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「この世界の産業革命。」



さて、今日は歴史の授業です。


改めてこの世界、生活の至る所に魔法が根付いているのだが、かといって人々は日常生活の中でぽんぽん魔法を連発している訳ではない。


そんなに魔法連発してたら倒れちゃうしね。

町中に倒れてる人がごろごろ居る事になってしまう……

それなのにここまで魔法の文明が発達した理由。

それが各属性の魔力を宿した魔石なるものだ。


150年程前、当時稀代の天才と謳われたクラウスさんが発見したとされる、その名もクラウス原石。

この鉱石、水晶のような見た目をしており魔力を溜め込む性質がある。

そこで各属性の魔力を流し属性を宿した物が所謂、魔石だ。

これを使えば魔力を殆ど持たない人でも魔法を使用する事が出来、また溜め込んだ魔力以上の魔法は使用出来ない。

つまりは暴発の心配なく、安全に、誰でも、魔法を行使する事が出来るようにしたのだ。


これにより、様々な分野での技術革新が生まれ目覚ましい発展を遂げたらしい。

今では魔石は庶民の生活にも広く使われ、無くてはならない物となっている。との事だ。

このクラウスさん何が凄いって魔力の少ない人々でも魔法の恩恵を受けられるようにした事だ。


魔石が開発された当時は、魔力の高い者とそうでない者とで力関係が大きかったようで生活レベルもハッキリと分かれていたらしい。

それをひっくり返してしまったのだから、本当に凄いと思う。

まぁ、当時は魔法を扱える一部特権階級からの反対が多かったようだけど……


その反対派への交渉材料として、クラウス原石への魔力注入と魔法の発展、開発を行う連盟を発足・運営の利権を一部渡す事で同意を得たらしい。

現在では各国に魔法ギルドなる専門の運営組織があるとの事。


凄いねクラウスさん……偉人とは正にこの人の事を言うんだろうね。


そしてこれだけの情報を記した本がポンポン出てくる辺り、グレイヴスさんはかなり博識な方なんだろうな。

分厚い辞書みたいな本を鳶さんが運んできた時は、これから学ぶ情報量を考えて気が遠くなったよ………


赤ん坊の脳みそにちゃんと全て詰め込めてるかなこれ……

一週間経ったら忘れそうだ……


と、ふと遠い目をしているとちょんちょんと手を啄く感触が。


ん?と顔を向けると鳶さんと金魚先生が宙に浮いた別の本を示している。

スゥ〜っと顔の近くまで近づいて来た本に目を通す。………何々、神様の与える数ある加護の中には"身体強化"というものがある。


これで脳を強化すると記憶力の増幅、思考力の増加が見られる。と………


……………………


…………これをやれって事かな。

金魚先生に視線を向けると水の球の中で頷くように上下に揺れている。

そして水の渦を作ると僕の頭の上に浮かばせた。


これは……加護を掛ける時のイメージを示してくれているのかな。

渦は…輪っかをイメージしてみるのか…物は試しだ。やってみよう!


目を閉じ、頭の中に浮かぶ輪っかをイメージする。

まずは水の渦を思い浮かべてみた。

すると、輪っかは勝手にキラキラした紋様の並ぶ帯状に変換され、ゆっくりと回ると僕の頭に近づいて来た。

そして頭に吸い込まれるイメージが浮かぶとそこでイメージは真っ暗になり消えてしまった。


これ以上変化がない事を確認しゆっくりと目を開ける。

…これで良いのかな?

身体には特段、変化を感じないけれど…

3匹を見つめるとまた三者三様に喜んでくれている。

どうやら成功したようだ。


僕も嬉しくなり控えめにきゃっきゃっと笑う。

一頻り成功を喜んでから、勉強を再開するとーーーー



ーーおぉ!これは凄い!頭の中にするする入ってくる。思考もさっきよりハッキリしている気がするし、加護の効果をしっかりと感じる。



加護のお陰で一段とやる気を溢れさせながら、3匹と1人は真夜中の勉強会を進めていくのだったーーーー



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