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魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
ワールドエンド・リメンバー・オブ・ダイアリー編
47/68

Can't forget memory(キャント フォゲット メモリー)・二人の出会い

私こと、天夏美雪が中学二年生の春。私は清隆と出会った。

私はこの春、この地、埼玉県、春日部市にやってきた。そう、私は編入生である。

私が道に迷い、適当に歩いていると、一人の同い年くらいの男子が目の前を通りかかる。と思ったらすぐにその男子は視界から消えた。

「ぐほっ・・」

その男子は遥か遠くの電柱にぶつかっていた。

速い・・・速すぎる・・

私はそう思った。人間の速さではない。あの男子は一瞬消えた気がする。まさかとは思うが、よくアニメに出てくる魔法とかというやつなんだろうか。なんか意外と予想があったいるかもしれない。男子はなんかばれてしまったかのような顔をしている。

「今の・・見た・・」

男子は美雪にきいてきた。美雪は素直に

「うん、見たよ。」

と答えた。

男子はますます顔が青ざめている。

「あの、君、その制服、春日部市立(かすかべしりつ)桜花(おうか)中学校(ちゅうがっこう)の生徒だよね。あの、このことは学校のみんなには黙ってくれないかな・・」

「このことって?」

「僕が瞬間移動の魔法を使ったこと・・はっ、しまった。」

男子は慌てて口をふさいだ。

私は「魔法」ということばが気になった。

「ねえ、魔法って?」

「うぐっ・・」

男子は辺りを見回し、誰もいないことを確認する。

「誰にも言わない?」

男子はそう聞いてくる。私は魔法っていう言葉の意味が知りたかったので即座に

「うん。」

といった。すると、男子は息を深く吸ってから話し始めた。

「僕の家族はみんな不思議な能力、すなわち、魔法が使えるんだ。当然、僕にも不思議な能力があるんだ。」

「不思議な能力?」

「そう、不思議な能力。僕は視界に入っている範囲ならどこにでも移動できるんだ。ほら。」

男子は美雪の背後に一瞬で移動する。

「えっ・・⁉」

美雪は今のできごとが信じられなかった。

「今のが、さっき君が見た現象の正体だよ。でも、さっき、電柱にぶつかってしまったようにまだこの能力、瞬間移動の魔法をコントロールできないんだ。」

「・・へえー。」

「これですべて話したからね。このことは他の人には言わないでね。」

そう言って男子はその場を去ろうとする。

ガシッ

だけど、私は男子の腕を掴み、その歩みを止めた。

「な、なに。」

「私さ、実は今日から春日部市立桜花中学校に編入なんだけど、道に迷って道がわからないんだよ、私を学校まで案内してくれないかな?」

「案内?うん、いいよ。ところで君、名前は。」

「私は天夏美雪、中学二年生。」

「僕と・・同じ学年か。僕は宮野清隆。ちなみに男子剣道部所属。」

「よろしくね、清隆。君とは何となく、いろいろと縁がありそうだし、ファーストネームで呼ばせてもらうね。」

「構わないよ、じゃあ、僕も君のことを美雪って呼んでいいかな?」

「いいよ。」

清隆は少し微笑んで、

「じゃあ、行こうか、学校へ。」

と言って歩き出した。

これが私と清隆の出会いだった。




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