清隆とエドガーのペガサス狩り
リックと戦って3日がすぎた。清隆は、何とかトラウマを心に封じ込めていつも通りの清隆に戻っていた。魔闘会本戦出場チームも決まり、学校も普通に授業を再開した。清隆も普通に授業を受け、放課後は毎日依頼を受けて、己を鍛えていた。清隆は今日も例外なく依頼を受ける。今日の依頼は、この学校とS町を繋ぐ、グリーンウッドブリッジという橋に現れた中型魔獣の討伐だ。ただし、今回は、エドガーも一緒である。エドガーが「俺も連れていけー」というので連れてきたのだ。
グリーンウッドブリッジに着くと、周りには誰もいなかった。皆、避難しているのだ。しかし、橋の上に魔獣がいた。その姿は3mくらいの羽の生えた黒い馬だった。そう、黒いペガサスだ。
清隆とエドガーは戦闘体勢に入る。清隆は腰から二本の剣を取り出して構える。闇帳とパンサーブラックだ。エドガーは魔法を発動し、茶髪が金髪に変わる。
「用意はいいかい、エドガー。」
「当然だぜ。」
こうして、清隆とエドガーのペガサス狩りが始まったのだった。
「グルルルルル、ガウッ!」
ペガサスは怒った犬のような鳴き声を発して、翼を広げて棘のような物複数をこちらに放ってきた。
「エドガー、後ろに隠れろ!」
清隆はエドガーが清隆の後ろに隠れたのを確認すると、清隆はポーチから二本のワイヤーを取り出し、二本の剣にそれを取り付ける。それから、清隆は二本のワイヤーを持って剣を垂らし、ワイヤーを回す。それによってそれぞれのワイヤーに繋がれた剣も回転する。回転した剣はまるでカッターのようだった。
「宮野剣術、一の型、糸釣り刃」
回転した剣は、飛んできた棘を弾き飛ばす。
「グルルルル、グアアアア」
ペガサスは、声をあげて今度は口から、黒い光線を出した。光線は勢いよくこちらに向かってくる。清隆は剣に繋がれたワイヤーを外し、左手に持っていた闇帳を頭上に投げる。
清隆はその剣をもう片方の剣でうまく突っついて剣を空中で回転させる。
「宮野剣術、6の型、「剣で作る盾」っと。」
空中で回転させた剣は、ペガサスの放った黒い光線を弾き飛ばす。ペガサスは光線を放った反動で動けないようだ。
「今だ、行くぞエドガー!!」
清隆はそう言い放つと瞬間移動魔術でペガサスの背後へ回る。エドガーは、雷の弓を召喚する。その弓は、さらに光を強く放つ。
「はああああああ、雷神の大弓!!」
エドガーは巨大な雷の大弓を放つ。
雷の大弓がペガサスを襲うと同時に、清隆もペガサスの背後から、
パンサーブラック専用魔法、ブラックストライクを放つ。二つの遠距離攻撃がペガサスを襲う。黄色と黒の閃光が当たる瞬間、ペガサスは翼を広げ、宙にはばたいた。
宙にはばたいたペガサス。それに向かって清隆は、地上からブラックストライクを放つ。
だが、ペガサスはその攻撃を翼をはばたかせて、風を起こして打ち消す。次に清隆は、瞬間移動魔術で宙に浮いているペガサスの元へ移動し、攻撃をする。
「ブラックストライ・・」
だが、これも攻撃を放つ前にペガサスが翼から棘を放ち、それが清隆に刺さって、清隆は墜落する。
「ぐはっ。」
「大丈夫か、清隆!」
「ああ、それより次の攻撃であの馬を撃ち落とすから、とどめをさす準備をしておけ。」
「・・・えっ?」
エドガーは、突然の清隆の攻撃あてますよ宣言に驚いた。今まで清隆の攻撃はペガサスに
軽くよけられ、あたる気配すらしなかったのだから、驚くのも無理はない。
清隆はそんなエドガーの驚きを無視するかのように地上からブラックストライクを放つ。
この攻撃は、さっきも当たらなかった、今回もあたらない、とエドガーは思っていた。
しかし、清隆はエドガーの予想とは違う行動をする。
「魔法瞬間移動魔術!!」
清隆は魔法名を唱え、ブラックストライクの向かう先へと魔法陣を展開させる。ブラックストライクがペガサスに直撃しようとする。ペガサスが翼をはばたかせて、風を起こしてそれを打ち消そうとする。その瞬間、ブラックストライクは清隆が展開させた魔法陣にぶつかり、その場から消える。清隆はそれを確認し、今度は魔法陣をペガサスの背後に展開させる。すると、さっき消えたブラックストライクがペガサスに直撃する。
「クウォーーーーーン」
攻撃があたり、痛みを感じているのか今までとは違った鳴き声を発する。ペガサスも突然放たれた攻撃に対応出来なかったらしい。
「魔法瞬間移動魔術」
これは瞬間移動魔術の応用で、魔法の対象を自分ではなく、自分の魔法にすることで、魔法の瞬間移動を可能にした。ただし、自分以外が放った魔法には使えない。
ペガサスが攻撃を受けて落下し始める。地上でペガサスにとどめをさす準備をしていたエドガーが光速でペガサスのペガサスの落下地点に移動する。そして、拳に魔力をこめて 必殺の一撃を放つ。
「雷神の鉄槌!!」
その拳はペガサスの頑丈な体を砕いた。そして、ペガサスは光となって消えた。今日の依頼が完了した。
その後、任務完了の報告をこの学校の学園長にしてこの日を終えた。
その1週間後にS町の町長から、大金をもらい、エドガーと清隆で分配した。