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勇者の名前は『魔王』でよろしいですか?▼  作者: 毒の徒華
第2章 人喰いアギエラの復活を阻止してください。▼
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『魔人化』について聞きますか?▼




【魔王城】


 パイの町からさらってきた人間たちを一時的に放置し、ゴルゴタと蓮花はセンジュの部屋へと向かっていた。


 そういえば人間をやめさせる方法があったことをゴルゴタは思い出す。

 その詳細な方法をセンジュが知っていたはずだ。


「おい、ジジイ。邪魔するぜ」


 いつものようにゴルゴタはセンジュの部屋の扉をけ蹴り破った。

「ガシャン!」という大きな音にセンジュは驚いて手元を狂わせてしまう。


 作っていた機械人形の大切な回路の一部分を間違えてしまい、ここを上手く修正できなければ再び1からやり直しだ。

 その手痛いミスにセンジュは顔をしかめる。


「……ゴルゴタ様、扉を蹴り破らないでくださいとあれほど申しているのに――――」

「こいつを魔人化させてぇから方法を教えろ」


 いつものように急なその申し出に、センジュは顔をしかめたままゴルゴタを見つめる。

 しかも、内容が内容であった為に尚更複雑な表情をする。


「……魔人化ですか……何故、蓮花様を魔人化させたいんですか?」

「俺様がさせてぇから」

「…………」


 センジュが蓮花を見ると、少しばかり困っているような表情をしていた為、本人の意思ではないということをセンジュは理解する。


「……ゴルゴタ様、突飛な話でついて行けていないのですが、どうして魔人化させたいと考えているのか、理由を教えていただけませんか?」

「こいつが人間向いてねぇから」


 漠然とした理由にセンジュはなんと返事をしたらいいのか少しばかり考える。


 幸いと言うべきか、今はゴルゴタの機嫌はすこぶる良いらしい。

 余程良いことでもあったのだろうと推察する。


「えー……魔人化はまず、そう簡単にできる事ではありません。それから、本人の意思をわたくしは確認していないのですが、蓮花様はどうなのですか?」


 センジュが話しを振ると、蓮花は更に困ったような表情をしてゴルゴタの後ろ姿をチラッと見た。


 恐らく、ゴルゴタの機嫌を損ねないように言葉に気を付けて答えるつもりだろう。


「不勉強で申し訳ないんですけど、魔人化するメリットとデメリットを教えていただきたいです……」

「かしこまりました。ではまずメリットからお話します。なりたい魔族系統によって特化する能力は異なりますが、共通するメリットをあげると、やはり人間とは比にならない強靭な身体と力が手に入ります。魔道孔まどうこうの拡張によって潜在魔力量も上がりますし、夜目が利くようになります。感覚も鋭敏になり、人間が感じる事の出来ない匂いや音を感じることができるようになります。後は……寿命も延びますね」

「なるほど。中々奥の深そうな話ですね。系統を選ぶのは重要そうです」


 とは言いながらも、蓮花はあまり乗り気ではない様子だった。


 ゴルゴタはそれに気づいていないが、センジュにはそれが手に取るように解る。なんとか煙に巻こうと思考を巡らせている途中のようだ。


「俺様と同じ、悪魔系統か龍族系統でいいだろ?」

「えーと……あと、デメリットを聞いていないのでそれを聞いてから決めても良いですか?」

「かしこまりました。デメリットをあげますが、勿論先ほど申し上げましたように感覚が鋭敏になるということは良いことばかりではありません。今まで感じていた以上の情報を受けることになりますので、慣れないとかなり苦痛が生じる恐れがあります」

「それは確かにそうですね」


 それについては蓮花は「嫌だなぁ」と考えていた。


 だが、ゴルゴタにそれを悟られる訳にはいかず、できるだけ自然に受け答えするようにしている。


「それに、魔人化するのには長期間の苦痛が生じます。肉体改造ですから、1日2日でできるものではなく、求める程度によって期間は異なりますが、1年、2年とかかります。無理な変異を強制的に続けるので、慢性的に全身に痛みを感じます」

