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大好きな家族とほのぼの生きています  作者: 青磁
【4人の家族編】
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「勉強とお金。」




今日は義父さんの休日。僕と義兄はダイニングテーブルの上に本や紙を並べて恒例の勉強をしていた。


前世でいう所の理科の範囲を今日は教えてもらっている。植物の基本的な生態からこの辺りの特産品であるハーブの種類、その効能などだ。僕が作っている柔軟剤やリンスを例に分かりやすく教えてくれている。その辺りは僕も基本を知っている為、義父さんの話を聞きながら手元の紙を見つめていた。


この世界の貨幣について僕が書き留めたものだ。

金貨、銀貨とあり、銅貨、鉄貨などの近隣諸国で流通している貨幣とそのレートを教えて貰い、表に起こしてみた。


庶民の一般家庭で一月に稼ぐお金は銅貨30枚程だと言う。

これが前世の15万円程の価値だと考えれば、

大体、一金貨5百万、半金貨50万、

一銀貨5万、一銅貨5千、一鉄貨5百円、半鉄貨50円の価値となる。


つまり銅貨2枚=1万円、半金貨2枚=100万だ。

因みに庶民に広く流通しているのは銅貨と鉄貨、半鉄貨らしい。

我が家の家計は義父さんが管理している。

義父さんの収入が現在、税を引いて月銀貨9枚…45万円程だそうだ。

これに月の食費に銀貨1枚と銅貨4枚(7万円)、

町と契約している魔石への魔力注入(光熱費)が大体銀貨1枚と銅貨6枚(8万円)、

スーザンさんへの賃金が月、銀貨2枚(10万円)支払っている。

これに諸々の消耗品買い足しや子供3人の成長に合わせた衣服の購入等々………約銀貨2枚(10万円)掛かっている。

 

収入45万円に対して35万円の支出だ。

急な大きい出費については義父さんの貯金から出しているらしいし、来年からは義父さんのお給料が月銀貨7枚まで下がってしまうとの事なので、かなりカツカツな状態だ。


これは良くない。

義兄からは町からの養育費用を使ってくれと義父さんへ話していたが義父さんは頑として首を縦に降らなかった。

そのお金は二人の成人後に纏めて渡すつもりらしい。


皆んな義父さんに助けられて家族になれたのだ。

ここで親孝行しないで、いつすると言うのだ。


という訳で、最近はお兄ちゃんと二人でこつこつと内職をしている。この間の丸台作りもその一貫だ。


先ずは春先のバザーで出品して好感を持って貰い、季節毎のバザーで定期的に出展して顧客を得られればそこそこの収入になるのでは、と考えている。

それに雪解けの春先は行商隊(キャラバン)がこの辺りにもやって来る。行商人に運良く買い付けて貰えれば安定した収入が手に入る筈だ。


そんな事を考えながら義父さんの勉強にも耳を傾ける。

身体強化の加護(ドーピング)様々だ。別の事を考えながら手は義父さんの話を紙に纏めている。


すると僕達の手元を見ていた義父さんが問い掛けてきた。


「ノア、カモミールの効能について知っているものを言ってみなさい」


「カモミールは…医学的な解明はされていないけれど、一般にリラックス作用、抗菌・抗炎症作用、下痢などの消化器官の調整作用、それと肌荒れに効く美容効果もあるとされています。

この地域では古くからお茶にしたり、ハーブ酒としてお酒に浸けて経口での摂取がされているみたいです。」


「……ハーブ酒にされているのは知ってるがそんな事義父さんは言ってなかったぞ。何処で調べたんだ、ノア」


隣に座る義兄が怪訝そうに聞いてくる。

向いに座る義父さんも静かに此方を見つめていた。


……言った方が良いのかな。

今まで僕が義父さんの問いに詳しく答えても義父さんは何も言わずにいてくれた。けれど今日は義兄もいる。

ついいつもの調子で答えてしまったが不思議に思われるのは当然だろう。


二人に、大好きな家族に頭のおかしい子だと、思われないだろうか。妄想癖のある子だと見られるだけなら、まだいい。

けれど僕の言葉を信じて貰えないのなら……


…僕の信じるこの人達に見捨てられたら、僕は生きる意味を見失ってしまう。


僕は不安になり聖霊の皆んなを心の中でそっと喚ぶ。

皆んなは今、フィリの子守をしてくれているがハレくんが此方へ来てくれると意思を伝えてきた。


僕の近くに浅緑の光が現れ次第に鳶の形を取っていく。

現れたハレくんが僕の前のテーブルに舞い降りると義父さんがゆっくりと口を開いた。


「…聖霊様にもお伝えしたい事がございました。インディル、ノア、大切な話があるんだ。

丁度聖霊様が来て下さった事だし話しておこう」




そう言い、義父さんが話し始めたーーー



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