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大好きな家族とほのぼの生きています  作者: 青磁
【広がる世界編】
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「夢現。」




あの後声を聞き駆けつけたライネル先生により二度目の雷を食らい、ベッドの近くに監視を立てられています………

ニールさんが無理やり、とか際どい事を言った事によりまだ幼い僕が義兄に襲われていると勘違いした大人達が義兄を連れて行こうとしたりちよっとした騒ぎになった。


…………僕が助けてとか言ってしまった事もあり色々と誤解を招いたようだ。


因みにニールさんを連れて来た義父さんは一度義兄を連れて部屋を出て行ったがすぐに戻って来てベッド脇の椅子に座っている。今は痛そうに拳を摩っていた。


流石の義父さんも義兄に拳骨を食らわせたらしい。丈夫な義兄の事だから身体へのダメージはないだろうが、精神的ダメージは凄いと思う。

今はめちゃくちゃ反省してベッド脇の椅子に遠い目をして座っている。


騒ぎの内容が内容なのでニールさんと一緒にお見舞いに来てくれたオルガちゃんとフィリは一階の待合室にいるとの事だ。

態々来てくれたのに本当に申し訳ありません……………


…………はぁ。とんだ1日になってしまった。


因みに誤解の解けたニールさんは始めの慌てようから一転してツボに両足を突っ込んでひたすら笑い転げています。

ん〜5分は経過したかな。この人の周りに防音魔法張っても良い??

そろそろ呆れた目を向けても良いと思うの。


ひぃひぃ言い始めたニールさんに亜空間から飲み物を取り出し差し出す。因みにさっきのソーダなのは偶然だよ。別に笑い過ぎて咽せてしまえとか思ってないよ。


案の定咽せたニールさんに今度は布巾(ハンカチ)を差し出す。

大丈夫です。と懐から布巾を取り出した彼はふぅ、と息を吐くと改めて僕達を見た。


「本当にすみません……私の勘違いでこのような騒ぎになってしまって。」


「いえ、すぐに気付いて下さって本当に良かったです。安静にと言われているのにこの子達は………」


「「ごめんなさい。」」


義兄と二人揃って謝る。他の人も利用している公共の場ではしゃぐの駄目。絶対。


「ふぅ。二人の事だから信頼して何も言わないでおいたが……堪え性のない男は嫌われるよインディル。」


「…………はい。」


「インディルくんあまり気を落とさないで。

今度エスコートの作法を教えてあげるから。」


「ありがとうございますニールさん。」


………あの、恐らく会話の中心に居るのは僕ですよね??

本人の前でする話なの、それ……???


あの、僕襲われてないからね??

兄弟で戯れてただけだからね???


疑問符が頭の中に浮かぶが取り敢えず気にしちゃ駄目だと頭の中が警鐘を鳴らしているのでスルーする事にする。うん。気にしたら負けだ。うん。

視線を明後日の方向へ向けて無視していると、さて、と気を取り直したニールさんが話題を変える。


「倒れたと聞いた時は驚きましたが思ったよりノアちゃんも元気そうで安心しました。


………最近、忙しくさせてしまった私にも責任があります。大事なお子さんの身体なのに倒れるまで気付かず、本当に申し訳ありませんでした。」


そう言い深く頭を下げるニールさんに僕は違う、と慌てて口を開く。


「違います!それを言うならニールさんの方こそ僕よりも忙しくさせてしまっています!

僕の事はあくまで体調管理を怠った僕の責任で……」


「元々商会の話を持って来たのは私です。

いくら加護があるとは言え、ノアちゃんの負担への配慮を怠った私も同罪ですよ。」


「……ふむ。二人共真面目に取り組んで来ていたのは承知しております。

しかし、二人共勤勉だからこそ自信を犠牲にしてしまうのかと。ここはノアの提案した労働条件を二人にも適応するというのはどうでしょうか?」


義父さんのその言葉に僕もニールさんもキョトンとした顔をした。



「………では、そのように。

本日は態々お伝え下さりありがとうございました。

商会の事は滞りなく進めておくのでノアちゃんは暫くゆっくり休んで下さいね。では、お大事に。」


そう言い部屋を出ていくニールさんへ手を振り見送る。

オルガちゃんが用意してくれたというお見舞いを手の中で転がす。コルクの栓がされた小さな小瓶には可愛らしい花のポプリが入っていた。テナー商会の精油を使用しているそうなので開けるのが楽しみだ。


義父さんの言った労働条件とは今僕が契約を進めている労働者の雇用条件の事だ。

それぞれの家庭事情や持病等をニールさんが聞き、情報を聞いた僕が前世の記憶を元に作成した草案ーー労働基準法を記したものと照らし合わせて勤務時間、日数、休みの条件、手当等々……一人ひとりに働きやすいか、給金は生活に足りるかを確認して作成した物だ。


雇用者の中には幼い子供を抱えている女性もいる為週2日勤務で契約している場合もある。

それを僕にも適応させようというのが義父さんの主旨だ。


僕は所謂掛け持ち……見習いの仕事に加えまだ未成年で勉強も続けている身である為、週に2日商会へ足を運び従業員が作った商品への加護の付与と経営状況の確認、ニールさんとの経営方針の擦り合わせ等を行うという事で話が纏まった。


それに併せてニールさんの雇用条件もちゃんと書類に明記する事になった。あくまで会頭は僕なので、その点は釘を刺しておいた。


絶対ニールさんもワーカーホリック気味だからね。

融通が効くように月20日の契約で話は纏まった。その他、冠婚葬祭・急な怪我等の休日は別途設ける事になる。

有給休暇使わないと勝手に休みに入れますよ。と言っておいたので忘れたフリをして働く事はしないだろう。


………身体をちゃんと休めたら、皆んなにお礼をしないと。

オルガちゃんも折角来てくれたのに会えなかったから顔が見たい。お菓子を作って送ろうかと考えていると段々と瞼が重たくなってきた。


先程取り替えた点滴は一回り小さい。

栄養の為というより休養の為のものだろう。睡眠薬入ってるな〜と考えながら枕へ頭を預ける。


「眠たくなったかい?」


「うん……少し寝るね。今日は本当に、ごめんなさい。」


「もう良いんだよ。ゆっくり休みなさい。」


「はい………お休みなさい。」


二人からお休みのキスを貰った僕はそのまま夢の世界に落ちていったーーーー




◇◇◇◇◇




ーーーーーー「……それじゃあ、ノアー俺にとっての…………ういう事ーーか?」


「……えぇ、文献に………明記がされてーーー

ーーユーヴァ………脈の……神聖な山として立ち入………禁忌扱いされているあの辺りーーはイン………と同じ……を……ーー民族の名が…………」


………誰かの話す声に意識が段々と浮上してくる。

……ん…………誰…………………?


声は揺れながらも途切れとぎれに言葉を伝えてくる。


「……の緋……もーーに由来するも…………

恐らくーーーティマ………れる者の…かと。

ーーちゃんの存在………とっての番ーー……」


「……であれ………俺の………人です。

ーーーノアは俺の全てだから。」


……何、お兄ちゃん………………?


ーー義兄の声が聞こえた気がするも薬が効いている意識はまた段々と沈んでいってしまう。


……待って………僕が……どうしたの…………?


ーー何事か問い掛けようとする思考とは裏腹に僕の意識はまた夢の中へと深く沈み散ってしまった。



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