「それも納得です」

「まだありますよ。これが一番のデメリットかと思いますが、変異に耐えられない場合は死亡します」


 できるだけインパクトのある明らかなデメリットを上げれば、ゴルゴタも諦めるだろうとセンジュは考えていたが、その話を聞いていたゴルゴタはニヤッと笑った。


「いいねぇ……そういう賭け。どのみち、魔人化の負荷に耐えられねぇようなら俺様の部下は務まらねぇ。やれ」


 これでは蓮花は逃げることができない。


 あまり乗り気でもないのに魔人化するのは到底勧められないことだ。


 文字通りその後の人生を左右する一大決心となる。

 いくら命令されたからといって簡単に承諾するのは得策ではない。


 この状況を蓮花がどう対応するのか、センジュは反応を待つ。


「…………死ぬこと自体はそれほど抵抗はないんですけど、1つ、気になることがありまして」

「なんだよ?」

「回復魔法士というのは知識も必要ですが、自分の感覚に頼って魔法を使っているんです。微妙で繊細な魔法を求められるので、突然に魔道孔が拡張して潜在魔力量が変わったり、全身に痛みを感じながらでは緻密ちみつな回復術ができないんですよ」

「ふーん?」

「つまり、魔人化している最中は一気に私は役立たずになるってことです」

「それは最初の頃だけの話だろ? 慣れれば今以上に力が出せるはずだ」

「ここ一番のときに役立たずになるのは本意ではありません。前魔王がこっちに向かってるんですよね? なら、タイミングとしては今じゃなくてもいいと思うんです。来るであろうときは1年、2年という話でもないと思いますから」

「だろうなぁ……?」

「脅威が去って、私が役立たずになっても良い状態になったらじゃ駄目ですか? それまでに私も魔人化についての資料を見て勉強して、慎重に自分に合った魔族系統を見定めたいですし」


 なかなか上手いかわし方だ。


 ゴルゴタの顔を立てながらも、やんわりと問題を先延ばしにできる。

 後はゴルゴタの機嫌を伺いながら、機嫌のいいときにまた上手い言葉で断ればいい。


 ――なかなか、上手うわてですね……


 それを聞いてゴルゴタは少し思考し、その提案に対して納得した。


「それもそうだなぁ……なーんだ、もっと簡単な話かと思ってたのに、拍子抜けだなぁ……」

「なかなか複雑そうですね。勉強する必要がありそうです。センジュさん、魔人化に関する資料って城にありますか?」


 話の逸らし方もなかなか上手い。

 前向きに検討しているところを見せるのもゴルゴタの機嫌取りには良いだろう。


 ――なるほど……蓮花様はこうしてゴルゴタお坊ちゃまを……下手したてに出ながらも自分の意見を通すと……ずっと回復魔法士をしていただけあり、相手に合わせた会話のスキルが高いですね


「ええ。あまり多くはありませんが、あったと記憶しております」

「詳しい話を伺いたいのですが、少しお時間よろしいですか?」

「わたくしは結構ですが……」


 恐らく、蓮花はゴルゴタの気が変わらない内に話を終わらせたいのだろう。

 それを察することはできるものの、ゴルゴタが首を縦に振らなければそれは敵わない。


「俺様はかったりぃ話を聞いてんのはつまんねぇからパスだ……てめぇは外の人間の処理が残ってんだから、10分程度でジジイから話を聞いておけ。俺様は遠出の準備をするから、俺様が準備を終えるまでにしろよなぁ……?」

