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鉄と炭素と超硬合金  作者: 炭グステン
9/9

仕上げ加工と分析Ⅱ-組成分析1-

さあ遂に分析技術の話だ!

正直、筆者自身も分析技術については使う側で開発する側じゃないからそんなに詳しくないぞ!!

でも大切だから作業上知ってて得する知識は披露しちゃうぞ!!!

*仕事の都合でまたまた1か月ぐらい更新できないかもしれないけど安心しろ!!!

完結までは書くつもりだぞ!!!!

第2節

 研磨が終わると、遂に超硬合金の分析が始まる。ここで問題なのが、一言で分析といっても、硬度測定、原子分布、組成分析、構造解析など様々な項目がある。本項では筆者が、分析の基本であり、研究の足掛かりとなる組成分析と原子分布について述べる。

 まず、組成分析であるが代表的な測定方法にX線回折(XRD)、フーリエ変換赤外分光分析装置(FTIR)、クロマトグラフィー等が挙げられる。分野によって異なるが、筆者の経験では超硬合金に関してはXRDが用いられることがほとんどであるため、ここではXRDについて述べる。

 XRDの原理は、中学高校で習う光の屈折(ブラッグの式など)の応用であり、その原理は極めて単純明快である。要は、結晶に入ったX線が結晶から出てくる際の屈折具合から結晶格子の長さを求めることで、試料を構成する結晶が何か調べるといったものである。

 さて、実際にXRDを行うと、横軸に屈折角、縦軸にX線の強度(どの角度でよくX線が観測されるか)を取り折れ線グラフを作成するのが常である。このグラフの特に折れ線の(ピーク)が比較的高い部分の屈折角の分布と、過去に純物質を使って測定されたデータベースの値とを見比べて組成を特定するのである。超硬合金であれば、100°程分析すれば、10個程度のピークが観察される。35℃付近と42℃付近の二ヵ所に大きなピークが連続して現れた場合はWCである。これができると非常に嬉しいのである。

 ここで、聡明な読者諸君はお気付きだろうが、データベースにない大きなピークはどう扱うのかという問題がついて回る。これについては、WC-Co系超硬合金では成分が単純であり、研究も進んでいるため、大抵データと一致する。一致しない場合でも、フラーレンやグラファイトといった遊離炭素に起因するクラスターである場合がほとんどである。もしこれらに当てはまらない特徴的なピークが出た場合は、新組成である可能性があるので製造工程などをよく分析したり、電子顕微鏡で結晶構造を分析して研究するのが良いだろう。新組成なら良いが、大抵の場合、不明ピークは1、2点だけであり、装置が削れて混入した鉄や酸化物であるのであまり期待はしない方が良いように思う。

 さて本項では、WCのXRDによる分析について簡単に述べた。XRDについては、ここでは触れなかったが、使用する試料によるX線の波長の調整等、極めて奥が深い世界であるので、読者諸君にもいろいろ調べることを強くお勧めする。

 一か月ぶりぐらいに書いたものの、研究とかからしばらく離れてたので割と知識がぽろぽろ抜け落ちててびっくらこきました。という訳で誤ってる部分もいろいろあると思います。屈折角を°で書いてるけど単位は2θだったっけ?みたいな感じです。

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