表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
ワールドエンド・リメンバー・オブ・ダイアリー編
60/68

決意する仲間たち

清隆の怪我は異例の三週間で治った。それを察するかのようにアメリカ校から手紙が届く。

 


  

宮野清隆殿

単刀直入に言おう。

できるだけ早く来い。我がアメリカ校へ。イギリス校の教師達とも話はついているから、うちの生徒がどうのこうのということについては心配するな。我がアメリカ校も魔獣どもの攻撃を受けて、危ない状態だ。この危ない状況を解決することは、お前の兄さんの兄さんの救出にもつながる。この手紙とともにアメリカ校まで瞬間移動できる御札を入れておいた。頼れる仲間を連れて来るのもよし。なお、この戦いは命懸けの戦いになるので覚悟がある奴を選ぶように。また、お前に宮野義隆が行方不明となった原因について教えたあと、すぐに宮野義隆を含む、アメリカ校の生徒及び職員の救出に向かう。準備を忘れずに。


 

アメリカ校学園長 メリッサ・フリーザ


という内容だった。

清隆は早速、哲也と巴のところへ向かった。頼れる仲間と思って頭に浮かんだのが巴と哲也だったからだ。

二人を探していると、教会に二人がいた。清隆は二人のもとへ駆け寄る。

「あ、やっと、見つけました、二人共。」

「どうした、清隆、デートの誘いか。」

「宮野、どうした、そんなに息を切らして。」

清隆は一回深呼吸してから、口を開いた。

「実は、二人にお願いがあるんです。」

清隆は手紙を見せ、一緒にアメリカ校へ来て欲しいことを伝えた。


そして、

「いいだろう、行こうかアメリカへ。」

「お前には妹の件で世話になったからな。そのお礼だ。行ってやるアメリカに。」

答えはあっさり返ってきた。清隆はアメリカに行くことの意味をわかってなさそうだったので、もう一度確認した。

「いいんですか、二人共、死ぬかもしれないんですよ。」

このあと、清隆の言葉はすぐに返された。

「宮野よ、死ぬかもしれないのはお前も一緒だろう。」

「私は、清隆が、死ぬかもしれないところへ行くのを黙って見過ごせないかな。」

二人の決意は本物だと清隆は思った。

すると、哲也が口を開いた。

「では、明日、出発しよう。俺も武器の調整をせねばならんのでな。」

「そうだ、私も新しい剣を注文していたんだった。明日届くから少し待っててくれ。」

二人はそう言って、荷物をまとめ、教会をさっていった。

「ありがとうございます、二人共。」

清隆は心から二人に感謝したのだった。すると、後ろから声がきこえた。

「清隆、お前、死ぬかもしれないんだって?・・・」

清隆が後ろを振り向くと、そこにはエドガーがいた。

「エドガー・・・聞いていたのか。」

「ああ。俺もアメリカに連れていけ。」

「断る。」

清隆はじぶんでも驚く程に即答した。

「なぜだ、清隆。」

「お前の実力じゃ死ぬ可能性が高い。俺はお前が死ぬのを見たくないんだ。」

清隆の言葉にエドガーはうろたえそうになる。だが、それを振り払いエドガーは反論する。

「たとえ、俺に力が足りなくても、お前が死ぬかもしれないのに、何も出来ないのがいやなんだ。お前は俺の親友だ。この学校に来てできた外国人の友達だ。そんなお前を俺は失いたくないんだ。」

清隆の心は揺れた。逆の立場なら自分はどうしていただろうかと。

エドガーの話は続く。

「いいか、お前がなんと言おうと俺はついて行くからな、いいな。」

清隆も口を開く。

「やっぱり、エドガー、君にもお願いするよ。いいかな。」

エドガーは笑顔で

「ああ。」

と言って去って行った。

エドガーの言葉で自分が死んでしまうのを嫌がって、力になりたいという人がいることに気がついた清隆だった。しかし、恋人である、美雪には言えなかった。言ったら、ついて行くと言うと思ったからだ。美雪には実力以前に経験が足りないし、魔法を使えるようになってから日が浅いということから、自分がアメリカに言って死ぬかもしれないということが言えなかった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