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魔法使いの争乱(マジシャンズ・パーティー)  作者: 星見 夜人
リボーン・ガールフレンド編
2/68

チームの絆 

放課後

今日は、入学式及び始業式があるだけなので

午前中で授業が終わる。清隆は、早速、昼食を食べようと、ジャスティスへ向かう。が、その足は、後ろから、手を掴まれることでとめられる。後ろを振り向くと、長い黒髪と凛々しい顔立ちが特徴の女性がいた。この女性の名は、森園巴(もりぞのともえ)。三年生だ。清隆とは過去2回の魔闘会で一緒に戦った中だ。

「やあ、清隆。これからお昼?一緒にどうだい?」

「はい、喜んで。話したいこともあるし。」

巴の誘いに清隆は応じる。

「で、清隆、話したいことって?」

「まあ、それはあとでのお楽しみです。」

清隆はそう言ってにっこり笑う。すると、巴が清隆の腕に自分の腕を絡ませてくる。

「な、何するんですか巴さん、人前で。」

巴の突然の行動に戸惑う清隆。が、これは清隆にとって日常茶飯事である。でも、ついつい戸惑ってしまう。清隆は、この巴の行動が自分の傷を癒してくれているとも感じていた。その時は、二年前に恋人を守ることができなかった罪から解放される気がするのだ。でも、巴の好意に、気持ちには答えられない。

答えてあげられる状況でも、それを自分自身が許さない。2年前に守れなかった彼女の姿が浮かぶ。清隆は、自分に恋する資格などないのだと思っているのだ。気持ちを切り替えて、清隆は巴に話しかける。

「巴さん、昼食は、ジャスティスでいいですか。」

「ああ。」

二人は、腕を絡ませたまま、ジャスティスへ向かった。

ジャスティスへいくと、哲也とエドガーがいた。

「杉並先輩、俺と魔法を使った格闘で勝負してください。清隆を引き抜く権利をかけて。」

そして、エドガーと哲也はどこかへ行ってしまった。

清隆は、エドガーが本気なんだということを知った。どうしても、自分(清隆)をチームに入れたいという思いが伝わってきた。

しかし、清隆は疑問を抱いた。どうして、自分をチームに入れたいのか、親友だからか、きっとちがうだろう。ならば、強さか、これもちがう。強い人なら俺よりも強い人がたくさんいる。結局わからなかった。

「だいじょうぶ、杉並は、後輩に負けるほど弱くはないさ。お前を除いてな。」

と、深刻な顔をしていたらしい清隆に巴が声をかける。

「だいじょうぶです。杉並先輩のことを信じていますから。」

と、清隆も答える。

「よし、そろそろ、何かたべようか。」

巴が、ジャスティスの店内に入っていく、その後をを清隆も追いかけた。


一方、その頃。哲也とエドガーは、学園の敷地内にある闘技場で激しい戦いを繰り広げていた。

「はあああっ、メタモルフォーゼ雷!」

茶色の髪は、魔法で金髪になり、右手には黒いガントレットを着けているエドガーが、光の速さで、哲也に攻撃を仕掛ける。

エドガーは、哲也に止めを刺すために最大級の拳をぶつける。

「雷神の鉄槌(トールハンマー)

速さと威力を備えた拳。しかし、その拳は風を切った。哲也は、エドガーの攻撃をかわしたのだ。

「はははは、いい攻撃だ。しかし、その程度では、俺に攻撃をあてることなんぞできんよ後輩。「全てを見通す(サーチアイ)」の前にはな。」

「全てを見通す(サーチアイ)

この魔法は、どんなに速くても軌道が読める、相手の弱点を見つける、幻術を見破るという様々なおんけいを使用者に与える魔法である。

エドガーは、さらに攻撃をするがあたらない。そして、エドガーのスピードが落ち、哲也はスナイパーライフルでエドガーを打ち落とす。さらに、ライフルを魔法で二丁拳銃に変える。

杉並哲也のもうひとつの魔法、「武器交換(チェンジリング)」。この魔法は、武器の姿を変えていく魔法である。変えられる武器の数は、10を超える。

哲也は、二丁拳銃でさらにエドガーに攻撃する。

「ぐっっっ。」

エドガーは、ふらついている。

「終わりだ。後輩。「光速の弾丸(フォトンバレット)」。」

哲也は、高速の弾丸をエドガーに放つ。エドガーは、その場に倒れた。

エドガーは、すぐに意識をとりもどしたが、抵抗するだけのちからはなかった。圧倒的な実力さを見せ付けられた戦いだった。

(くっ、くそ・・・やっぱり杉並先輩は只者じゃない。さすが、三年生でも五本の指に入るって言われていることだけのことはある・・)

