精神病院
知らない天井が見える。
どうして天井なんかが見えるんだろう。
どうして俺は思考をしているんだろう。
どうして身体中のあちこちが痛くて、気持ち悪くて、体が動かない。
挙げ句の果てには口の中に何か管のようなものを押し込まれてて、無理やり酸素を吸わせてくる。
そうか、ここは病院か。病院.....。
どうして、どうして人が死を選ぶくらいに苦しい思いをして、死を選んだのに、苦しむことを強いるんだ。
どうして、どうしてどうして。
死ねなかった。死ねなかった。
ちくしょう、ちくしょうちくしょう。
俺は気がつけばベッドの上で情けなく泣き喚いていた。
死にたい。死にたい。死にたい。
涙が図々しくて拭いたかった、しかし体が動かない。
自傷行為をして気分を晴らすことも、死ぬこともできない。許されない。
ただ生きている。生かされて苦痛を受けている。
誰だよ俺を助けたの。違う、助けたんじゃない、俺を苦しみの渦に引きずり戻して来たのは誰だ。
見つけて、殺してやる。
俺はその後緊急治療室から出られるまでに体が回復すると、俺はそのまま強制的に精神病院に入院することになった。
身寄りのいない俺は行政の職員に管理されることとなる。福祉か、何かの市役所の職員だ。
どうでもいいけど、思い出してみると、確か、28歳くらいの女性、職員だったと思う。
「音無さんが、幸せに生きられるように応援をします」と、言ってた。
うるせえ、死んでやる。
というか、措置入院ってなんだよ。
拒否権はないのか?
いつかきっと、必ず、手段を選ばずに死んでやる。
でもこの精神病院には自殺する手段がない。
ちくしょう、死ぬ権利もないのか。
最初の先生が言っていたのは「発見が遅れていたら、あなたは植物状態になっていたかもしれない。それか後遺症で苦しむことになっていたでしょう。貴方には後遺症もなく経過も良好だ。奇跡のようだ」である。
俺にとっちゃ不運でしかない。
家畜みたいだ。