朝のお支度
未だにこの天使のように可愛らしい容姿が自分自身なのだと受け止めきれないが、とりあえずキャラ紹介していこうと思う。
名前は「ウリエラ・リザ・ウォーレット」ウォーレット公爵家の次女になりました。
生前の記憶と現世の記憶を整理していくと軽くめまいがしてくるが、そのめまいさえ吹っ飛び胸が高鳴ることがあった。
それは、この世界に魔法やモンスターが存在していること!!
生前とかどうでもいいやと思えてしまうほどに、この世界で生きていくことが楽しみで仕方ない。
胸を膨らませていると部屋の扉からノックの音が響いた。
「おはようございます、お嬢様。朝のお支度に参りました」
返事を返すと入ってきたのはメイドのココ。15才にして住み込みで働き、毎日手慣れた手つきで私の支度をしてくれている。
今日も素敵なドレスを着こみドッレサーの前に座ると、次は髪を整えてくれる。
「いつ見てもウリエラお嬢様は妖精以上に可愛らしい。私のような者がお嬢様の御髪に触れられるなんて褒美でしかありません」
…ココのこれは通常運転なのです。毎日異なる褒め上げたコメントを物心つく前は素直にありがとうと言っていた。今はというと…
「あ、ありが「可愛らしく気品あるお姿はお嬢様の素敵な心を象っているのでしょう…私は幸せ者です。」…。」
今日も、お嬢様を称えるコメントが抑えきれないでいるココであった。
「そうだ!今日はロディお兄様が来てくれるのよね?」
私の兄、「ロディ・リザ・ウォーレット」はウォーレット家の次男であり、現在は20才という若さで国家騎士団団長を務めている。こんなに若いのに団長?と思うでしょう。なんでも兄の魂は、神や天使に加護を受けていたようで、教会からも称えられていたの。でも本人は剣を振るうことが大好きで街の外に行ってモンスターを狩ったり、悪を成敗していたことが王に伝わり簡単に言えば騎士に勧誘されたってところかしら。兄が聖騎士になれば教会を野放しにすることもないだろうという思惑もあるだろうし。
でも狩大好きな兄がそう簡単に勧誘受けるのかなと私もそこのところ疑問に感じている…。
「はい。そのように聞いております。」
「外のこととか色々聞きたいわ。あと剣の稽古をお願いしようかな」
「…はい?剣が、なんとおっしゃいましたか?」
「え?だからロディお兄様に剣の稽古を…」
私は鏡越しに髪を整えている手を止めているココが気になり後ろを振り向くと、ココの顔は真っ青になり我此処にあらずといった様子だ。何度もココに問いかける中、しばらくすると我に返ったのか口籠るように支度が終えたことを伝えられ一言言って部屋を出ていった。
「…言っちゃまずかったかな?」
そのあと大食堂に向かい食事を摂った後、ココからお父様とお母様に私が剣を習いたいという願いが伝わっていたことで両親とココ、屋敷内全員から猛反対されている。
「ウリエラ。お前は女だ、剣を振るうなどしなくていい」
「そうよ、ウーちゃん!剣を持っただけできっと腕が折れてしまうかも…」
お母様はいつも大袈裟に考えすぎです…。
「お嬢様、私も反対です!どんな高価な宝石でも、どんなに綺麗な花でも脇役にされてしまうお嬢様が、剣を持たれるなんて…この世の終わりです!!」
え、ココそこまで言わなくてもよくない?
その近くで控えている従者達も力強く首を縦に振っている。味方してくれそうな人はいないみたい…。
私は口をへの字にして諦めない体制を決め込んだ時、私達のいる食堂の扉が開いた。
入ってきたのは銀色の髪を輝かせ白を基調とした服を着こんだ騎士、この全身真っ白で後光が指しているような人が私の兄、ロディ・リザ・ウォーレット騎士団長兼お兄様です。
「ただいま帰りました。そしておはようございます、父上母上我が天使ウリエラ」
満面の笑みで(デレデレした顔に近い)そう言い放った兄ですが、これが通常運転です。私が遠い眼をしていようがこういう方達(いわゆる崇拝してくる者)はお構いなしなのだ。
兄はそのまま私に近寄り片膝をついて、両手に収まるくらいの大きいツボを私に差し出してきた。
「ロディお兄様お帰りなさいませ。あの、これは…?」
「これは遠征先でたまたまクイーンビードがいてね、クイーンビードが作る蜂蜜は美味しいし女性にとっては肌にもいいと聞いたからね。狩りにいった…じゃなくて退治したからお土産にと思ってね」
あー、また遠征の列外れて狩に行ったなこの人。私の兄は遠征先でいつの間にか列に外れ、そしていつの間にかモンスターの残骸などを引き連れて戻ってくるらしい。こんな冒険者染みた騎士団長で大丈夫なの?と不安になる時もあったが、剣と魔法の組み合わせで戦い抜いてきた実力は確かなので今は尊敬できる兄として見ている。が、このシスコン無ければ完璧なのに。
「そうだ、ロディ。お前からも言ってくれ。ウリエラが剣をお前から習いたいらしい。」
「……ウリエラ」
「私は、私はただ…」
私は絶対剣を持ちたいのだ!!たとえ誰が反対していようが私の狩本能は誰にも止められない!どんな手を使っても了承を得てみせる。
ここは娘、妹の最強の力を持ってして屈服させるしかない!!
「いつまでも温室で過ごしてばかりでいるとさらに軟弱になり、お父様やお母様に心配かけてしまうではないですか!私は安心して見守って頂きたいのです。それに男子の世界を経験しておくことで婚約者選びの際間違いも起きないのではないでしょうか。そして何より大好きなお兄様の見ている景色に触れたいのです。お兄様のようにとは言いません。同じ景色を共感し語り合いたいのです…。今のままでは私は知らない事ばかりでとても、とても寂しいのです…。」
「「「ウリエラ…」」」
ど、どうかな…?プラスで落ち込んでる風にして演じているけど、お父様を説得させる要素は結構低い気がする。でもこの際兄を丸め込むことが出来れば上手くいくはず!
両親や兄を何が何でも説得してみせる!そして私のステータスが判明していく?!このステータスは…あれ?このスキルみたことあるような…。
次回、「私のスキル」お楽しみに!!
書き足しました!アニメ風の次回予告してみたかっただけなので気にせず流し読みして頂いて結構です。そしてブックマークしてくれた方々、ありがとうございます。お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。見てくれている方がいるというだけで書き続けていけます!週1程度で更新出来たらと思っていますが、ペースが前後する可能性もあります。お許しください。
これからもどうぞよろしくお願いいたします|v・)