エドガーは悔しがりながらも、哲也の強さを認めるのだった。


一方、ジャスティスでは・・・

「よろしくな、清隆。」

と、清隆が巴をチームに誘い、巴がチームに入った瞬間だった。

「清隆、これから暇か?もし、暇なら、一緒に依頼を受けに行かないか。」

と、巴が清隆の予定を聞きつつ、清隆を依頼に誘ってきた。

「いいで・・」

と、清隆がOKの返事をしようとした瞬間、

「清隆、やっとみつけた、ねえ、魔闘会、わたしと組まない?」

と、静香が現れて清隆は突然のスカウトをされる。

「ごめん、静香。杉並先輩や巴さんとチームくんでいるから・・・」

と、清隆は静香のスカウトを断る。すると、静香の雰囲気ががらりと変わる。

「森園先輩、わたしと清隆をかけて勝負しませんか。」

なんと、静香は巴に勝負を挑み始めたのだ。

「清隆をかけてねえ、それって清隆に気があるってことかな。」

「それは、そのあの、って、そういう意味じゃないです。森園先輩、清隆をチームに招き入れる権利をかけて勝負です。」

と、巴の指摘になんとか対応し、巴に再度勝負を申し込む。

「いいだろう。森園巴参る。」

巴は、静香の挑戦を受けたのであった。


その後、巴は清隆と別れ、静香とともに学園の敷地内にある第二闘技場へとやってきた。

「さあ、はじめようか。」

という、巴の声とともに二人の戦いが始まる。

巴は、魔法陣を展開させて一体の精霊を呼び出した。

巴の使う魔法は、「精霊魔術」とよばれるものである。この魔法は、世界各地に存在する精霊と契約しその力を使役するものである。

巴がよびだしたのは、剣精霊「テンペスト」というツバメのような形をした青い精霊である。そして、巴はテンペストを剣へと変形させる。巴は、手に取らず宙に浮かんだままの剣をにらみつけて、その剣の柄を巴がもっていた細剣で突き刺す。

「宮野剣術3の型「剣がつくる(ブレイドジャベリン)」はっ。」

巴は、技名を唱え細剣に魔力をこめてもう一方の剣を飛ばす。飛ばされた剣はまさしく槍のように空気を貫き、静香のところへ向かっていく。すると、静香も魔法陣を展開させた。

「戻れ、元の姿に!」

その瞬間、静香に向かってきた剣は精霊の姿に戻り、巴の元に召喚される。

「なんだ、この魔法は。この魔法は巻き戻しか?よくこんな高等魔法を」


「巻き戻し」

この魔法は、人間以外の物の時をあるところまで戻す魔法である。例えば、壊れた剣を壊れる前に戻したり、持ち主の手もとから離れた剣を離れる前に戻したりする。


巴は、静香の魔法に驚きの声を上げる。


「いやいや、先輩、驚いたのはわたしの方です。その技は、宮野剣術は、清隆から教わったんですか。」

と、静香が疑問を口にする。その質問に巴は、即答した。

「ああ、そうだ。この技以外の宮野剣術も教わっている。」

「宮野剣術」は、清隆の祖父の祖父の時代から長きにわたって伝えられてきた剣術である。本来、魔力を使う必要はないが、巴や清隆は、魔力を使うことで剣術をより使い勝手のよいものにしている。

巴が話を続ける。

「こういう風に技を教えあうのもチームで戦うことで大切なこと。いいかえれば、チームの絆の証。

君のように本人の意思を無視し、無理やりチームに引き抜こうとしているやつにはわからない強さ。

私が今ここでその強さを証明してみせる。」

「あ、あなたに何がわかるの。わたしの気持ちなんてわからないくせに。」

そして、静香の手から巨大な魔法陣が展開される。

「光と闇の流星(カオス シューティング)

技名とともにはなたれる光と闇の閃光。それらは、巴に向かっていく。しかし、巴も何もしないわけではなかった。巴は、魔法陣を展開させ、再びテンペストを剣に変形させる。「6の型 剣が創造する(ブレードシールド)

技名を唱え、巴は、宙に浮かんだその剣を細剣で回転させる。そして、回転した剣は、2種類の閃光を弾き飛ばした。

「これがその強さの証明だ。そして、もう終わりにしよう、後輩。」

巴の完全なる勝利宣言。巴は、三体のテンペストを召喚し、計4体のそれを剣へと変える。それらの剣の柄を細剣で突き、剣が飛ぶ。

4つの「剣で作る(ブレイドジャベリン)」が静香の元へ向かっていく。

「無駄ですよ。」

静香は、飛んでくる剣を自身の魔法で、精霊に戻し、元の場所に召喚する。すると、突然静香に背中の激痛が襲う。

「う、ううう。」

静香は、そこで気付く。さっきのは囮だったと。現れる黒い人型の影。

静香が、「剣で作る(ブレイドジャベリン)」に気を取られている間に、巴は、影精霊「スプリガン」を召喚し、能力で姿を消させ、忍びこませていたのだ。静香は倒れる。

「チェックメイト。」

巴の勝ちが決まった瞬間だった。

(悔しい、でも、次は必ず・・)

静香は巴にリベンジを誓うのだった。







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