「はい。分かりました」


 話のそらし方は完璧だ。


 だが、遠出の準備という言葉にセンジュはひっかかり、去ろうとするゴルゴタに問いかけた。


「どちらに行かれるのですか?」

「前魔王メギドの家来をぶっ殺しに行く」


 それを聞いてセンジュは再び顔をしかめた。

 センジュが顔をしかめたのを見てゴルゴタはニヤリと笑う。


 メギドの元へと向かうという事に対しても好ましいとは言えないが、それ以上にそこに蓮花を連れていくという話をしているところにセンジュは一番ひっかかりを感じる。


 蓮花に対してそう指示をするという事は、連れていくという事に他ならない。


「…………ゴルゴタ様、そこに蓮花様を連れていかれるのですか?」

「あぁ? 連れてくけど、それがなんだよ?」

「メギドお坊ちゃまと交戦するのなら、とても危険です。連れていかれるべきではありません」

「俺様がついてんだから、そんな心配する必要ねぇよ……おい、人殺し、さっさとしろ。俺様をこれ以上待たせるなよ……?」

「はい」


 そう言って、ゴルゴタはセンジュの部屋から出て行った。

 その背中を見送った後に、センジュは呆れながら深いため息をつく。


「…………困った方だ……」


 センジュが暗い表情をするのを見て、蓮花はおずおずとセンジュに尋ねた。


「あの……根本的な話なんですけど……センジュさんとゴルゴタ様の関係ってなんでしょうか? ゴルゴタ様が一目置いている方というと珍しいので、かなりの実力者なのは分かりますが」

「以前も軽く触れましたが、わたくしは魔王家に仕えるしがない執事でございます。この老体でございますが、それなりに知恵の方は回るのでゴルゴタ様に生かされているというだけでございますよ」

「あぁ……だからメギド“お坊ちゃま”って言ったんですね」


 ゴルゴタがメギドとの兄弟だという話は、ゴルゴタ本人が隠そうとしているそぶりがうかがえるので、それについては触れないようにした。


 現に「前魔王メギド」という言い方をしていた。

 いつもは「兄貴」と呼んでいるが、蓮花と、扉の前で待機しているセンジュの見張りの悪魔にはそれを聞かれたくないらしい。

 

「それはさておき、色々聞きたいことがあるのですがよろしいですか?」

「答えられる範囲なら、どうぞ」

「魔人化にはあまり積極的でないように思いましたが、いかがですか?」


 そうセンジュが尋ねると、蓮花は苦笑いをした。


「えーと……明確に嫌だと思っている訳ではないんですけど、私は今のままでいいと思ってます。人間が滅びる時に私も死に絶える方が良いと思うんですよね。魔人化させるっておっしゃってましたけど、それって人間を滅ぼす中で私は例外的に生き残るってことじゃないですか」

「それが何か不都合があるのですか?」

「…………うーん……犯した罪を考えれば、生きてることが許されるとは思っていませんし……魔王となるゴルゴタ様に取り入って、生き永らえようとしてるみたいで嫌ですし……うまく言えませんが」


 それほどまでに人族が自分の犯した罪に向き合っているのは、センジュにとっては意外な事であった。


 多くは自分が犯した罪について何かしらの言い訳をする。

 それに、身勝手に罰を逃れようとするのが殆どだと聞いたこともあった。


 まして罰せられる施設に入っている訳でもないのに、積極的に罰を受けようとするその姿勢は、センジュにとっては不自然にすら感じた。


「私がどう考えていても最終的に決めるのはゴルゴタ様なので、私の意志を挟む必要もないと思うんですけど」


 これだけゴルゴタを上手く扱っているのに、本人にはその自覚はあまりないようだ。


 ――本当に不思議な関係に収まっているようですね……


「ご自身の身体のことですので、よく考えられた方がいいと思います」

「わかりました。魔族系統の話を聞いてもよろしいですか?」

「ええ。それは結構ですが、気になることがございますので、先に伺っても?」

「はい、なんでしょうか?」

「外に人間がいるとのことですが、何故でしょうか?」

「それは、私が“使いたい”とゴルゴタ様に申し出たからですね」

「“使いたい”……とは?」


 センジュはその言葉から、あまり穏便な話でもないように感じる。


「この前、勇者の墓を暴いて死体を中から出して来たじゃないですか。でも、亡くなったのはかなり前のことですし、火葬だったようでほとんど肉が残っていないんですよね。骨から採れる遺伝子を元に、ある程度身体を復元するにしても、素材が必要なんですよ。手っ取り早く言うと、人間の肉体を蘇生させるなら、人間の身体を使えばいいよねって話です」

