現実[2-2]
「瞳美?」
「あっ、ごめん、何の話だっけ?」
江波瞳美は心配そうに見る友人に済まなそうな目を向ける。目の前にはケーキと紅茶。安くはあるが、立派なアフタヌーンティーである。
「まあウチの元彼に昨日会っただけなんだけどね、だから瞳美が興味ないのも頷けんだけど」
「あ、や、興味が無いんじゃなくて……その、ちょっと考え事?」
「考え事って何さ?ワタシに教えてよ、ねえねえ」
「んー……」
正直に言うべきか、言わないべきか……。なんとも言えないその内容は、夢の内容だ。
(あ、そうだ……)
ふと思い出して、一応関連しないでもない話を持ち出した。
「私も何かSNSやろうかなぁ、って」
「エッどしたの?」
「いや、何でもないんだけど、うん」
「どーしたよ!?瞳美が可笑しくなったよ!何か心境の変化でも!?ナニナニ、気になる人かそれとも出来ちゃったか!さあどっち!」
「な、何のこと?」
背中に冷や汗が出そうに成る程、友達は食いついてきた。此処まで食いつかれるとは思っていなかったので、相当ビックリする。しかし友達の方が、普段は「機械とかマジ無理!」とか宣う筈の私の奇行を、店に迷惑になる級に驚いたのだろう。
流石に他人の白い目に気付き、声を落とす。
「だから彼氏に決まってんじゃない」
「えっ、えぇ?」
パッと頭に出てきたのは、シュウ君の顔だった。いや、彼を気になる人に数えるのは少々無理だよなぁ。ダメダメ、あれは只の夢だもの……。しかも私は彼氏にするなら歳上が良いしな……。
「う、うん……そんな感じかな」
あれ?
私は『そんなこと有り得ないよ』と言う積もりだったのに……何でだろう、口が勝手に動いちゃった。
「なんとなんと。それで流石に初めてみようかなっつー感じだね!あわよくばその人と付き合っちゃって〜、行くとこまで行っちゃって〜、ふんふん、我ながら名推理〜♪」
「そんなんじゃ……」
しかし弁明の余地もなく。
「どんな人?」
「はい?」
「歳上?年下?カワイイ感じ?それともジェントルマン?」
間違えてコイツの火を着けてしまったと後悔するも、時すでに遅し――
読んで頂きありがとう御座います!
ストックも貯めず忙しい中即興で書くのはやっぱり大変です。
プロットも無いようなモンですし……
まだまだ先は長い(はず)なので、此れからも宜しくお願いします。