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魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
ワールドエンド・リメンバー・オブ・ダイアリー編
67/68

懐かしの実家

「んー、帰ってきた!日本に。」

「ああ、帰ってきたな。」

清隆と静香は日本に帰ってきた。

空港のエントランスにいくと、静香の父親である、葛木直継(かつらぎなおつぐ)が迎えにきていた。

「ただいま、お父さん。」

「お久しぶりです、直継さん」

「お帰りなさい、静香に、清隆くん。さあ、二人とも車に乗りなさい、清隆くんも家まで送っていくから。」

「ありがとうございます、直継さん。」

それから、清隆は直継に家まで送ってもらった。

「ありがとうございました、わざわざ送っていただいて。」

「いやいや、うちの娘がお世話になっているお礼だよ。」

「いえいえ、お世話になっているのはこっちのほうです。」

「そうかい。とにかく、今後ともうちの娘をよろしく頼むよ。」

「はい、お任せを。」

「では、私たちはこれで。」

「じゃあね、清隆。」

「ああ、じゃあな。」

静香と直継の車はだんだん遠ざかっていく。

清隆は自分の実家につく。

宮野邸・・近所の住人は清隆の実家をそうに呼ぶ。

宮野邸はとても広いためそう呼ばれる。

清隆は、インターホンを押す。

「どちらさまでしょう?」

インターホンから聞こえてきたのは、峰隆の声。

「おっ、じいさんか?清隆だけど。」

「おっ、帰ってきたか、清隆。鍵は開けてあるから入るといい。」

清隆が峰隆の声に答えるとインターホン越しに再び声が聞こえる。

清隆はその声に従い、ドアを開けて、家の中に入る。

「ただいま。」

清隆は一言そういう。すると・・

バタバタバタ

階段の方から騒がしい音がする。

ものすごい勢いで降りてくる影が一つ。その正体は、紺の髪と、赤い瞳の清隆より一つ下の少年。

「おかえり、清隆さん。」

この少年の名は、ハヤト・ガーランド。イギリス人と日本人のハーフ。去年、清隆が依頼を受けている時に、ハヤトが魔獣に襲われていた所を助け、ハヤトが清隆の強さに憧れ、日本で峰隆のもとで修行をすることになり、今に至る。

「おっ、久しぶりだな、ハヤト。」

「はい、お久しぶりです。帰ってきて突然で申し訳ないのですが、

師匠が話があると言っていたので、すぐに和室へお願いします。」

「そうか、ちょうどいい。僕もじいさんに報告しないといけないことがあったしな。じゃあ、後でな、ハヤト。」

「はい、また後で。」

清隆はそのまま和室へ向かった。

そして、和室の扉の前。

コンコン

俺はノックする。

「入るよ、じいさん。」

「おう。」

清隆は和室へ入った。

「来たか、清隆。」

峰隆はお茶を飲みながら、そう言った。

「じいさん、話って?」

「まあ、いいから座れ。」

「ハイよ。」

清隆はテーブルを挟んで、峰隆の相向かいに座る。

「しかし、この部屋、冷房つけてないのに、暑くないな。夏なのに。」

「それは、魔法を使ってるからさ。それより、本題に入ろう。」

「ああ。」

それから、一瞬の沈黙。

そして、峰隆は口を開く。

「まずは、義隆の救出、ご苦労だった。」

「ああ。それと話が早いな。今、それを言おうとしていたんだけど。」

「義隆本人が帰ってきたからな、それはわかるさ。」

「兄さんが?で、今はどこに?」

「久しぶりの日本だとか言って、どこかに行ってしまった。」

「そうか、相変わらず、自由気ままな人だな、兄さんも。」

清隆が呆れると、峰隆がお茶を出してきた。

「ほれ」

「ありがと、じいさん。いただくよ。」

清隆は熱々の日本茶を飲む。

懐かしい苦味。ロンドンでは、紅茶が主だったから、普段よりも日本茶が美味しく感じられた。

「うん、うまい。」

清隆は感想を口にする。

「そうかい、それは良かった。で、清隆よ、もう一つの話だが、ロンドンで、魔獣による事故があったそうだな。」

「ああ。いろんな人が死んだり、怪我をしたよ。まあ、俺も被害者なんだけど。」

「清隆、これはもしかすると、再発するかもやしれぬ。ワールドエンドの。現に今、世界中で同じことが起きているらしいな。」

「俺もそう思っていた。これは、ワールドエンドに似ている。それに、わかる範囲で言うと、イギリスとアメリカを襲った魔獣は、ワールドエンドで事件を起こした魔獣とそれぞれ一致している。」

「そうか、やはりな。ところで、話を戻すが、清隆、お前さん、義隆を助ける時に、大切なものを失ったらしいな。義隆から聞いたぞ。」

「ああ。」

清隆は巴の顔が脳裏に浮かぶ。そんな清隆の表情を見て峰隆は言う。

「大切なものを守れる力が欲しいか?」

と。

清隆は理解した。

峰隆は自分が大切なものを守れる力を欲しがっていることを知っていた。そして、自分は大切なものを守れなかったことも。

清隆は即答した。

「力が欲しい」

と。

また、沈黙。そして、峰隆が口を開く。

「じゃあ、また、お前さんを鍛えてやるか。」

「ほんとか、じいさん。」

「でも、清隆、今は休め。怪我しているんだろ。」

「えっ?」

清隆は峰隆の言葉に驚く。

清隆は峰隆にナイトメアと闘った時に負った肩の怪我については話していない。

しかし・・

「驚くことはない。清隆は肩を無意識にかばっていたからな。」

「はっ!」

清隆自身もこれには気づかなかった。

「まあ、怪我が治ったら、修行開始ということでな。」

「了解、じいさん。」

清隆は内心焦ってはいたが、ここは素直にいうことを聞くことにした。










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