本戦開始
いよいよ、魔闘会本戦の開会式。ソードダンサーズのメンバーたちは激励会でもらった戦闘服を着用し、他にそれぞれの装備をつけて開会式に参加した。
清隆はパンサーブラックと闇帳を鞘におさめて腰につけ、静香に買って貰ったポーチ、「メビウスポーチ」をズボンのベルトにかけている。
巴は腰に鞘におさめた「閃光剣」を提げている。
哲也は愛用の2丁拳銃をケースにおさめて一つづつ、戦闘服のポケットにしまっている。
「これで国際魔法武闘大会開会式を終了する。」
スキンヘッドのおじさん、いや、国際魔法武闘大会運営委員会会長の
バーク・クライトンの閉会宣言が終わる。
すると、会場に緊張感漂う空気が流れる。開会式閉会後、本戦のトーナメントの組み合わせの発表と本戦の一回戦が始まるのだ。清隆たちは去年の冬、この一回戦で会場を去ったが、今回はそうはいかないと心に決め、それぞれ拳を握る。
そして、目の前の画面にトーナメント表が表示される。ソードダンサーズはトーナメントの真ん中、一回戦の相手はスペイン代表「ザ・スカーレット」だ。清隆は、一回戦の相手を確認し、今後はアメリカ代表を探す。清隆が魔闘会にでるもう一つの理由、兄の居場所、兄は任務中に何があったのか、生きているのか、をアメリカ校の教師陣に問うためだ。去年の魔闘会の一回戦はアメリカ代表とだったが、激闘の末、清隆たちは敗北し、教師陣に兄の行方を教えてもらおうとしたが、
「敗者にいうことはない」
と言われ、何も聞けなかった。兄の行方を聞くにはアメリカ代表に勝つしかない。アメリカ代表は早くて三回戦であたる。今年は勝つんだと握っていた拳をさらに強く握る。
「これよりルール説明を行います。」
委員会による魔闘会本戦のルール説明が始まった。
「本戦では、予選同様、フィールドにホーリーフィールドが展開されます。フィールドは様々な環境を再現したナチュラルフィールドが使われます。制限時間はありません。相手のプレイヤーを全員倒したら勝ち、それだけです。なお、判定はモニターをとおして審査員よって行われます。また、本戦は自分たちで戦い方を選ぶことができます。
代表者による1VS1の個人戦、タッグを組んでの2VS2、チーム全員参加の3VS3、この中から選んでください。なお、両チームの意見が分かれた場合は両チームが選択していない戦い方が自動選択されます。以上、ルール説明を終わります。」
ルール説明が終わる。いよいよ、清隆たちの願いをかけた真の戦いが始まるのだ。