表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚おかわり、もう一丁っ!!  作者: HY
公爵邸の人々
9/88

ただいま 2

「これはっ、、、!」

「すごいね、、、、。」

屋敷に入った二人がクロークで屋敷の素晴らしさに息をのむ。

広いクロークに高い天井、そこに吊られた巨大なシャンデリア。

正面の大階段にはクロークから立派な赤絨毯が続き、

その正面大階段の踊り場には色鮮やかなステンドグラスが輝く。

玄関の両脇には大きく綺麗に磨かれた重厚なドアが。

その奥へ長い廊下が続き、多くのドアが覗く。その先は多くの部屋を有する左右の棟へと続く。


「ちょっとしたホテルのフロントね、、、。」

「さっきも言ったが、王城ほどじゃないけど、不自由はないと思うよ。」

「おまえ、もう、こんなん、大金持ちじゃないか、、、。」

神前、オマエなんだその感想は、アホの子じゃないんだから、、、。


「リッツァ、カーニャ。」

「「はいっ!」」

返事をしながら二人の少女が駆け寄ってくる。


[リッツァ]は狐人族の女の子。

マイヤーと同じメイド服の少女で、メイドカチューシャの脇に尖った耳が生えている。

細いキツネ目をさらに細くしてニコニコ。俺との再会を喜んでくれているようだ。

太くフサフサの尻尾もフリフリ揺れ、喜びを表している。


もう一人の少女は犬人族の[カーニャ]。

こちらは警備部門と兼任のため、軍服とメイド服を足したような服を着ている。

頭にはカチューシャではなく制帽が乗り、

両脇の半立ちコックドイヤーがピクピクしている。

無表情を装っているが口の端がプルプル、笑うのを我慢しているようだ。

尻尾もピクピクして、振るのを必死で止めている。


「「おかえりなさいませ、ご主人様。」」

リッツァが最敬礼、カーニャが挙手式敬礼で挨拶してくる。

「二人とも大きくなったな!最後に会ったのが9歳だったから、、、。」

「12になりましたっ!」

「お約束通り、これでお手付きにし」

「ふっ二人にはっ!客人の世話係を頼むっ!!!!」

我ながら怪しかったか?

カーニャが言い終わる前に二人に指示を出す。

道祖たちの方をちらりと見ると、二人はまだ屋敷の内装に夢中で、

こちらの会話は耳に届いてないようだった。

危うく大惨事になる所だった、、、、。


「「………?」」

しかし、俺の狼狽ぶりをカーニャ達は理解出来ず固まっている。

「あー、えっとだな!」

「リッツァ、カーニャ、ご主人様はお客様のお世話係をお命じです。」

取り乱した俺にマイヤーが助け舟を出してくれる。


「「畏まりましたっ!」」

二人は各々の礼で拝命を表し、


「お客様。」

「お部屋をご用意しております。」

「「どうぞこちらへ。」」

「あ、あぁ、ありがとう。」

「ありがとうございます。高御座くん、、、。」

「疲れただろう?少し部屋で休んで、それから食事にしよう。」

屋敷の立派さと、異世界で初めて俺から離れる事に、少し緊張気味の二人に笑いかける。


左の棟の客室に向かう道祖たちの背中を見送り、

俺がカーニャたちにしようとしている事を誤魔化せた事に安堵する。

「ふーっ」

胸を撫で下ろしていると、

「いつまで誤魔化されるおつもりですか?」

「えっ?」

背後からのマイヤーの問いに振返る。

マイヤーが厳しい目で俺を見つめる。

うぅ、マイヤーさんマジクールビューティー。


問いの意味をはかりかねていると、

「いえ、出過ぎた事を申しました。」

マイヤーが頭を下げる。

「いや、気にするな?」

会話は終わらされ、問いの真意はわからずじまいになった。


「俺も一旦自室へ行こう。」

「では、私が御供いたします。」

挙手式敬礼をしながら供を申し出たのは、

カーニャと同じく軍服風のメイド服の[ルヴォーク]、

狼人族で警備部の長で、先程門から玄関まで先導してくれたのは彼女だ。

政務はマイヤーに任せて地球に帰ったのだが、このルヴォークには軍務を任せていた。

狼人族特有の引き締まった身体が軍服風メイド服によく似合う。

カーニャのフレアスカートとは違い、こちらは膝丈のタイトスカートだ。

鍛えられたふくらはぎと締まった足首に、黒いピンヒールが映える。

全体的に筋肉質ではあるが、小玉スイカ程のバストと引き締まったウエストが、

女性らしさを感じさせる。

キツめの印象を与える整った顔立ちと、制帽の脇のピン!と立った大きな耳が、

服の上からでもわかる肉体美鍛と相まって、精悍さを際立たせる。


「では頼もうかな。」

「はっ!」

ルヴォークの後ろを歩き、自室へ向かった。



つづく

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