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鉄と炭素と超硬合金  作者: 炭グステン
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超硬合金の焼結Ⅰ-焼結剤の選択-

さあいよいよメインイベントの焼結に入るぞ!

でも、いきなり焼結機構の話しても意味不明になるぞ!

というわけで取り敢えず焼結剤の話をしておくぞ!

第3章 超硬合金の焼結

第1節 焼結剤の選択

 本章では、ついに超硬合金作成のメインイベントである焼結について述べようと思う。そこで本項ではまず、焼結の基礎となる、焼結剤の選択について述べる

 まず、ここでいう所の焼結とは、使用する原料の融点をやや上回る温度で加熱して液相を発生させて焼結を行なう液相焼結を指す。しかしながら、超硬合金の場合、ジュラルミンや鋼のように原料となる粉末全体を溶融さず、焼結剤のみを液相にして焼結を行なう。これは、WCの融点が3000℃に近いため、電気炉などを用いた低コストな加熱が不可能だからである。そこで、より融点の低い元素を結合相として用いる必要がある。コスト面の利点の他にも、結合相として別の物質を用いると、靭性の向上、耐薬性の向上および、焼結時の結晶粒の粗大化防止等の大きな恩恵がある。ただし、高温域での超硬合金の性能を維持するため、ある程度高い融点をもち、また、発生した液相がWC表面に沿って焼結体全体へと行き渡るという条件がある。

 この条件に当てはまる焼結剤のとしては、Fe、NiおよびCoなどが挙げられる。この中でも最も一般的なのCoである。Coの液相は、WC界面での濡れ性が非常に良好であるため、焼結時によく広がり、空孔ができにくい。また、この濡れ性にも関係があるのだが、WCとCoの界面でCoの融点が下がり、1300℃以下で液相焼結が可能となる。なお、AlやFeを用いたた場合では、優れた靭性が得られるが、高温下での強度の低下や、これまで再三に渡って述べた脱炭の問題が生じやすい。Niについては、Coに近い性能をもつがあまり一般的ではない。これは、Coよりも融点が高いことと、結晶が面心立法であることに起因する圧縮成型時の加工性に問題があることが理由であると考えられる。以上より、特別な理由がない場合ではCoを結合相に用いるのが最適である。

本項で述べた焼結剤の種類はあくまで代表的なものの中でも一般的に名前が知られているのに限定しました。ググるとマニアックなのいっぱい出てきます。でもやっぱり焼結温度が3000℃近かったりして実用的かどうかは疑問が残ります。

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