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第4話

 よく眠れないまま朝を迎えた輝夜が学校へ行くと、クラス内では大騒ぎだった。


「何かあったの?」


 輝夜はクラスメートに訊ねてみた。


「担任の谷本先生! 昨日交通事故で亡くなったんだって!」

「えっ!?」


 クラスの担任であり、英語教師でもある谷本は、面倒見も良く、生徒から慕われていた。

 まだ30歳で、小さな子どもさんがいたはずだ。それが突然事故死なんて……。

 昨日までお元気だったのに……。輝夜は信じられない気持ちでいっぱいだった。


 ホームルームのチャイムが鳴り、喪服なのか黒いスーツ姿の教頭先生が、同じく全身黒のスーツを着た若い男性を連れて、教室に入ってきた。


「もう話は聞いたかと思いますが、谷本先生は昨日交通事故でお亡くなりになりました。大変素晴らしい先生を失い、非常に残念です。明日の告別式には、このクラスの全員に出席してもらいたいと思います」


 教頭はそう言い、若い男性を紹介した。


「当面の間、このクラスの担任及び英語の授業を担当することになった紫仙紳一(しせんしんいち)先生です」


 紫仙と呼ばれた男性教師が教壇に立った。女子生徒がざわめく。

こんな時に不謹慎ながらも、紫仙は女子生徒が騒ぐのも無理もないほどモデル並みのスラリとした身長にハンサムな顔立ちだった。


「当面、このクラスを担当することになりました紫仙と申します。よろしくお願いします」


 輝夜はハッと紫仙という先生の顔を上げた。見た目こそ全く違うが、この声は……死神の声だった。


「急なことでしたので、担任の業務、英語教師の業務の整理がまだ付いていません。……今日の日直の月影さん、放課後残って手伝ってくれませんか?」


 言い方は丁寧だったが、有無を言わせない口調に、輝夜は仕方なくうなずいた。

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