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大好きな家族とほのぼの生きています  作者: 青磁
【広がる世界編】
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「楽しい食事と。」




僕はわくわくしながらニールさんが差し出してくれたメニュー表を広げてみる。

今世では外食は初めてだ。いつもは僕と義父さんが作る料理を家で食べているし義兄と僕の冒険者見習いの仕事日は僕が作ったお弁当を持って行っている。


偶に歓楽街の屋台で串焼きを買ったりするのだがフィリが食べられなくて寂しい思いをするから家に持って帰って家族で分け合うようにしている。精々オルガちゃんと遊ぶ日にお茶をご馳走になる位だ。


そんな訳で前世から10年振りの外食を僕は結構楽しみにしていたのだ。

どんな料理があるのかと此方の文字が踊るメニュー表をペラペラと捲ってみる。思ったよりもメニューが豊富だな。


このお店では基本のランチコースに肉料理、煮込み料理、それにこの辺りでは珍しい魚料理も提供しているようだ。

んん、お店特製グラシュスープ……食べてみたいなぁ。


ケーキの種類も多くザッハトルテにキルシュトルテ、カルディナール、林檎のシュトゥルーデルやクグロフ、リンツァートルテも提供しているようだ。


んんん、ランチも気になるけれどやっぱりお菓子は外せない。

皆んなであれが良い、これも食べてみたいと悩みながら決めていく。


フィリは僕とケーキを分け合おうね。

お兄ちゃんも甘い物は好きだから今日は一緒に来られて本当に良かった。


一応食べ盛りのお兄ちゃんが沢山食べても大丈夫な位にはお金を持って来ている。流石に子供3人分奢って頂くなんて訳にはいかない。


本当は僕一人で来る予定だった際に義父さんお勧めのワインを包んで持って来る予定だったのだ。

それが兄妹皆んなでお邪魔する事になったのでお礼の手紙とワインに特製ハーブシロップ(幸運の加護付き)を後日ニールさん宛に届くように手配しておいた。


美味しいご飯とお菓子は今日食べられるからね。

よし、沢山食べるぞ〜!


ニールさんと義兄はターフェルシュピッツのコースを、僕はケーキを沢山食べたいのでグラシュスープのみ、フィリは子供向けのランチセットに決めるとニールさんがベルを鳴らしてくれる。


先程の店員がテキパキと注文を受けると暫く後、カートに乗せられた料理が運ばれて来た。

テーブルに並べられる料理にフィリがキラキラと目を輝かせる。ふふ、フィリも外食は初めてだもんね。


彩良く盛り付けられた前菜と飲み物が揃った所でニールさんが口を開いた。


「では、頂きましょうか」



ーーんんん、美味しい〜……っ!

グラシュスープは普段家で作る物とは違いシチューのようにとろみがあり濃厚だ。

義兄から貰ったターフェルシュピッツは牛肉がほろほろになる位よく煮込まれていて、一緒に添えられた温野菜とソースと一緒に口に入れると簡単に口の中で解れていく。

前菜と共に運ばれて来た牛肉の出汁が良く出ているスープも舌に馴染む優しい味わいでとても美味しい。


因みに今日はあ〜んは無しです。

前日の内から義兄に懇々と説得し続け、TPOの何たるかを教え続け漸く今朝方納得して貰いました……。


もう大変でした……カフェでは膝に乗せるのも無しだと伝えた途端、あのしょんぼりとした顔で見つめて来て…駄目か?って聞いてくるの………あの顔で見つめられるの弱いんだよ〜………

正直絆されそうになったけど、なんなら僕もあ〜んが出来ないのめちゃくちゃ寂しかったけど……っ!


心を鬼にしてダメ。と説得し続けました。

僕達を育ててくれている義父さんの顔に泥は濡れないと伝えたら渋々納得してくれました。今の内にTPOを守れるようにならないとフィリの教育の点でも宜しくない。


いや家ではもう距離感ゼロがデフォルトになってる姿を見せまくってるからね……ここで家と外での違いを示さないと将来自分達が恥をかく事になる。本当に。


お兄ちゃんならあのギルド長や冒険者の皆さんの前でも堂々と僕を甘やかして来そうな予感がするからね。

ん?………既に抱き付いたり手繋いだり色々見られてるような……??


………今は考えるのは止そう。うん。


楽しい食事に意識を向け直し皆んなとの会話を続ける。

お兄ちゃんは質問されれば答えるのでニールさんがあれこれと話題を提供してそれとなく水を向けるとすらすらと返事が返ってくる。あまり話さないかもと心配していたが思っていたよりも会話が弾んでいた。


フィリも始めはもじもじと言葉少なだったが次第にニールさんに慣れると素直に美味しい!と笑顔を見せてくれるようになった。


ふふ、二人共ニールさんに慣れてくれたみたいで良かった。

ニールさん、フィリのニコニコ笑顔の可愛さはオルガちゃんにも負けてないですよ!

美味しそうに食べるフィリの頭を撫でているとニールさんがカイザーゼンメルを食べ終え義兄へ顔を向ける。


「そういえばこの間聞いた話なんですが、青銅の怪鳥(ステュンパリデス)の討伐隊が西方諸国ギルドの連合で編成されたそうですよ。

ステュンパリデスというのは嘴や爪、翼の一部が青銅の鳥で普段はテリトリーの森から離れないのですが……」


え、何ニールさん魔物にも詳しいんですか……?

お兄ちゃんだけじゃなくてフィリもキラキラした瞳で話に耳を傾けてる……

兄妹の興味を引く話題を出す事に成功したニールさんはそのまま話し続ける。


いやまぁ、どうせなら興味の惹かれる話題で盛り上がりたいけど……ご飯中にする話題が毒の糞を撒く怪鳥で良いのかな。

いや、聞くけど。僕も興味あるけども。


とまぁ魔物の話で盛り上がったり義兄の仕事ぶりを聞いてニールさんがビックリしたりと和やかに食事は進んで行く。

そんな空気にすっかり緊張の解けたフィリの楽しそうな顔を見て癒されているとあっという間に食事は食べ終え、デザートの時間となった。



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