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大好きな家族とほのぼの生きています  作者: 青磁
【広がる世界編】
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「修羅場?」




………う〜んお兄ちゃんそろそろ離れても良いと思うの。


あの後、僕の返事に納得いかなかったらしい義兄は代わりというように僕の事を甘やかし始めた。僕が眠れるまで掛布の上からお腹を優しく撫でてウトウトし出したら顔中にキスをして。


お昼の時間になると僕を優しく起こし、髪と寝衣を整え女史の方が運んでくれたご飯を甲斐甲斐しく僕の口元へ運ぶ。


お兄ちゃんのご飯は?と聞くと後で摂るとの返事が。流石に良くないと思った僕は一緒に食べたいと言い、亜空間から非常食兼保存していたご飯を出してベッドの上に敷物を敷いて並べた。

ふふふ、こういう時の防音魔法と守護の加護ですよ。

衝立とカーテンで視界は遮られているので運ばれてきた以上の食事の音も匂いもこれで周囲にバレない。

誰か入って来たら分かるように念の為入口側は防音魔法を張らないでおこう。


沢山食べる義兄の為次々に亜空間から取り出して行く。

見習いの仕事の際持って行くオープンサンドの残りや果物、熱々なままのアウフラウフとカトラリーを出せばなかなかに豪華な昼食となった。


ついでにハーブシロップを自家製炭酸水で割って特製ソーダにする。炭酸水はよく冷えた水に重曹とクエン酸で案外簡単に作れるからね。

ただ蓋がないとすぐに炭酸が逃げるのと材料を入れ過ぎるとしょっぱくなるから分量の加減と手早く行う事が必須だけど。

あ、この間スーザンさんと一緒に作ったキプフェルがまだあった筈。


始めは大人しくしてろと言っていた義兄もデザートまで揃え始めた僕の様子に諦めたように息を吐く。


「あとは俺がやるからお前は食べるだけにしろ。」


「……は〜い。」


今度こそ大人しくご飯を頂きます。いつも通りあ〜んをされて少しずつご飯をお腹に収める。

僕の飲み物はライネル先生のお達しでポーションだ。


透明なガラスの瓶越しにどろっとした濃い緑色の液体が見える。……また果実水で飲み易くしておこう。


「お兄ちゃんも冷めない内に食べよう?」


折角色々用意したのにお兄ちゃんは僕にご飯を食べさせる事に夢中で全然自分のご飯に手をつけない。

見兼ねた僕はスプーンを持ってアウフラウフを一口大に取るとふぅふぅと冷ましてから義兄の口元へ運ぶ。


「はい。あ〜ん」


「ん。」


ふふ、お兄ちゃんが僕に食べさせたがるのも分かるよ。

偶にお兄ちゃんからお願いされて僕もあ〜んをするのだけど、嬉しそうに食べてくれる口元をずっと見ていられそうだ。


因みに最近自立心の芽生え始めたフィリは自分で食べたいと言いやらせてくれません………おませなフィリも可愛いけど僕は兄離れが早くって少し寂しいです。


それからはお互いに食べさせ合ってご飯をお腹に収めていく。

少し機嫌の直った義兄はデザートに手をつける頃にはベッドに上がり僕を足の間に座らせ始めた。

そして僕を自身の身体で包むとキプフェルを手に取る。


一口で入り切らないので手を受け皿にして少しずつ食べ進める。粉糖のまぶされた三日月のお菓子は口に入れるとほろっと崩れる。

ヘーゼルナッツとバターの優しい味が口に広がり僕は頬を綻ばせてお菓子を楽しんだ。


最後は義兄の指ごと口に含んで指についた粉糖も食べてしまう。手の上の欠片を捨てないとと思いゴミ箱を探すがその前に義兄が僕の腕を掴んで手の平をべろ、と舐めた。


「……お兄ちゃんお行儀悪いよ。」


「今更だろ。」


「……それにちょっと恥ずかしい。」


「それも今更だろ。」


そう言いニヤリと笑う義兄に頬を膨らませる。そういう事を白昼堂々と言わないの。義兄は意識させるかのように僕の首元……魔法で見えなくなっている噛み跡をなぞる。その仕草に夜の事を思い出して身体がぶるりと震えた。


………何でもない。只の、スキンシップ。だけど恥ずかしいものは恥ずかしいの。


溢れそうになる想いに蓋をして無理やり気持ちを切り替える。

キプフェルを食べさせ合うには少々この場は宜しくない。

僕の腕に繋がれた点滴も動きを阻むから後ろの義兄に食べさせるのは難しいかな。

そう思うと言葉にせずとも仕草で伝わったらしい義兄が事もなげに宣った。


「お前が口に含んで食べさせてくれたら良いだろ。」


「なっ……!」


………な、な、何を言ってるんですか………!?

