの日だったんだ。」


「おはよう。」


「おはよう、俺が珍しく早く起きれたから今日はエミご機嫌なんだ。」


朝が弱いというジャックはそう言うとふわ、と欠伸をする。

エミが楽しそうにジャックへ視線を向けている隙にそっと繋いでいる右手を離そうとするが、それを見越した義兄に力を込められ逃げられなかった。


ジャックはチラと僕達の繋がれた手を見たがそっとスルーしてくれる。

だが、エミはそんな配慮に気付かず此方へ顔を向け直すと笑いながら口を開いた。


「でも二人とも本当に仲良いな〜。男同士で手なんか普通繋がないだろ。」


「……………だって、ディルさん。」


………む〜。

指摘された恥ずかしさに八つ当たり気味にジロ、と隣の義兄を見上げる。

……顔は赤くなってないよ。本当だよ。


そんな様子を見た義兄は目元を緩め僕の頬をふにふにと突く。

やめて下さい。言わずとも何を指摘してるか判るから。というか本当に手を離して下さい………っ。


まだ小さな冒険者の遣り取りを微笑ましく見守ってくれていたミラさんだったが書類を数枚出すとこほん、と咳払いをした。


「貴方達そろそろ仕事に意識を向けてね。

それで今日の仕事なのだけれど……」




◇◇◇◇◇




僕達4人は今、薬草採取によく訪れる森に来ていた。

この辺りの森は許可を貰った見習いのみでの行動が許されている地域になる。

今日は来年冒険者の資格を取得するジャックと魔物の対処が可能な義兄がいる為、見習い4人での行動が許された。

見慣れて来た森の中を一見のんびりと、義兄と僕は索敵を行いながら進んで行く。


「もう少しで薬草の採取ポイントだな。そろそろネロ草が生えてくる時期だけど、どうかな?」


「ネロ草の芽なら先月生えてるのを見たよ。

あれは整腸剤になるから採っておきたいね。」


「リコは物知りだな〜。俺は薬草採取より鍛えて魔物討伐がしたいよ。」


「ふふ、薬草採取も大事なお仕事だよ。

夏場は食中毒の危険もあるから早めに用意出来たら助かる人は多いと思う。」


「まぁそのお陰で金になってるから良いけど……やっぱり魔物討伐に行きたいよ。良いよな、ジャックは来年冒険者になれるんだから。」


エミのその言葉にジャックが肩をすくめる。

ギルドの規定で冒険者登録が出来るのは14歳からとなっている。それまでは先輩冒険者や指導係に師事して危険な討伐や重要な依頼は受けられない事になっている為、エミとしては物足りないのだろう。


そんな会話をしている間、義兄は一人黙々と先頭を歩いていた。以前、薬草の採取ポイント付近まで魔物が来ていたので警戒してくれているのだ。

僕もエミ達に危険が及ばないよう探索魔法とサーモグラフィーの魔法を展開している。聖霊の皆んなも姿を消して周囲を警戒してくれていた。


………まぁ、魔物が来ても大丈夫でしょう。


ちら、と後ろを振り返ると殿を務めるジャックと目が合った。

僕からしたらまだ子供だから危険な目には遭って欲しくないんだけどね……。

前を向き、何も言わない義兄に視線を向けると僕はそっと息を吐いた。



ーーーー暫く進むと採取ポイントへ辿り着いた。

僕達は手分けして地面に生える薬草を採り始める。まだ小さい物と花が咲いている一部は残す。来年以降もまた採れるようにする為だ。


皆んな慣れた手付きで袋へ入れていく。エミは口ではああ言いながら仕事が丁寧だ。指先が器用なのもあるかもしれないが葉を傷めないようにちゃんと根っこ毎入れている。


僕は薬草の他に木に巻きついた蔦を見つけると根から抜き回収して行く。採る前に瑞々しい葉を優しく撫でると風に靡くように揺れる蔦の葉。


ごめんね、すぐに水をあげるからね。


袋に入れながら水の魔力を袋へ流し、根っこの周りに薄い水の膜を張る。根付いた地から離してしまったせめてものお詫びだ。


皆んなの持つ袋の中にもそっと魔力を流し水を与える。これで薬草の品質も落とさずにギルドへ持ち帰れるだろう。

エミ達の分も、少しでも買い取り額が高くなれば良いな。

年相応に元気に笑い合うエミとジャックを見て僕も自然と笑みが溢れたーー


ーーーネロ草も無事に収穫出来そろそろ引き揚げようかという時、それは突然訪れた。


それまで遠くに聞こえていた鳥や虫の鳴き声が一斉に止み、穏やかに木々の間を流れていた風が強くなる。

ざぁ、と風に葉が鳴る音が響き森が騒めき始め僕達は森の変化に動きを止める。


素早く視線でお互いの位置を確認し、各々が武器に手を置きながら荷物をゆっくりと地面に置き、互いを背に周囲を警戒する。



ーーーやがてパキ、という枝の折れる音が鳴り()()は姿を現した。




お読み頂きありがとうございました。


厳しい寒さが続きますが、皆様息抜きや自身の時間も大事に、どうぞご自愛下さい。


好きな物事は人生の彩りであり栄養であり宝です。

この作品を自分自身がもっと好きになれるよう、書いていこうと思います。 


それでは、また明日。


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