「…………なるほど」


 確かに、クロザリルを殺した伝説の勇者の墓を見つけたという報告を受けたゴルゴタは、自身の目でそれを確かめに行き、その死体をひつぎや墓標を持ち帰った。


 死体は計4体。


 今は魔王城の端の方へ置いて、蓮花が復活させる段取りを組んでいる。


「でも、元の遺伝子と近いものをつかわないと拒否反応が起きても上手くいかないので、なるべく適合する遺伝子を持つ人を探す必要があります。そこで、町の全ての人間を攫って来てもらったんですよね。100人もいれば、まぁ……勇者たちのいずれかの遺伝子に合う人はいると思うんです。こればかりは運なんですけど」


 要約すると、その生きている人間を依り代として犠牲にして、勇者らを復活させようという計画らしい。


「……随分、淡々と残酷なことをおっしゃるのですね」

「あまり、残酷なことをしている自覚がないのですが……合わなかった場合はここの魔族の方々の食料にもなりますし、無駄にはならないのかなと」

「同族に対して憐れみを感じないのですか?」

「感じないですね……」


 迷う様子もなく、蓮花ははっきりとセンジュに言い放った。

 感情的になる訳でもなく、事実を述べているだけというような印象を受ける。


「感じないと……」

「ええ。人間の大体は嫌いですし、それにどの道遅かれ早かれ人間は滅びますから。滅びますから……というよりは、ゴルゴタ様に滅ぼしていただくために私も加担する訳ですけれども」

「余程……同族間で嫌なことでもあったのですか?」


 センジュの問いに、蓮花は表情を曇らせる。


「…………ええ。元々失望していたところでしたが……詳しくは申し上げませんけど……」


 やはりその話になると蓮花は口を閉ざした。

 余程思い出したくもなく、且つ話したくないことなのだろう。


「かしこまりました。では別の質問を。以前に『死の法』の話をしましたが、それは死者の蘇生にあたり、呪いが貴女にかかるのではないですか?」

「その点においては問題ありません。死神の呪いがかかる条件というのがありますから。それに抵触しなければ問題ないです」

「条件とはなんですか?」

「平たく言うと“核”を戻そうとする行為は『死の法』で禁止されています。勇者の身体だけの蘇生なら、“核”を戻そうとはしていないのでセーフです。まぁ“核”が入っていないと身体の方が正常でも結局は動かないんですけどね。ある程度身体の蘇生だけしておけば、後は他の回復魔法士でも“核”を戻す為の魔法式を覚えればできます。その場合、呪われますけど」

「なるほど……死神の呪いを避けることができれば、それは実現することなのですよね?」


 誰も成しえなかった死者の蘇生という行為が現実になるのは、かなりの危険があることはセンジュも理解している。


 まして勇者を生き返らせようとしている点においては、反対したいところだ。


 だが、ゴルゴタを説得することはできない。

 ここで蓮花を説得する方が現実的なようにも思う。


 蓮花を説得して、蓮花にゴルゴタを説得してもらうほうが効果的かもしれないとセンジュは考える。


 それを言おうとしたものの、蓮花が難しい顔をしてセンジュへ返事をした。


「それがですね、問題はそれだけじゃないんですよ。死神の呪いを回避する方法については、まぁ、まずまずって感じなんですけど……呪いの前段階として“核”と肉体の結びつき自体も上手くいってないのではと考えています」

