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やる気出しすぎて大変なことになってます

作者: シンシン

二個目の短編!

どうする?俺。

このアメを食べるしか、道は残されていない。

パクッ。モグモグ...

「うぉーーーーし!!うぉし!!きたぁぁ!!」

「そこの君、いまテスト中」

「うひょおおおおおおお!!解ける……解けるぜ!問題!!」

「後で職員室」

そう、俺は今高校の初の中間テスト真っ最中である。

そこで俺はひとり叫んでいた。


そして、職員室ーーー。

「おい、高崎!お前は一体は何してるんだ!?テスト中な!?ドゥーユーアンダーシュタンド!?」

「先生...噛みました」

俺こと高崎 昇は担任の先生から説教中である。

「先生...噛みましたよね?」

ニヤニヤしながら言ってみる。

「人のあげあしとりおってーー!」

「何八つ当たりしてるんですか!?」

「ふっ、まぁいい、お前反省文な」

四百文字の原稿用紙を渡される。

「何カッコつけてるんですか」

「うるさい!これが夢だったんだよ!」

「どんな夢持ってるんですか!?」

「今のは忘れてくれ!とにかく書いてくれ!じゃないと俺の夢が崩れる」

「はぁ...。はいはい」

なんでそんな夢持ってるんだよ。教師になるにはちっぽけすぎる夢だな!

それになんやかんや言って反省文書かせるのが夢とか下衆いじゃねぇか!!


教室に戻ると、クラスの友達の唐崎賢治が腹を抱えて笑っていた。

「なんだよ」

「いや...だってよ...フプッ...クハハハハハハ」

「だからなんだよ!?」

「入学して、こんなに早く反省文もらったやつ初めて見たぜ」

「いやいや、全てはあのアメのせいだ」

「アメ?」

そう、あれは三日前のことだーーー。


雨が降っていた。

傘をさして学校を帰る途中...俺は車に撥ねられた。

「ぐほっ!」

いや、普通ぐほっ!じゃ済まないんだけどね!?

俺は、そのまま壁を突き抜けーーーることはなく、片手でその車を止める事もなく飛ばされ、地面に頭を強く打ち付けてしまった。

俺の頭からは血がどんどん流れ出る。

「あぁ、俺は死ぬのか...」

「待ちなさい!死なせないわよ」

意識が遠のいていく中で聞こえた女の人の声であり唯一の希望。車に乗って俺を撥ねた張本人である。

「何目を閉じてるの!?おきなさい!ほらっ!ほらっ!」

女の人は俺の上にまたがり心肺蘇生ーーーではなく往復ビンタをしだした。

「あだっ!いでっ!はべっ!ほぶっ!やめんかぁぁぁいい!!」

「ほら起きたー」

「……じゃねぇよ!!死人になる寸前のやつに往復ビンタするやつがどこにいんだよ!!」

「ここにいるわ!」

「屁理屈いいから!」

「ったく...なんで避けないのよ」

「無理だから!?避けられたらすごいよ!?」

「ふっふーん、私は実は黒魔術に身を染めててね」

「いきなり中二臭くなってきたんですけど」

「このアメ玉をあなたにあげるわ。ただし1日3個までね」

「なんなんだこのアメ玉」

「それは……そう、そう!|『有限なるやる気のアメ玉』《リミテッドモチベーションキャンディ》よ」

「今考えただろ」

「そ、そんなわけないじゃない!はやく!食べなさい」

「わかったよ、食えばいいんだろ」

俺はリミテッドモチベーションキャンディを一粒口に入れた。

リミテッドモチベーションキャンディはいちご味で普通だった。

「ん!?」

だが、そのリミテッドモチベーションキャンってなげーよ!しつこいよ!

もうアメ玉でいいよね!?

ともかくそのアメ玉を口にした俺は……そのまま意識が飛んだ。


ふと気づくと、家に居た。

「お、俺は...」

「あら、気付いたのね」

「俺は何してたんだ!?」

「あなたは...やる気を出してあなたを撥ねた車を緻密に分解し始めたから気絶させてこの家に連れてきたのよ」

「えぇぇぇぇぇぇ!!お前は何を食べさせとんじゃあぁぁぁぁ!!てかなんでお前は俺の家を知ってるんだ!?」

「これを食べればやる気が出るからテスト問題も楽々解けるわ。意識は飛ぶけど」

それじぶんでといてないじゃん!?でもテストの時いいかもな...というか家知ってることさらりとスルーされたし...

「わかった。気をつけて使おう」

「じゃあ5000円」

「金とるんかぁい!!」


そして、今に至る。

賢治は笑い転げてる。

「バッカじゃないの!あっハハハハハハ!」

確かに俺は馬鹿だ。だが俺はテストは100点決まりだな。


「テスト返すぞー」

そして、いよいよ運命の日。

「高崎!何だこの答えは!0点だぞ!?できたとか言ってた割には全然違うじゃないか!」

「くっそォォォォォ!!あの女ァァァァ!!」

「うるさいぞ。高崎。お前後で職員室」

「夢は叶えませんよ!?」

「うるさい!反省文追加な」


こうして、数々の追試を受けるハメになり、それと同時に担任の夢を2回も叶えてしまった昇であった。




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