第六話 「真実」
よろしくお願いします。
「え、胡蝶さん……その格好どうしたんですか」
部屋から出てきた胡蝶さんは、綺麗に髪を結いあげて、いつもの着ている黒の着物とは違い、白の振袖を着ていた。
「ん? 仕事よ。 あー、ひめちゃんはこの姿見るのは初めてよね」
「はい」
「このお店は表向きは駄菓子屋だけど、裏は世界の審判及び思い出屋をしているのよ」
いくら臨機応変に対応出来る俺でも、さすがに意味がわからない。これは、突っ込まないほうがいいのだろうか。世界の審判とか言ってるし、そもそも思い出屋とはなんだろうか。聞きたいけど、巻き込まれたくない。
あー、どうしよう。
すると、店のほうから声がした。
「ごめんくださーい」
「お客さんが、来たわ。 銀、ひめちゃん、私と一緒に出迎えるわよ」
銀さんは、うなずいて行動をはじめ、俺は胡蝶さんの後について行った。
「あら、りっちゃんひさしぶりね。 ママ、寂しかったわ」
そこにいたのは、俺の両親だった。
あーこれはもう巻き込まれるの確定だな。というか、今日の母の服はいつにもまして、フリフリが多いな。
「あ、あの胡蝶さんこれはどういうことですか」
胡蝶さんは、俺に向かって笑みを見せた。何か言おうとした瞬間。
「久しぶりだな、胡蝶。 元気にしていたか」
父がそう言って、俺が会話をしようした瞬間に割り込んできた。胡蝶さんは、両親のほうを向き、跪いた。
「はい。 ロストメモリー騎士団長アンバー様、ロストメモリー王プリンセス・ネフライト様もお元気そうで」
「もう、胡蝶さんったら、顔を上げてください。 王とか騎士団長ではないんだから、今の私たちはりっちゃんの両親です。 ふふふ、ね? パパ」
「そうだぞ。 ママの言うとおりだ」
「ありがとうございます。さあ、中のほうへお進みください。銀」
「はい。 案内は、銀が務めさせていただきます」
「ああ、頼む」
両親は、銀さんに連れられて、居間のほうへ歩いて行った。
「こ、胡蝶さん……こ、これは」
「これって?……見たまんまよ。 ひめちゃんの両親は、昔は私の上司であり、国の象徴だったのよ」
あーうん。胡蝶さんがさっきから笑みを見せてたのは、このことだったんだな。
とりあえず、言えることが一つ……両親が異世界にしっくりとなじんでいる。
実は、この作品はヨガをしていた時に、ひらめきました。