表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あめのくに

作者: 浅色

詩のような、短編小説です。

今の世界の何百年も、何千年も後の世界が舞台。

どういうわけか、世界は雨が止まなくなってしまった。

 しとしと、ぽちぽち。


 雨は止まない。


 しとしと、ぴたぴた。


 繰り返す雨は止まない。



 不思議な空間に包まれてるような、そんな雨。

 そう、今日も雨は降る。



 しとしと、ぽたぽた。



 雨が止むことはない。



 ここは、そういう国。



 晴れという言葉は、太古の昔の言葉。

 昔は晴れというものがあったらしい。



 私は晴れを知らない。

 この国の人も、晴れを知らない。

 大陸の人も…。



 けれど心までもが雨なわけじゃない。

 毎日雨が降る。

 雨は用水路を流れて、海へ着く。

 海は危険。

 海へ出ていって、帰ってきた人はいない。

 太古の昔は、海を渡っていたらしいけど。




 雨は今日も降り続ける。

 いつまでも、終わることは無い。

 私は雨が好き、なのかよくわからない。

 毎日眺めてるもの。



 外で遊ぶ時はコートを着る。

 だって濡れるもの。

 雨遊びは、子供の頃みんなやるよね。



 雨は恵みの雨。

 雨が無ければ作物は育たない。

 雨水は栄養価が豊富に含まれているって、随分昔の研究者が見つけたんだっけ。

 でも濾過しないと飲めないのよね、お腹壊すって。


 私はこの大陸から出たことがない。

 私の親も、その親の代も出たことがない。


 ずっとずっと、雨が止まないまま。

 海の真ん中では、神様がストレス発散のために大暴れしてるんだってね。

 だから誰も帰ってこれない。

 大昔は晴れてたんだってね。

 だから海も渡れた。

 晴れと、雨と、繰り返して。


 私たちには想像がつかないな。

 晴れって、どんな感じなのかしら。


 絵本の中では七色に光っているけど。

 よくわからない。


 晴れたらいいなって思うコトも、あるけど。

 でもやっぱり、怖い。

 

 なんだろう、よくわからないけど 怖い。

 

 

 やっぱり、今の生活のままでいいや。

 海の向こう、何があるんだろう。





梅雨の今の時期と掛け合わせてみました。

永遠の梅雨、明けるのことの無い雲。

感想、お待ちしてます(苦笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 未知に恐怖するのが人間。だから死が怖いし、でも無限も同じくらいに怖い。この小説は、それに似ていると思います。
[一言] 雰囲気は好きです。本当に雨ばかりの世界なら、「雨は今日も降り続ける」と改めて言ったりするのかな?と思いました。それとか、毎日が雨なら雨が好きとか嫌いとか、いちいち考えないんじゃないかとも思い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