表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
ワールドエンド・リメンバー・オブ・ダイアリー編
55/68

Can't forget memory(キャント フォゲット メモリー)・死の記憶

全国大会が終わって翌日、私たちは春日部市へ帰って来て、剣道部内での反省会も終わり、私は清隆と一緒に家まで帰る。しかし、街の様子がおかしい。

昼間なのに空が赤く、たくさんの鳥たちが逃げていくように空を飛んでいた。

すると、空から見たこともないような生き物が次々に降りてくる。そして・・

ウゴゴゴゴゴ

生き物は雄叫びをあげ、火を吐いて周りの家や人をを焼いていく。

「・・・」

「・・・」

私と清隆は目の前の光景に声も出なかった。

そして、私たちの前にも例の生き物がやって来た。

青く艶のある固そうな皮膚、尖った両手、顔の中心の赤い目、4mを余裕に超える全長。

私は怯えて清隆の影に隠れていた。清隆は私と違い、竹刀をだし、構えて戦う姿勢を示す。さらに清隆が口を開く。

「逃げろ、美雪。」

清隆はそう言った。

でも、私にはそれが出来なかった。清隆が死んでしまうかもしれないのに、一人だけで逃げるわけにはいかない。清隆を死なせたくないという気持ちが私の足を止める。そんな感じで私が躊躇っていると、清隆が視線で逃げろと訴えてくる。覚悟を決めてようなそんな視線。結局私はその視線に負けて、私は逃げ出した。

清隆はそれを確認すると、例の生き物に竹刀で攻撃しようとする。だが・・生き物はそれを無視するかのように私に向かって炎を吐いて来た。私はそれに反応出来なかった。すると、清隆が魔法で私の近くに現れる。私を庇おうとしてくれたのだろう。しかし、清隆がやって来たのは私の横だった。清隆は魔法のコントロールが出来なかったのだ。

今までありがとう・・清隆。さようなら。

私はそのまま炎を浴びて、焼け死んだ。

これが私の一度死ぬまでの約一年半の記憶だ。忘れることができない記憶の全てだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