「そうなのですか? 自身の身体に戻すのに……ですか?」

「んー……私の持論ですけど、要するに“核”が先か身体が先かって話で、“核”が先なんだと思います。生まれる時に“核”を元に肉体が形成されるんだと思うんですよ。でも一度離れてしまった“核”を肉体に戻そうとしても、今の技術では定着しないのかもしれません。神経が切れてるみたいに、“核”が身体を上手く動かせないんですよ。それを上手くつなげることが出来たら、死者の蘇生も可能だとは思うんですけどね……なかなか研究できる機会がなくて」

「ふむ……資料が少ないのは事実ですね。あまり進んでいない分野です」

「呪われた町でもう少し研究もしたいんですけど……呪いを解く技術もいまいち確信が持てないですし……なかなか進んで行かない内に勇者が見つかってしまったので、ゴルゴタ様的にどうするんだろうなって思ってます」

「それは……“核”の肉体への定着は蓮花様なら可能なんですか?」


 そう尋ねると蓮花は「できる」とも「できない」とも言わなかった。


 蓮花としては「できる」方が「できない」よりも割合が多いという感触だが、あまり大口を叩いておいて、いざというときにできなかったというのは格好が悪いのでそうは言わなかった。


 今は理論を組み立てている段階だ。

 できそうな予感はあるが、それも感覚的な話で「絶対」とは言えない。


「判断材料が必要ですね。リスクはありますけど、最終的には確信が持てた時点で挑戦したいと思ってます。まずは呪われている者の身体の解析が十分にできればいいんですけど……呪われた町の中にいる()()は、集中して調べることができないですし……そういう面では魔人化して呪いを受けにくい身体になれば研究も進むんでしょうけど……」

「…………」


 センジュはその返事を聞いて思考を巡らせた。


 色々、弊害はありそうな話だがセンジュが見る限り去勢や嘘はない。

 事実を話している。


 それに、色々と慎重な姿勢を保っているので、勢いに任せて大変なことにはしないだろう。


「勇者の復活は危険だと認識されていますか?」

「そうですね。伝説の勇者らしいので……身体の蘇生をするにしても、最低限の機能しか再生させないつもりです。身体を動かす機能は奪っておこうかなとか、五感などはゴルゴタ様の様子を見ながらも、最低限にしておこうかとか、色々考えてはいますが。魔道孔などはなかったことにしてしまえば魔法も使えないですしね」


 やはり蘇生についてもかなり慎重に考えているようだ。


 これなら一口に勇者を復活させると言っても、それほど脅威にはならないのかもしれない。


 それに、これまでの話を聞いて、センジュは蓮花に1つ頼みたいことができた。それを頼むのはやはりセンジュに取ってもかなりのリスクだが、これまでの人となりを見て、ある程度は信用できるとセンジュは判断する。

 暫く考えた末に、センジュは蓮花へ返事をした。


「……左様ですか。かしこまりました。このセンジュ、及ばずながら力をお貸ししたく考えております」

「それは助かります。知恵を貸していただけると研究も進みますし」

「蓮花様、折り入って――――」

「おい、まだ話してんのかぁ……?」


 センジュが蓮花に対して頼みごとをしようとしたところ、うんざりしたようにゴルゴタが部屋に入ってきてそう吐き捨てた。


「すみません、つい話が弾んでしまって」


 ――しまった。これでは話をすることができない……


「もう行こうぜ……人間どもの始末はその後でも十分だろ……もう飽きた」

「はい。それでよろしければ」


 もうゴルゴタは人間を放り出してメギドのところへ行くつもりのようだった。

 刀蛭とうてつでできた剣を持っている。


 服も動きやすい服というよりはメギドのお気に入りの服を着ているような印象を受けた。


 恐らく、気に入っている服を着ることによって攻撃しづらくするというゴルゴタの嫌がらせだろう。

 

「ゴルゴタ様、よろしいですか?」

「あぁん? 俺様はもう出かけるんだよ。グダグダお話してる時間はねぇ」

「いえ、簡単なお話でございます」

「なら早く言えよ」

「それは――――」


 センジュはゴルゴタに対して、ある提案をした。




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