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魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
ワールドエンド・リメンバー・オブ・ダイアリー編
64/68

再会と失う者

義隆に魔獣の腕が次々に振り下ろされる。

「瞬間移動魔術・限界突破(リミットアウト)

義隆は連続の瞬間移動魔術によって、それらをすべて避ける。


「瞬間移動魔術・限界突破(リミットアウト)

この魔術は瞬間移動魔術を連続で使える技である。しかし、魔力の消費は激しい。


再び魔獣の攻撃。

義隆は再び魔術を発動しようと試みる。

(瞬間移動・・)

義隆の魔力はすでにきれていた。

(ここまでか・・・)

義隆は覚悟を決める。

しかし・・・

キーン

魔獣の腕をはじく黒と赤の二つの影。

「やっと、会えたぜ、義隆さん。」

「大丈夫か、義隆。」

懐かしい声。

「その声はユウジとヴェン。久しぶりだな。」

「ああ、嬉しいが話は後だ。今はこいつを。」

「わかってる、今はこの、アルシオーネ・ナイトメアを倒さなくちゃな。」

「ナイトメア・・じゃあ、こいつが」

「ああ。こいつを倒さないと俺たちはこの島から出られない。」

「じゃあ、倒そうぜ。」

「ああ。でも、気をつけろ。こいつのせいで、俺以外は、みんな死んでいった。」

「ふっ、大丈夫さ。今回はあんたの弟もいるからな。」

「なに?清隆が・・」

ユウジは清隆を指差す。

清隆が義隆のところへ駆け寄ってくる。

「兄さん、生きてたんだな、よかった。」

「わざわざこんなところまで、サンキューな、清隆。」

一年半ぶりの兄弟の再会。二人は泣きそうになる。しかし、目の前にいる、ナイトメアの姿を確認し、抑える。

やがて、置いていった三人と、他のグループのメンバーが合流し、全員でナイトメアに攻撃を仕掛ける。

ウゴゴゴゴゴゴ

突然、ナイトメアの様子が急変する。

手が16本になる。さらに分身する。

「うあああああああああああああああ」

何人かは吹き飛ばされ、動かなくなった。それからも何人か死んだ。

「うおおおおおおおりゃ」

ユウジは魔法陣を展開し、無数の槍をナイトメアに仕掛ける。

カーン

「なっ」

槍はすべてはじき返される。

「これでもくらえ、魔獣」

ヴェンは宝石から雷をナイトメアに放つ。

しかし、これも・・・

「なにっ」

ナイトメアに雷は効いてない。

「これならどうだあ、焔斬り」

巴は火精霊を剣に纏わせてナイトメアに攻撃する。

ブンッ

巴の剣はナイトメアに吹き飛ばされる。

さらに巴にナイトメアの腕が振り下ろされる。巴に防ぐための精霊を召喚する魔力も、方法も残されていない。

「巴さんーー」

清隆は残りの魔力を振り絞り、瞬間移動魔術で巴の前に現れる。

「うがっ・・がはっ・・」

清隆はナイトメアの攻撃を剣で防ごうとするも、剣は吹き飛ばされ、肩に攻撃を受ける。肩は出血している。

「清隆・・どうして・・そこまで・・・私を助けようとするんだ・・」

「決まってるじゃないですか、巴さんは大切な仲間です。守るのは当然。それに僕は誓ったんです。美雪を守れなかった一年半前から僕は必ず大切な人、仲間を守ると。自分の命に替えても。それに僕はもう、嫌なんです。誰かを守れず、死なせるのは。」

清隆はポーチから二本の短剣を取り出し構える。

ナイトメアは清隆に腕を振り下ろす。

(みんなも戦っている・・今は僕は巴さんを守るんだ。)

清隆は短剣で攻撃を防ぐ。しかし、短剣は粉々になる。

ウゴゴゴゴゴゴ

今度はナイトメアは目から光線を放つ。

清隆は再び短剣を取り出す。

「宮野剣術・6の型・剣で作る(ブレードシールド)

清隆は光線を回転させた剣ではじこうとする。しかし、短剣に亀裂。そして、短剣は砕け、清隆に光線が向かっていく。

短剣では防げない。魔力はきれて、瞬間移動魔術は使えない。防ぐ手段はない。清隆はそれでも笑顔だった。

(誰かを守れるなら、この命を捧げよう)

清隆は覚悟した。が、しかし・・

「清隆ーー」

巴が清隆の前に現れる。そして・・

ベチャ・・

「巴、さん?」

清隆に大量の血が降りかかる。

清隆の前に血塗れになって巴が倒れていた。







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