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僕のかたち  作者: 加藤 レイジ
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最後まで笑ってたいから・・

「ごめんなさい・・」 塁は小さく呟いた。

 

 かぜは少し冷たいけど、木々の色は春が来たことを告げていた。

 塁は箸でご飯をかき込んでから、「なんでこの人謝ってんの」と、母に聞いた。

「スキャンダルやって、女癖が悪いのよ。」と母がお弁当作りながら話した。


「ふーん、」と塁は呟いた。すぐに卵焼きに手を伸ばした。 母の作る卵焼きはだし巻きでも甘くもないがどこの店にいっても味わえない味だ。「うまい?うまいんだろうか」と塁が心の中で首をかしげると、

「なに首かしげてんねん」と母に叩かれた。「痛っいな~何も言ってないし」と塁は痛そうに母を見た。

「いいから早く、遅れるで」と母はお弁当を前に突き出した・・・ 塁は急いで味噌汁を飲み干して、弁当を取ってカバンを肩に背負って玄関を飛び出した。「気おつけてな~」母の声がかすかに聞こえた。

 塁は中一になったばかりで学ランもぶかぶかで少しぎこちない、足は走り続けていた、歩きで20分かかるのに残された時間は9分、かんがえる暇がなかった、小学校と中学校は50メートルも離れていなかった。「よし、近道しよっと、」塁は呟いて家と家の間の路地に入り、体を横に向けてすり足で進んだ。

 自慢ではなかったが小学校で遅刻をしたことがなかった、よく休んだけど・・

 「はぁはぁっ」塁は息を切らしながら進み続けた。

 路地は二つあって一つ目の路地を抜けたとき、

「パンッーー」ときれいで耳を抜ける音を聞いた。 「パン?」と一人でボケてみたが、「なに言ってんねん」と冷静にツッこんだ。音はなり止むことなく聞こえ続けた、音が止まった時に塁は気になって音のした方向に向かった。

 そこには大きい大人と同じ学ランの男の子が座っていた。

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