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魔界兵の仕事  作者: 夏目 棗
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1、おはよう

グダグダですが、暖かい目でご覧になっていただけると嬉しいです。


…ここは、どこだ…?


見渡す限り、何も無い。白い、白い無機質な部屋。自分自身にも白い服が着せられていた。この白い箱の中には自分と、自分の寝ているベットだけだ。ここは、俺…?僕…?私…?の知っている場所なのか?ここがどこだか、思い出せない…。いや、思い出せないというのは語弊があるかもしれない。分からないのだ。自分が何者かさえも分からない。自分に関する記憶が、一切ない。どこの、誰で、何をしていたのかが一切合切分からない。…何故?

……だが、ここで分からないことをずっと悩んでいてもしょうがない。分からないことは自分で探って確かめるとしよう。体をベットから起こす。関節がやや軋んだ音を立てたが、四肢は問題なく動く。


『あれ?お目覚めかな?』


突然の声に反射的に身構える。


『そんなにびびらないでくれよう。まあ驚くのも仕方ないか。』


どうやらあちらからこちらの様子は把握済みなようだ。一体どこから見ているのだろうか。妙に落ち着いた声が逆に警戒心を煽る。


『まあまあまあ。とりあえず、そこから出ておいでよ』


と、言うと同時に目の前の白い空間に割れ目ができ、黒い四角がポッカリと空いた。最初は躊躇ったが、進まないことには何もなし得ない。こんな得体の知れない者の言うことを聞くのは普通は避けるべきだが、状況が状況だ。従うしかない。


歩を進ませながら色々なことを考える。自分は誰だったか。もしかしたら記憶喪失とやらなのだろうか。自分は何故ここにいるのか。


ふと、足元を見るそこには自分の影が落ちていた。暗いのでよく分からないが、自分はヒトガタをしていると思う。そもそも俺はヒトなのだろうか。あれ…?そもそもヒトって…なんだっただろうか…?記憶が混乱を起こしているらしい。でもこうして考えることが出来るということはやはり前の記憶が少し残っているということなのだろう。


何故自分はここに居るのか。誘拐、監禁も有り得るが、単に記憶が無いだけで、自分の知っている場所、もしくは知り合いの家とも考えられる。自分の家とも考えられるが、そう考えると話しかけてきた男が何者なのかが分からない。


よろつく足で踏み進む。しばらく暗闇の中を歩き進める。足の裏に伝う冷ややかな感触が妙に不愉快だった。

そしてやっと開けた場所に出てきた。いきなりの光に目を瞑る。


光に慣れ、目を開ける。



「おはよう、そして初めまして。」



目の前に立っていたのは黒い艶やかな角の生やした、中肉中背の青年だった。ツンと上がった目は、真っ直ぐにこちらを見つめている。髪の毛は明度の低い、濁った緑色だった。男の外見に違和感を覚える。恐らくさっき部屋で話しかけてきた男だろう。


青年は目を細めて続けて言葉を紡ぐ。



「おめでとう。君の誕生を心から祝福するよ」


1、終わり

初投稿です。初心者ですが暖かい目で見ていただけると光栄です。ご覧になってくださりありがとうございます。

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