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第四話「勇者・魔王・クイーンヴァンパイア」

 少し説明が多いかもしれません。

 読んでくださるとうれしいです。

「そういえば、胡蝶さん」


「ん? なあに」


「なんで、ユッコ、マコ、クーコってあだ名なんですか」


「あーそれは、ユッコは勇者の子供、マコは魔王の子供、クーコはクイーンヴァンパイアの子供だからよ。 略したほうが、言いやすいでしょ」


「それ、大丈夫なんですか」

 この異世界には、四つの国が存在し敵対している。

 一つ目は、勇者の国「セイヴィア」

  男女平等主義を目指している。四つの中では、一番新しく発展途上国で、全体的に気性が荒いらしい。

 二つ目は、魔王がおさめる国「アバドン帝国」

  男性君主国家で、四つの中で、一番統制がとれていて、権力主義らしい。

 三つ目は、クイーンヴァンパイアがおさめる国「ブラッドヴィーチェ」

  女性君主国家で、鎖国状態に等しいらしく、ヴァンパイアのほかに、アバドン帝国から逃げ出した魔女たちが住んでいると噂されている。

 最後は、草原の国「ロストメモリー」

  元は国があったらしく四つの中で一番古い。今は草原が広がっており、国があったとは思えない風景が広がっている。胡蝶さん曰く、美しい国だったらしい、三つの国は、この国が滅んだ際、領土を奪うことなく、今までと変わらずに四つ目の国として扱っているらしい。


「本人たちが気づいてないと思うから、大丈夫よ」

 この店は、全ての国に囲まれている。それが、偶然なのか必然なのかはわからないが、胡蝶さんが大丈夫というのなら、本当にそうなのだろう。


「そうなんですか」

 俺は、着替えに行き、店屋のほうへ少し急ぎ気味で向かった。


「お、遅いわよ! 待ちくたびれたじゃない」

 

「ごめんね。 少し胡蝶さんと話してて」


「ふん! このクーコ様を待たせるなんていい度胸ね」


「ごめんね」


「うっ……まあ、今回は特別に許してあげる。 ユッコ、マコ外で遊ぶわよ」

 

「俺は、ゲームしてるからいいよ」


「っは。 私の誘いを断る気? もういいわ、ユッコ、銀行くわよ」

 そういって、ユッコの手を掴み走っていった。


「クーコ様、私晩ごはんの準備が……」


「いいのよ! そんなこと。 早くきなさい」


「了解です」

 銀も、クーコの後を追っていった。


 少し静けさが戻ったと思えば、マコがゲームをしながら話しかけてきた

「ひめどうかしたの」


「え? 別にどうもしないよ」


「クーコが気をつかって、外に出たほどには顔に出てるよ」

 新学期に買い物や、三人の関係をきいて少し疲れていたのかもしれない。今、仲いい三人が本当のことを知って、今の関係が崩れるのだろうか。なんて考えてしまっていた俺がいる。


「この関係は変わらないよ」

 びっくりした。考えが読まれたと思った。


「なんのこと」


「俺とクーコとユッコのこと。 胡蝶さんから聞いたんだろ」

 なんてことだろう。マコはもう知っていたのか。じゃあ、あの二人も気づいているのだろうか。


「……きいた。 二人も知っているのか」


「いや、クーコはバカだし、ユッコはまだ幼いから知らないよ」


「マコは知ってどうするんだ。 一人だけ知って辛くはないのか」

 マコはゲームをやめてこちらを向いた。


「どーもしないよ。 勇者の寿命は、俺にとっては短い。ユッコの先祖と遊んだこともある。クーコもだ。ユッコよりも長いけど、俺にとっては短いんだ。皆大人になっていく中で、一人取り残される……子供のままだ。 それに、この状況を説明したり、父上みたいに敵対したりするのは、めんどくさい。 親が、敵対してるからって、子供までいがみ合うのはおかしいだろ」

 マコがここまで真剣に話しているのは、初めて見た。それだけ、たくさんの時間を過ごして考えてこの答えにたどり着いたということなのだろう。一言ひとこと言葉に重みがある。


「そっか。 たくさん見てきたんだね」


「まあね。 でも、今が一番楽しいかもしれない。 こうやって、国を超えて笑顔が飛び交うのは……なんかいいね」

 と、少し笑みを見せ、またゲームを始めた。


「そうだね」


 しばらくして、三人が帰ってきた。たくさんのお花とともに……。

 後から銀に聞いた話だが、クーコが俺を元気になってほしくて、銀とユッコに相談してきたらしい。そして、三人で考えて、黄色やピンク色の明るい花を摘んできた。


 マコみたいに長く生きているわけじゃないけど、俺も今の生活が一番楽しいかもしれない。今日は、この嬉しい気持ちのまま寝よう。きっといい夢がみれる気がする。


 




 



 昨日は、ハッピーバレンタイン wi☆th 宿題の山


 でした。2017/02/15

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