表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚おかわり、もう一丁っ!!  作者: HY
公爵邸の人々
12/88

二人の視線が痛い…。

今回少し短いです。

朝が来た。

昨晩はマイヤーに背中を流してもらい、

色々吹っ切れた勢いに身を任せ……、

「おはようございます、ハヤト様♡」

隣で寝ていたルヴォーグがキスをねだってくる。

……まぁ、そういうワケだ。


「おはよう、ルヴォーグ。」

ルヴォーグの求めに応えようとすると、

ーコンコンー

ドアが鳴る。

「…どうした?」

「お食事のご用意が出来ました。」

リッツァの声。

この抜群のタイミングはマイヤーの手配だろう。

「ふんがぁぁぁっっ!!!」

ルヴォーグがキレている。

「ほら、行くぞ。」

俺を煩わせないでくれ。これからもっとヒドく煩わしい事になるんだから。



暗澹たる思いで重い足を引き釣り、回廊型の屋敷の中を遠回りして、食堂に着いた。

マイヤーが食堂の前で待っている。

「おはようございます、ご主人様」

「おはよう、マイヤー……彼女たちは…?」

「既に席に御付きです。」

「そうか……。」

先に食べているよう、言っておくべきだった。


食堂の扉の前で立ち止まっている俺の背後から、

「昨晩の勢いはどうされました?」

「そうですよ、ご主人様。あんなに激しかったじゃないですか♡」

マイヤーとルヴォークが囁く。

『クソッ!なるようになれだっ!!』

俺は扉を開ける。


「「おはようございます、ご主人様っ」」

リッツァとカーニャだ。

二人は道祖と神前の側で給仕している。

「おはよう。……ふ、二人もおはよう。」

道祖と神前にも挨拶する。

「おっ、おはよう!」

「……おはよう。」

神前は普通だったが、道祖は下を向いたまま、小さく返す。


「では、いただこうか。二人もどうぞ。」

俺も席に着き、二人に食事を勧める。

「あぁ、いただこうっ!」

「……いただきます。」

「高御座、昨夜もそうだったが、食事は地球とあまり変わらないんだな。」

「そうだな、そのベーコンは俺が以前召喚された時にもあったな。」

「牛の肉を塩漬けにし、燻した物です。」

料理担当の[ヴァロカ]、牛人族が説明してくれる。

乳牛を思わせる巨大なバストと、

程よく肉付きの良い体型が、作る料理のレベルを表している。

これ、絶対美味しい料理作る体型やん!って感じだ。

しかし、牛人族が牛肉料理を作る様は、理解していても少しシュールだ。


「ご主人様にはそちらのソーセージの作り方をお教えいただきました。」

「あぁ、そうだったな。ソーセージは無かったな。」

「お前、よく作り方知ってたな。」

「料理番組はよく見てたし、複雑でもないしな。

下味を付けたひき肉と香草を腸に詰めて、燻すだけだから、ベーコンと一緒に作れるし。」


得意げに説明していると、

「ひき肉にした動物のその腸に詰めるとか、初めてお聞きした時はご主人様は蛮族かと思いました。」

「ちょっと引きました。」

カーニャとリッツァがヒソヒソと。

「おい、聞こえてるぞ。」

「「すいませんっ!」」

「ソーセージ美味しいだろっ?!」

「「はい、美味しいですっ!」」

まったく。他人の食文化は尊重すべきだ。


ふと道祖を見ると、食事には未だ手を付けられていない。

「道祖様、お口に合いませんでしたか?」

心配したヴァロカが声を掛ける。

「ごめんなさい、そうじゃないの……。」

「道祖……。」

俺が声を掛けると、

「ごめんなさいっ食欲がなくてっ!失礼しますっ!」

立ち上がり、部屋へ向かう。


オロオロするリッツァに、

「食事を持って行ってやってくれ。」

「か、畏まりました。」

食事をお盆に乗せ、急いで道祖を追う。

神前は……まだ食事中だった。


「追っかけて行くかと思ったが……。」

「食事中だからな。」

「はは、そうだな。ゆっくり楽しんでくれ。」

「それに……。」

ベーコンステーキを大きな口に放り込み、

道祖(クチャ)抜きで(モゴ)話した(グチャ)かったんだ(クチャ)」

ゴクリ、と飲み込む。

俺を見る神前の視線が痛い。

「……食いながら喋るな。」

精一杯の強がりで神前に返す。



つづく


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