美雪の食堂デビュー
清隆、美雪、静香、エドガー、メアリー、哲也、巴のデザイン及び、挿絵募集中です。
昼休み
学園内食堂にて。
清隆と美雪は
「わあ、広いな、この食堂。」
「まあね、でもそれだけじゃない、この食堂は、世界各地の料理が揃っているんだ。」
「へえ~、ってことは、毎日違う物が食べられるのか・・いいね。」
「よし、説明も終えたし、何を食べるか、決めるか。」
「うん。」
清隆はすぐに注文が決まって、カウンターのおばちゃんに注文をしていたが、美雪はずっとメニューとにらめっこしていた。
「うーん、悩むな。本当にメニュー多いね。」
「美雪、そんなに悩んでるなら、僕と同じ物でいい?」
「清隆は何を頼んだの?」
「麻婆豆腐セットだけど・・」
「美味しいの?」
「うん、なかなか。」
「じゃあ、それで。」
「おばちゃん、麻婆豆腐セット追加。」
「はいよ。」
清隆はおばちゃんに追加の注文をする。清隆と美雪は注文を済ませ、カウンターで料理が来るのを待つ。
「おや、あんた見ない顔だね。」
カウンターのおばちゃんが美雪に声をかける。
「あ、はい。今日編入した二年生の天夏美雪と言います。よろしくお願いします。」
「うん、よろしくね。私はこの食堂で働いているレミ・オルタナ。みんなは私のことをおばちゃんと呼んでいるから、美雪ちゃんも私のことはおばちゃんでいいよ。」
「はい。」
「ところで美雪ちゃん。清隆君とはどういう関係だい。やけに親しい間柄そうだったけど。」
「恋人です。中学時代からの。」
「ああ、美雪ちゃんが・・清隆君が謝らなくちゃいけないと言っていた恋人かあ。」
「謝る?」
「そうだよ、ずっと清隆は美雪ちゃんにきちんと謝ってお別れがしたいが為に頑張っていたんだよ。」
美雪は清隆の方を向いて言う。
「清隆・・なんでお別れなんてしようと思ったの!なんで生き返らせるとか、単純にまた会いたいと思わなかったの!」
清隆は戸惑っている。
「それは・・」
「それは・・」
「それは僕は美雪を守れなかったから、また美雪がいるなんていう幸せな日々を過ごす権利はないと思ったから。」
「はあ~そんなこと最初から気にしなくて良かったのに。まあ、いいか、今こうして生きているんだし。」
「そっか・・ありがとな美雪。」
おばちゃんは清隆たちの方を見ながら、ハンカチで涙を拭っていた。
「どうしたの、おばちゃん。」
「どうしたんですか。」
清隆と美雪がおばちゃんに声をかける。
「いやあ~、二人の愛の深さに感動しただけさ。感動させてくれたから、お礼にサービスだ。」
おばちゃんは清隆と美雪に大盛りの麻婆豆腐セットを渡してくる。
「お金のことは気にしなくていいから。通常料金でいいよ。」
「ありがとう、おばちゃん。」
清隆は自分と美雪の分のお金を払う。
「まいど~」
おばちゃんの声とともに二人はカウンターを去った。それから、清隆と美雪は二人席を見つけ座った。
食後・・
「ふうー美味しかった。この麻婆豆腐、なかなかいけるね。」
「うん、まあね。でも、人によって好みは違うから、色々な物を試して見て。」
「うん。ところで清隆は、この食堂のメニューの料理どのくらい食べたの。」
「うーん、男気シリーズ以外はとりあえず食べたかな。」
「男気シリーズ?」
「男気シリーズっていうのは、ただ辛さだけを追求したカレーとか、超大盛りのカツ丼とか、苦さだけを追求したお茶とか・・とにかく、味より消費者を苦しめるためだけの料理のことだよ。まあ、食べないけど。」
「えー、挑戦してみてよ。」
「まあ・・・いつか・・ね。」
こうして、美雪の食堂デビューは無事に終わったのだった。