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魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
リボーン・ガールフレンド編
32/68

メアリーの告白

いよいよ、決勝戦。

清隆はエドガーとの特訓、巴は精霊剣術奥義・虹の完成に向けての特訓、哲也はスコーピオンmk(マーク)-2の使用特訓を経て、ソードダンサーズの三人は決勝の舞台に立とうとしている。今はソードダンサーズ応援部隊も交えた最後の激励会。

「頑張れ、清隆。」

メアリーは清隆の背中を叩いて清隆に喝をいれる。

「今までありがとな、メアリー。僕たちのために応援部隊を立ち上げてくれて、サポートしてくれて、メアリーには感謝の気持ちでいっぱいだ。本当にありがとな。」

「清隆、本当に感謝してるなら、優勝してきなさい。負けたら承知しないわよ。」

「ああ、わかってる。ただ、一つだけ聞かせてほしい。メアリーはどうしてそこまで僕たちのために働いてくれたの。メアリーの姉さんであるレイカさんだってこの大会に参加しているのに。」

「・・・もともと姉さんが勝てると思ってないわ。どうせ応援するなら優勝しそうなところを応援したいし。それに、清隆は命の恩人だから。」

「命の恩人?」

「覚えてないの、魔法科高等学校の入学試験のとき、あなたが助けてくれたじゃない!」

「ああ、思い出したよ、入学試験か、懐かしいな。」


一年と数ヶ月前。

イギリス王立ロンドン魔法科高等学校入学試験。

この試験は生きるか死ぬかの戦い。試験はいくつかの場所に分かれて行われる。方法は受験者同士の殺し合い。合格するためには生き残ること。その場所で最後の二人になるまでずっと。もちろん、ホーリーフィールドのような命を守る魔法はない。

清隆は人の命をもてあそぶようなこの試験方法に怒りを覚えたが入学するために心を鬼にしてこの試験方法を受け入れた。

「うおおおおお‼」

「ひいいい⁉」

清隆はこのルールを受け入れきれてない受験者、人を殺すことをためらっている受験者も迷わず剣で斬り殺していく。

ごめんなさい、名も知らない人、でも、僕は勝ち残らなくちゃいけないんだ。

清隆は次々に受験者をリタイアさせる。いや、殺していった。清隆は自分がただの殺人鬼になっていく感じがした。しかし、清隆の心は人間だった。

「終わりだ。」

「私はまだ・・・」

清隆の視界に殺されそうになる女の子が入る。清隆はその女の子を見て、半年前に自分が守れなかった恋人、美雪が魔獣に殺される瞬間の映像が頭にフラッシュバックする。清隆は無意識のうちに「瞬間移動魔術」を使ってその女の子の前に移動し、その女の子を殺そうとしている男を斬っていた。

「・・・なにやってるんだ僕は・・ライバルであるはずの奴を助けるなんて。」

清隆はつぶやく。すると、

「あなたは誰?どうして私を助けたの?」

助けた女の子が清隆に声をかけてきた。

「・・・」

清隆は女の子の問いに答えようと一瞬考える。

「僕が君を助けたのは、僕はもう自分の視界で女の子が殺されるのを見たくないから。」

清隆は女の子の問いに答えた。その答えは真実だ。清隆はその言葉を証明するかのような戦いをしていた。清隆は一人も女の子を殺していない。

「ふーん。それでさっき気になったんだけど、もう見たくないって、どういうこと?」

「・・・わざわざすぐに死んでしまうかもしれない奴にいうことじゃないよ。」

「いいえ、生き残るわよ。あなたに救ってもらった命、無駄にしないわ。ところであなた

名前は?」

「・・・宮野清隆。君の名前は?」

「私はメアリー・ローズ。清隆、約束してくれる?お互いに生き残ったらさっきの質問の答えを教えてくれるって。」

「ああ、いいよ。死ぬなよ、メアリー。」

「そっちもね、清隆。」

清隆とメアリーは約束をかわす。そして、二人は生き残った。

約束どおり清隆はメアリーの質問に答えた。

半年前にある事件で恋人を亡くしてしまったこと。その場にいたのに恋人を守れなかったことを話した。



「懐かしいな。」

「ええ、あの時はありがとうね。」

「いやいや自分で勝手にやったことだから。」

「そう。それでね、清隆。さっきの話の続きだけど、清隆が命の恩人だからってだけじゃないの。」

「えっ?」

「私ね、清隆が目的に向かって頑張っている姿と私を助けてくれたことを含めてさ、清隆、あなたのことがいつしか好きなんだって気づいたんだ。だから、清隆、私の気持ちに答えてくれると嬉しいな。」

「・・・」

清隆はメアリーの突然の告白に驚き、黙り混んでしまう。

「ごめんね、清隆。決勝前にいうことじゃなかったよね。今は決勝に集中して。返事はあとでいいから。

「ああ、うん。」

「頑張ってね、清隆。」

清隆はメアリーに再び喝をいれられ、巴、哲也とともに、決勝のステージに向かっていった。

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