諸君に告ぐ。諸君、何故死なないのかね?
諸君、諸君に価値はない。もちろん私にもない。何故か。諸君は、私は凡人であるからだ。よって諸君、なぜ死なないのかね。そうだ、価値などないからこそ生きるのだよ、諸君。私ども凡人は、ただただ虚ろだ。なにも入ってはいない。価値がないとはそれがゆえだ。
諸君、世の中には、本当に価値がある、超がつくほどの一流なる人員がいる。私はそんな連中は嫌いだ。単なる嫉妬とはいえ、大嫌いだ。なにも苦労せずに価値なるものを持ってやがるのだ。しかして諸君はその限りではない。だから私は諸君に告ぐ。
価値ない我らは、どうせ死ぬ。今かも知らんし、百年後かも知らん。我ら凡人は大抵何ら記録に残らず、なんの業績も残らん。それでいい。私ほどそれを自覚しているものはない。
価値のない諸君は何故生きるのかね?そうだ。価値を得るためだ。私は無理だと知っている。私が私である以上は。それはどうでもよい。諸君は、凡人である。凡人は虚ろである。虚ろならばなにかで満たせる。そうだ。価値だ。
諸君は、諸君を価値で満たすべく生きるのである。私のように惰性で生きるのに非ず。また超がつくほどの一流なる人員等と異なる、本当に自分で切り開いた価値で。
生まれながらに持っている価値にどれ程の意味があろうか。私は皆無と確信する。己の手で切り開いた価値こそ、真に煌めく。残念ながら本当に一部の者しかそれを手に入れることはない。しかし、諸君はそれを目指すのだ。幸運にもそれを手にするのは諸君の中の一人かもしれぬ。少なくとも私ではない。
諸君、諸君は何故死なないのかね?その答えは単純だ。価値を得るためだ。ならばあがきつつも、価値を掴み取るべく視力を振り絞りたまえ。