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第九話 「仕組み」

 今回は少し説明多めな気がします。

 長い一日が明けそうな予感がします。よろしくお願いします。

 銀さんがお茶をいれて帰ってきたところで、話の続きがはじまった。


「まずは、どうしてひめちゃんの考えているようなことにならないかを説明するわね。 これは、世界の仕組みと大きく関わるわ」

 胡蝶さんは、審判が終わったせいか、少し白い振袖を着くずそうとした。


「はい」


「ひめちゃんが異世界と呼んでいるこの世界の名前は、ロス・ワールド……別名、敗者の世界と呼ばれているわ。 簡単に言えば、敗者しか入れない国って感じね。 この世界に住む絶対条件は負けることにあり、勝とうとすれば、追放されるわ」


「てことは、この世界にある国は、どの国も別の世界から来たということですか」


「ロストメモリー以外の国は、他の世界から来た国よ。 ある世界で勇者に敗れてきた国や人種差別で滅ぼされてしまいそうになった国、派閥に負け裏切りを知った国……。 そーゆー国が自らの負けを認めてくる世界がここよ。 この条件はこの世界のルールでもあるわ。 だから、ひめちゃんが考えているような勝ち負けが決まるような戦争になることはないの。 国土も十分にあるし、元々負けてこちらに来た国たちだもの……ここの居場所を自ら手放すようなリスクは起こさない」


 勝ってしまえば、その国は滅んでしまう。俺が考えている戦争とは違うのだろうか。誰かが傷ついたり、悲しんだりしないのだろうか。


「じゃあ、どうして戦争をするんですか」


 急に母が口を開いた。

「んーそれはね。 時間と心の傷を癒すために開かれるお祭りみたいな感じかな」


「え」

 戦争がお祭り……


「だから、傷ついたり、悲しむことはないわ」

 胡蝶さんが少し笑みをみせた。


「はい。胡蝶様の言う通りです。 ここでは、勝敗という言葉自体が存在しないのです。 ひめちゃんとこの世界では少し価値観が違うのかもしれませんね」


「そうそう。 りっちゃんの世界の戦争っていうのは、武器を持って人を傷つけ勝敗を決めるような感じのことよね! でも、この世界ではそういった行為はないの。 皆、傷つけあうことが、どんなに悲しいかよくわかっているからね」


「じゃあ、どうして銀さんは悲しそうな顔をしたんですか」


「はい……それはですね。 予算の関係上、今回で終わりになるという噂を聞いたからです。 この日に関しては、国境関係なく盛大に行われるので、マコ様たちはこの駄菓子屋だけではなく様々な街で遊ぶことができます。 他のお客様たちもこの日を楽しみにしていましたし、私も思い出深い戦争……お祭りですから悲しかったんです」



 俺の中で色々繋がった。胡蝶さんが、きりがいいからって言ってたのは、予算の関係があるから今回五十回目で終わっとくって感じか。なるほど。俺が考えていたのとは、違うみたいだ。祝いごとに近いのかな。



「たーくさんの屋台が出て、一日中灯が消えなくて綺麗よ。 お酒も美味しいしね。 また、半年後に行けたらいいわね」


「それって……つまり」


「んーなんのことかしら」

 胡蝶さんは、とぼけるように答えた。


 そして、母が銀さんと俺の耳元で

「胡蝶さん、この祭りを存続させようとがんばってたよ。 権力フル活用になんの。 パパも私もびっくりしちゃった……ふふふ」


「プリンセス・ネフライト様」

 胡蝶さんは、いつもと笑みは変わらないが、少し黒いオーラを感じた。


「あーごめんね。 でもつい、言いたくなっちゃって」


「そーゆとこ、ママの悪い癖だ。 だが気持ちはわかる」


「アンバー様」

 さらに、笑みから黒いオーラが増した。


 それを聞いた俺と銀さんはお互いに見合わせて、笑った。



 



 


 しばらく、投稿がおくれます。旅行にいってきまーす!!

 さあ、何キロ太るのかたのしみですな(白目)

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