まくらのそうじ
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春は、あげポヨ。
人の別れと出会いは、だいたいアルコールでできている。
送別会に歓迎会……いろいろブッキング。だんだん白く霞んでく視界の向こう……駆け込んだトイレの照明がチラチラする。
鏡を見たら、びっくりするくらい目の下紫⤵︎⤵︎
──やめてまぢ。これもうあかん。とてもじゃないけど、異性には見せられない。同性でもキツい。
う……また。
のどの奥から「こんにちわ」する“あげポヨ”。
ォぇぇ。
床にへたり込む我の、小さな呻きがトイレの個室から細くほそく……
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夏は、酔う。
月末は金欠も重なってとくにやばい。でも、ビール好きなんよ。
運ばれてくるビールと焼き鳥の匂い。喉の奥から唾が湧き上がる。……ああッ、たまんない!!
夜の街のビアガーデンには、蛍なんていない。風が気持ちいいから、外で飲むのは楽しい。
切れかけたネオンが1本か2本……パチパチしてるのも、かわいいよね。
あ、雨降ってきた。ま、いっか。気持ちいいし♡
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秋は、やさぐれ。
夕陽もだいぶ落ちてビルはすっかり茜色なのに、目の前には書類の山。
同僚たちは一人、また一人と『お疲れ様』なんて言って家に帰ってく。それとも、まさかこれから飲みに行くのかお前たち……。裏切り者め。誠に哀れなのは我よ。
すっかり夜になってから会社を出る。
へいタクシ~( 'ω')ノ
乗り込むと、運転手はいつものおじさん。
「今日も遅かったね」そう言って、カーステレオを操作する。流れてくるのは、私のお気に入りの音楽。
私はコンビニで買った350ml缶をプシュッとする。
「あーあ、おじさんが飲めればなぁ」
そんなことを言ってみるけど、もちろん無理なのはわかってる。おじさんが笑う。
走り出すタクシー。静かに窓の外を流れていく夜の街、秋の夜は長い。
さ、明日も頑張ろう。
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冬は、お勤め!
冬は出費が多いんだよ! 光熱費もそうだし、イベントが多い! 土曜も出勤して残業代かさ増しするんだ!
ちょ、なのに雪降ってんじゃん!? 電車止まったら困るんだけど〜〜:(´ºωº`):
地味にやばい。遅れるって連絡しなきゃ。
なんとか間に合って、まだ誰もいないオフィスの暖房を入れる。なんだ、うちが一番乗りかー。
せっかく家を出たんだ。お昼になったら、新しくできたクレープ屋さんに行こう。暖かいクレープって、まだあんまり試したことないんだ♪
夜、家に帰ってから思い出す。
お昼に食べたクレープの味。
美味しかったぁ〜〜♡
結局、甘いのにしたんだよね。チョコレートのたっぷりとかかった、苺のコンポート。
生クリームと煮詰めた苺ソースが絶妙!
チョコのトッピングは、ちょっとカロリー攻めすぎたかも。
だめだ……甘いもの。食べたい。
そんな衝動を抑えきれずに、何かなかったかと冷蔵庫を開ける。
あるのは冷えたビール。あと、昨日作ったお好み焼きの残り。スイーツなんて、もし買ってもすぐ胃の中に消えてしまう。
私は“おあずけ”が苦手だから。
迷わずビールをひっ掴み、タブを上げる。
プシュッっていう、いつもの音。
これが、うちの“日常”。
ははッ( ᐛ )ま、明日は休みだし。ちょっとくらいなら飲んでもいいよね!
明日は日曜日。天気は晴れるみたい。
そうだ、しばらくそのままの枕カバーも、せっかくだから新しいのに変えたい。
可愛いの見つけちゃったんだよね♪
さ、“まくらのそうじ”でもしますか!
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枕草子リスペクトで書いてみました笑
こんなうちだけど、これからもよろしくね〜♪
よければ『董卓の孫娘』も、読んでみてねー笑




