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魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
ワールドエンド・リメンバー・オブ・ダイアリー編
56/68

今度は私が・・

今思えば、私はずっと守られてばかりだった。身体的にも精神的にも。

美雪は静香、メアリーの両者と戦う覚悟で剣を抜く。

今回は清隆に助けて貰わなくても自分の身は自分で守る。だって私はいつか清隆を支える存在になるのだから。いつまでも守られてばかりではいけない。私は、私は、清隆を守れるくらい強くなりたい。

美雪は瞬間移動魔術を使って静香の後ろに移動し、そのまま攻撃をする。

「蒼流剣!」

美雪は剣先に蒼い光を纏わせて、渾身の突きを放つ。だが・・

「巻き戻し!」

静香が魔法を発動する。すると、美雪が剣先に纏った蒼い光は消える。そして、美雪の渾身の突きは静香の剣によって受け止められる。さらに・・

「フェザーイーグル!」

メアリーが後ろから竜巻を放ち、美雪を吹き飛ばす。美雪はコンクリートの地面に叩きつけられる。

「う、うっ・・」

美雪はそれでも立ち上がる。

攻撃が静香に通らないなら、まずはメアリーから。

美雪は瞬間移動魔術を再び使用し、今度はメアリーの背後に移動し、再び渾身の突きを放つ。しかし・・

スカ・・

美雪が突きを放ったところにメアリーはいなかった。

「バレバレよ。」

メアリーは空に浮いていた。

「メアリーが、空に浮いてる・・」

美雪は驚く。

「どう、驚いた?これがローズ一族秘伝の魔法、空中浮遊(エアライド)よ。ここにいれば、あなたは攻撃できないでしょ。」」

メアリーは顔色一つ変えずにそう言った。メアリーのその言葉に美雪が口を開く。

「私は空にだって移動できるよ、メアリー!」

美雪は再度瞬間移動魔術を発動する。そして、空に浮いているメアリーの元へ移動する。

だが・・美雪の考えは甘かった。空で自由に移動する術がない美雪は真っ逆さまに落ちていく。さらに・・

「はあああっ!」

メアリーは黄色い光線を放ち、美雪にぶつけた。そして、美雪は再びコンクリートの地面に叩きつけられる。

「・・・」

あまりの痛みに美雪は動けない。これは生命保護魔法のない命がけの戦い。下手をすれば死ぬ。

美雪は解せなかった。

静香もメアリーも下手をすれば死ぬことはわかっているはず。いつもの二人ならどんなことがあろうとこんなことはしない。何が二人を責めたてたのか。それに二人の様子と雰囲気がいつもと違う。先日のメローぺ・コバルト発生と言い、いったいこの地で何が起きているのかということが。

そんなことを考えていると、静香が美雪に何かを語り始めた。

「私がここにきたのはね、天夏さん、あなたを殺すことだけではないの。」

「えっ?」

「私は清隆を殺しに来たの。」

「どうして?」

美雪は静香の衝撃の発言に驚かずにはいられなかった。

「私が清隆を殺すのは、清隆が私を振ったからよ。」

美雪は静香の発言、行動の全てががいつもと違うと感じていた。

今の発言は静香の本当の意思でないはずだ。美雪は知っていた。

静香は振られてもずっと清隆のことを想っていたことを。陰からこっそり清隆美雪を見ていたことを。

美雪は確信する。

静香とメアリーは何か、魔法の干渉などを受けているに違いないと。だが、美雪には細かいことまではわからなかった。

考えてもしょうがない、今わかっているのは、清隆が殺されそうなっていること。清隆を助けるのが私の仕事・・

美雪は立ち上がろうとするが、立ち上がれない。二人は美雪の前を過ぎ、病院内へ入ろうとしている。

「こ、このままじゃ・・」

美雪が必死で立ち上がろうとしたその時。

「う、うううっ・・」

「う、ぐはっ・・」

突然、メアリーと静香の後ろに現れた黒い精霊二人を斬る。そして、何処かへ吸い込まれるようにして消えていった。

吸い込まれた先には影が二つ。

一人はロングヘアの黒髪。一人は黒髪のサイドテール。

美雪はこの二人を知っていた。

清隆が私を蘇らせるのを手伝ってくれた、森園巴先輩と、その妹の森園友香だ。

「助けにきたぞ、美雪。」

巴の発するその声はとても頼もしかった。





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