そ、そんな恥ずかしい事出来る訳………!!


あわあわと口を開いては閉じるを繰り返す僕の様子に面白そうにくすくすと笑う義兄。

ほら、と僕の口元に持ってくるお菓子に自然頬が熱を持ち始めた。身体中が熱くなっている事も密着している義兄にはバレていると思う。


……〜っお兄ちゃん、揶揄うにも程があるよ……っ!


「……冗談ばっかり言ってると僕怒るよ?」


少し上擦ってしまった声でなんとかそう伝える。それとなく口元にあるキプフェルを手で押し返すと呆気なく義兄は引き下がった。


冗談じゃないんだけど、と呟く声が聞こえた気がしたけど気の所為だよね?うん。そうだ、冗談なのだから無視しよう。


揶揄った罰として義兄の分のお菓子は自分で食べて貰い後片付けをする。

食べた後すぐ横になるのは身体に悪いのだけれど………うん、今日はゴロゴロして良い日だ。思いっきりグータラするぞ!


そう意気込んだ僕は義兄の身体に腕を回してお腹に顔を埋める。

点滴がそこまで長くないので横腹にだが。ライネル先生、僕が動き辛くなるのを見越して態々この長さにしてない??

お兄ちゃん最近また筋肉ついてきたな〜………出会った頃のふにふに子供っ腹はもう触れないか………


今日はグータラして良い日と受け入れた僕は存分に義兄に戯れつく。義兄も遊ぶ気になったようで大きな手で横腹を擽られ思わず声が上がった。


そうして暫くベッドの上で遊んでいたが、義兄が掛布に入り込んだかと思うと後ろから僕をぎゅうと抱き締めた。背の高い義兄にすっぽり包み込まれ足を乗せられ身動きが取れない。


「お兄ちゃん、どうしたの?眠たくなっちゃった?」


「………お仕置き。」


「え?」


問い返そうと開いた口からは、しかし悲鳴混じりの笑い声が飛び出して来た。

義兄が僕のお腹に回した手で突然擽り始めたからだ。


「わはは、ちょっと止めてっくふふ、ははは!」


「お仕置きだから抵抗すんな。」


「ちょ、やめ、本当に……っ!はははは!」


必死に逃れようとバタバタと藻がく。いつもなら本気で嫌がる前には止めてくれる義兄だが今日は容赦しないつもりらしい。


本気で嫌がっても僕の弱い所を執拗に擽ってくる。

僕は夢中で義兄の腕の中から逃げる為に身を捩った。右手を庇いながらめちゃくちゃに暴れている内に段々と寝衣が乱れてくる。

するとその隙間に手を入れた義兄が脇に標準を定めて攻撃を仕掛けてきた。


「ははっ……は、やめ、んんん本当に、はっはは、やだ……」


暫くそうして戯れていたが、いつもなら終わる頃になっても義兄は僕を離してくれなかった。僕の声が次第に笑い声から縋る声に変わっても大きく息を吐くだけで責め苛む手は離れてくれない。


めちゃくちゃに動いた所為で上の寝衣は肩が剥き出しになってしまったし掛布も腰の辺りまで降りてしまっていた。


しかし暴れ疲れて来た僕は抵抗する気力も次第に失いそのまま義兄に身体中触れられ続ける。

敏感になった肌に熱い義兄の手で直接触れられて身体が勝手に跳ねては揺れる。


残った理性でなんとか逃げ出そうと足を動かすも、そんな僕を嗜めるように義兄が足を絡ませて来て余計にぞくぞくとした感覚が背中を襲った。


「はっ…あ、………ダメ、なの……はっあぁ……やぁ」


「……ノア」


耳元に口を寄せ何事か言おうとする義兄に何?と問い掛ける前に、突然扉が開く音が。

そして忙しない足音が近づいて来たかと思うと衝立の影から慌てたように人が姿を現した。


「ノアちゃん!!大丈夫です……………」


……………

……………………

…………………………………一瞬の内に療養室には沈黙が降りる。

慌てたように僕達のいるベッドへやって来たニールさんは此方の様子を見て気不味そうに視線を逸らすと、お邪魔しました。とまた衝立の向こうへと消えようとした。


「あ…待ってニールさん!違うの、助けて下さい!!」


「ちょ、お前その言い方は……」


「え……まさかインディルくん無理やり……っ!?」


「違う!!!」


ーーー折角来てくれた助けが遠くへ行っちゃう!と慌てて防音魔法を解除した途端、義兄の声が療養室中に響いた。



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