1/1
1、怪しい影
鉛筆をひたすら動かす。
今は、塾の授業を受けているところだ。
「それじゃあ、この問題3を2分で解いてみて。」
ピッと、タイマーがカウントダウンを始めた。
「う~ん。」
どうしてもわからない。ダメだ~と、机にうつぶせた。
*
ようやく塾が終わり、私は友達と教室を出た。
すると、関係者以外立入り禁止の看板の向こうの長い廊下にの奥に、
人影が見えた。よく見ると、全身白い服を着ている。
私は怖くなって、目をこすった。もう一度見てみる。
「い、いない・・・?」
ほんの数秒目を離しただけなのに、その姿は消えていた。
もしかしたら、私の見間違い?よかった。そんなはずないもんね。
幽霊なんて、いるはずないもんね。
すると友達が呼んだ。
「彩芽~。早く~。」
「ゴメン今行く~。」
私はもう一度、廊下をチラッと見た。
誰もいないのを確認して、友達のもとへ走った。
そこからが、悪夢の始まりだった。