清隆の戦い
フィールドに残っているのは、清隆とケイネスだけ。いよいよ、決勝戦も大詰めだ。
「・・・君は罪を犯した。」
ケイネスは清隆はそんなことをいう。
「罪?」
清隆もケイネスの意味不明な言葉に思わず聞き返す。
「そう、罪だ。」
「どんな?」
「それは・・・君が僕の前にこうして立ちはだかっていることだ!」
「・・・」
「だから、今から、僕は、君を裁く!」
ケイネスから殺気が滲み出る。清隆はそれを感じ取り、肩から二本の剣を取り出す。
「裁きの一撃!」
ケイネスの手から魔法陣が展開され、それから赤い光線が放たれる。
「うおおおおお‼」
清隆は「瞬間移動魔術」を使い、ケイネスの背後に回り、「宮野剣術・2の型・踊る剣術」を放つ。剣と足の成す怒涛のコンビネーション攻撃がケイネスを襲う。
「ぐっ、ぐはっ。」
「うおおおおお‼」
清隆は続けて、「宮野剣術・4の型・乱れ突き」を両手の剣で七連続の突きを交互に放つ。
「くっ、ふざけたことを・・うおおおおお‼」
ケイネスの手から魔法陣が展開され、清隆に向かって赤い光線が放たれる。清隆はその瞬間、再び「瞬間移動魔術」を発動し、元の位置に戻る。
清隆は二本の愛刀の剣先から魔法陣を展開させ、黒と青の閃光を放つ。
「ブラックストライク、ブルーテンペスト‼」
二つの閃光はケイネスに向かっていく。
「くっ、させるか!」
ケイネスは手から魔法陣を展開させ、閃光を打ち消そうと光線を放とうとする。が・・
清隆は放たれた閃光の先に二つの魔法陣を展開させる。青の閃光と黒の閃光はそれぞれの魔法陣に吸い込まれる。
「魔法瞬間移動魔術‼」
清隆は二つの魔法陣をケイネスの背後に展開させる。そして、二つの魔法陣から青の閃光と黒の閃光が放たれる。
「ぐはっ。」
ケイネスは二つの閃光をくらい、フラフラになる。
「くそっ、僕の前に立ちはだかる者を裁かねばならないのに!」
「これで最後だ!」
「ちっ・・」
これでやっと会える、美雪。これで二年間の努力が報われるんだ。もう一度一緒の時間を過ごせる時が来るんだ。
清隆は二年間の時間を走馬灯のように振り返った。
そして、清隆は瞬間移動魔術を発動させ、ケイネスの背後に移動する。
これで最後だ。
「宮野剣術奥義・始!」
清隆は両手の剣の剣先に魔力を集中させ、ケイネスに斬り込む。だが、
「まだまだ、終わらないよ、宮野清隆、裁きの一撃!」
「う、がはっ・・」
赤い光線が清隆の胸部を貫く。