会いたかった
「清隆・・・?」
清隆のすぐ後ろにとても懐かしい声がする。よく覚えていて清隆が一番待ち望んでいた声だ。清隆はすぐに後ろを振り向く。そこには、清隆の最愛の人がいた。若干、緑ががったショートヘアーの髪、少し青みがかった大きな目。清隆は目の前にいる美雪らしき人物をみて、思わず泣きそうになった。
「美雪なのか・・・」
清隆もその子に問う。
「うん。」
清隆はその言葉を聞いてますます涙がこみあげてくる。
「清隆ー」
美雪らしき人物は清隆に抱きついてきた。
「清隆・・会いたかった・・」
「僕もだ・・・」
清隆はこの人物が美雪であると確信した。清隆も美雪を抱き返す。
「ごめんな、美雪・・・」
「えっ?」
「一年半前、君を守れなくて・・・」
「いいんだよ、別にそんなことは・・・なぜか知らないけど・・私は今ここにこうしていきているんだから。」
「美雪・・僕のこと・・恨んでないの」
「そんな、清隆を恨むなんて、できるわけないよ。それに清隆を恨むなんてしたくない。だから、もうきにしなくていいんだよ。」
「ありがとう・・・美雪・・・」
清隆はさらに強く美雪を抱きしめた。
「ねえ、清隆・・・いくつか聞いていいかな。」
「うん、いいよ。いくらでも・・・」
「私の両親は・・・助かったの?」
「・・・・・」
清隆は答えられなかった。美雪の両親は一年半前の事件で死んだことを。だが、美雪は清隆が何も答えないことからそれを察したようだった。
「・・・そっか・・・」
「美雪・・・」
「もう一つ・・清隆はどこの学校に通っているの?」
「えっ?」
清隆は美雪に事件のことを聞かれるものだと思っていたので、この質問は意外だった。
「清隆が通っている学校だよ。清隆が男子校意外のところに通っているなら私もそこに編入しようと思って。」
「そっか・・・僕は留学しているんだ。」
「えっ?どこに?」
「イギリスのロンドン。そこのイギリス王立魔法科高等学校にかよっているんだ。」
「魔法科高校って・・・魔法を学ぶところだよね・・」
「うん・・・」
「じゃあ・・私はそこにかよえないのか・・・残念・・私帰るところもないや・・・」
「美雪・・・魔法を使えるようになりたいか?」
「えっ?」
「あるんだ・・・魔法を使えるようになる方法が・・・あとは美雪しだい・・・」
「なりたい。魔法を使えるように。」
「じゃあ、決まりだな。」
清隆は美雪から手を離し、最後の石に手を置く。
美雪に魔法の力を・・・
石は光り、消滅する。
「・・・なにかたぎってくる・・・なんだろうこれ?」
「それが魔法の力だと思う。美雪、好きに力を解放してみて。」
「はあっ!」
美雪の足元に魔法陣が展開され、一瞬で巴に衝突した。
「「ぐほっ・・」」
二人ともダウンした。
「この魔法は、僕と同じ瞬間移動魔術・・・」
「いっててて・・」
美雪は立ち上がる。
「ねえ、清隆、私も魔法を使えたよ。これで一緒の学校に通えるね。」
「うん、まあ、試験に合格したらな。」
「絶対にごうかくしてみせるから。」
「うん、僕も協力する。がんばろうな。」
こうして、清隆は一年半のときを経て、美雪と再会したのだった。